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第一旋律『クロノスの森の遺跡編3』
「分からない?!私は最低な神様に喧嘩売られたの!!売られた喧嘩は買う!常識でしょう?」
「てか、なんで神様に喧嘩売られてんだよ。その喧嘩、お前にメリットあんのか?」
「婚約者捕られてんの!だから取り戻す為に旅してるんじゃない!!」
男性は「知らねーよ」と言いたかったが、やめた。これ以上変な事を言うとまた被害に遭う。
「何?神様と三角関係で恋人の取り合い?」
「全然違う!!」
「じゃあなんで?」
イヴレスカは俯きながら言葉を紡ぐ。身体を震えさせ、衣服を握る手に力を込めながら
「あいつは……セドの存在が罪って……言って………、セドは私を……守る為にあいつと戦って………私のせいで負けて捕まって………」
「……それから?」
男性はイヴレスカの衣服を握る手を握り、優しい声で宥めさせる。
「…………分からない。後は、何も覚えていないから………。」
「でも神様との喧嘩の売り買いは覚えている?」
「……………探せって…、欠片を………」
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