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プロローグという名の人物紹介

初投稿です。頑張って飽きない様に書いていくのでよろしくお願い致します。

「……ふぅ」

 よーやくやり遂げたよほんと…なんであんな馬鹿な事約束しちゃったかなぁ…サービス終了前に全部達成できて良かったよマジ、これで先輩たちに自慢できるぜ。


 そう思う僕の目の前には「complete!」と手書きっぽく書かれた金ピカの文字。これはこのゲーム「ユートピア・エンド」の3大やりこみ要素の最後の1つである武器防具図鑑の完成度を100%にした何よりの証拠である。なにか特別な事もなくただただ妙に響くファンファーレ…それだけである。

 ふざけんなっ!!!なーにが「complete!」だよ!!!どんだけ僕が苦労したと思ってんだ!!!!なんで初期選択の武器作るだけなのに、サブクエ全回収しないといけないんだよ!!!なんでメインクエストの進行に必要な防具を作るための鉱石が、ダンジョンじゃなくて運が絡むカジノの商品にしたんだよ!!!!ここで12時間は費やしたよ(泣)!!!!あーもう思い出すだけでイライラするー!!!!!ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!


 閑話休題…


 はぁはぁ…まぁそれはそれとして、ええとセーブして、ログアウトっと。

「ふわぁぁぁ…」

 おおよそ半日ぶりの現実、バイトから帰ってきてすぐにログインしたのでテーブルがぐちゃぐちゃ…まぁこれは後でいいや、ご飯ご飯…の前に風呂か。

 サッとシャワーを浴びて、昨日買っておいた菓子パンを食べながら先程までプレイしていたゲームと今日提出の課題共をバックに詰め込んで、家を出る。駅近なのがほんとにありがたい…次の特急に何とか間に合いそうだ。


「…彼方」

「うわあぁぁぁ!?…ってなんだよ雨音姉ちゃんかよ!びっくりしたじゃんか!!」

「…ごめんね?」

 そう言って僕、紅時彼方(あかとき かなた)の後ろからひっそりと肩を触ってきた兎ヶ崎雨音(ととがさきあまね)姉ちゃんにビビらされた。身長180cmオーバーの高身長でスタイルも抜群、おまけに銀髪ポニーテールときた…非の打ち所がない超弩級の美人だ。


「姉ちゃんさぁ…いい加減怖いからやめてくれよ…」

「…なんで?ビビってる彼方可愛いよ?」

「いやそうじゃなくて!」

「ほーら、早く行こ?」

「ったく」

 そう言って姉ちゃんと駅までダッシュ。そんでもって県内屈指の学部数を誇る我らが大学「立海学院付属大学」に到着。だいたい電車で20分くらいだ。


「…それじゃ姉ちゃん、僕あっちのキャンパスだから」

「うむ。授業終わったら一緒にご飯食べよう…ね?」

「いいよ別に、それに姉ちゃん部活あるんだろ?それに僕は今日先輩達に用事があるし」

「え〜」

「いいじゃんどうせまた帰りに僕ん家寄るんだろ?じゃあね!!」

「あっ……もうっ!」

 ようやく姉ちゃんから逃げきれた…なんでこんなに僕にしつこく構うんだろうか?もう僕も子供じゃないんだからちょっと面倒なんだよなぁ…


 そして、よく分からん講義の後にまたもや背後からとてつもなくでかい気配を感じる…

「よっす彼方!相変わらず眠そうだな!」

「あぁ、太雅…おはよ」

 そう元気に声をかけてきてくれたのが僕の数少ない友人の一人、七瀬太雅(ななせたいが)だ。

 身長190以上の丸刈りが似合う爽やかすぎるスポーツマンで、元ボクシングの国体選手なんだとか。


「何だ…お前また徹夜であの鬼畜ゲームでもしてたのかよ。よく飽きないよなぁ」

「うるさいよ!あの時先輩と太雅が罰ゲームで指定してきたからやってるんだよ!!」

「あぁ…そういやそうだったな。でもよくやるぜ、あんな一切クリアさせる気のないレトロゲーをよ。」

「ふっふっふ…でもね、今日はいい報告ができそうだよ、太雅にも八千代先輩にもね!」

「いい報告って…まさかお前、遂にあのゲーム全攻略したのか!?」

「ま、それは先輩のお店でね~」

「あっ!ちょ待てよ!!」

 あ~2人のあんぐりする顔が楽しみだなぁ!!!


