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ふたりきりの図書室  作者: 金石水月
10/15

短冊に願うことは(※ラブコメ風に書いてみました)

「佐藤くん、これ書いてみようよ」


 いつものようにふたりでいると、吉川が細長い紙を持ってきた。


「なにそれ?」

「短冊だよ。七夕の」


 絶賛開催中の期末試験の勉強で図書室へ来ていたが、良い息抜きになるかもしれないな。


「何にするかな……」

「改めて願い事って考えると難しいね」

「うーん……じゃあ『良い出会いがありますように』っと」

「出会いって何?! そんな新しいところに目を向ける前にまずは身近な縁を大切にしようよ!」

「あ、『本との』が抜けてた」

「……なんだ。びっくりさせないでよ」

「で、身近な縁ってなんだったの?」

「あー……昔一度読んだっきり、読み返してない本あるでしょ? 今読み返すとまた違った感じ方が出来ていいんじゃない? ってことだよ」

「確かに。一理ある」

「うんうん、だからこれは却下。私が処分しとくね」


 吉川はさっさと短冊を回収し、また新しい短冊をくれた。


「じゃあ『期末試験で良い成績がとれますように』これでいいか」

「半分以上終わってるし織姫困っちゃわないかな。残りは佐藤くんの得意科目だし」

「あと数点上乗せされても意味ないか」


 再び短冊は吉川に回収され、新しい短冊が手元に来る。


「吉川は何にしたの? もう二回も却下されてるから参考にしたい」

「う……これだよ。笑わないでね」

「なになに? 『花火大会に行けますように』……ってこれが願い事なの?」

「うん、これでいいの」


 普通に行けば叶うのではないか、とも思うが……。


「わかった。吉川の願いが叶うように僕も協力するよ」

「それって――」

「……っとこれでいいかな」

「んんん?」


 手元にある短冊を見せる。

 そこには『吉川の願いが叶いますように』と書かれていた。


「……そうだけど! そうじゃないの! あーもう、なんでわからないかな?」

「あれ? 今怒られてる?」

「怒ってない! でもこの気持ちをどこにぶつけていいかわからないよ!」


 その後も難しい顔で唸る吉川が元に戻ったのは一時間も経った後だった。

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