 ザッ…ザザッ……


 …ん?なんか一瞬……気のせいか?





「…んで?彼方お前、遂にコンプしたのか?」

「もちのろんですよ!八千代先輩と太雅のビックリした顔が楽しみですよ!」

「ほほぅ…それじゃカナ、見せてもらおうか?罰ゲーム「過疎り過ぎてサービス終了直前の鬼畜ゲーの図鑑コンプしてこいや!!!」の成果をよ…!!」


 そう言って、メガネをクイっと上げた僕を「カナ」と呼ぶ八千代峯吉やちよみねよし先輩。僕達の2つ年上で、名家「八千代家」の御曹司であり剣道の二刀流の達人でもある。料理も上手で、最近自分のお店をオープンしたとか…それが今僕たちがいる「俺、with me…」だ。……ネーミングセンスは壊滅的なのは目を瞑って欲しい…

 ええっと、とりあえず2人の前にバンっとVRゲームデバイス、「ダイバー」を置いて、投影モードにして……ポチっとな。


「「おおっ!!!!!!!」」

「へへっ!!どーですか!」

「いやはや、よくやるぜほんとに…」

「まぁ、これで罰ゲーム完遂だが、カナ、実際どうだったんだ?このゲーム。」

「え?そりゃもちろんゴミですよ」

「ま、そりゃそうか。」

「なんせ、フルダイブVRゲーム全盛期に大々的にに発表されたにも関わらず、操作性と難易度が現実と変わらな過ぎて、まともに動ける人間がいなかったもんなぁ…そう思うと、彼方お前どうやって攻略したんだよ?」

「ん~基本的に装備なしのすっぽんぽんで駆け回ってよけまくって…」

「ははっ、それはぜひとも見たかったぜ。」

「同感だな。カナ、とりあえずお疲れさん」

そう言って、僕の目の前に先輩特製のサバの味噌煮を置いてくれた。これ美味いんだよなぁ~。



そんな感じで3~4時間くらいわちゃわちゃしてると、

プルルル~と誰かの電話が……なんだ、太雅のか。

「もしもし~?」

『あっ!!お兄!!!何やってるんですか!?今日は早く帰ってくるって言ってたのに!』

「ッ!?凛たん!?」

『お兄の噓つきッ!!もう知らないんだから!』

ガチャ……!!ツーツー…

「ちょ!?もしもし!?凛たん!?りんたーーーーん!!!!!」

………相変わらず妹のことになると”アレ”だなぁ…

「太雅、お前…」

「やべぇ…急いで凛たんの元へ帰んねぇと!!!すまねぇ峯さん彼方今日はここで帰るわ!」

「あぁ…カナ、お前も今日はここで帰っとけ。雨音が家来るんだろ?」

「まぁ…」

「うおおおぉぉぉぉ!!!!!待っててねりんたーーーーん!!!!」

「ちょい待て太雅!この弁当凛ちゃんに渡してくれ!」

「分かったぜ峯さんありがとうなぁぁぁ………!!!!!!!!」

「「…………」」


そう…彼、七瀬太雅は結構気持ちが悪いシスコンなのだ。「凛は俺が生きる意味」だとか「手ぇ出したら整形するまで粉々にするからな。」と澄んだどす黒い目で毎回言ってくるのだ。もうさすがに僕らは慣れたけど、彼の妹、七瀬凛ななせりんちゃんの話題に出すたびに、声色と喋り方がねっちょりするのだけはやめてほしいかな…。

そんなこんな言いつつその後、八千代先輩と別れた後僕は帰路についていた。





あの後、全世界にとんでもない事が起きるなんてこの時の僕は知る由もなかった。

読んでいただきありがとうございます。

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