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比類無き才能

傷は翌日に完治した。元々、巴さんが折れた肋骨と脚の骨を魔法で固定して、すぐに治癒術を使ってくれたので僕には後遺症が残らず、昔の古傷もすっかり消えていた。お陰でもう体の痛みはなく、すっかり元通りと言った感じだ。


「修行って何をするんですか?」

僕がふと、巴さんに尋ねると彼女は笑った。

「そうね、まずは剣慎の適正を見るために軽くテストをするから」

「テスト?」

すると、巴さんは突然尋ねてきた。

「その前に魔法使いにとって、重要な要素って何か分かる?」


僕はその答えは分かっていた。

「魔力強度と魔法発動速度です」

そう答えたが、巴さんの表情はとても微妙だった。


「うーん、それは違うね。貴方の言っているのは戦闘時において、重視される2条件っていう脳筋達が考えたものであって、魔法使いにとって重要な要素じゃないのよ。もう少し、頭を柔らかくして考えなさい。魔法使いとそうではない人の違いは?」


「違い……」

そんな事は考えたことはなかった。何故なら紅井の家では魔法を使えない人間などいない。家の者、斉元の配下、使用人に至って全ての人物が使えるからである。そのため、魔法を使えない一般人などは屋敷から出たことの一度も無かった剣慎には全く分からないのであった。


「魔力量よ」

巴さんはそう答えたが僕には分からなかった。だって

「そんな事は無いですよ。だって」

「そうであれば、こんな目にあってないって」

「!!……」


彼女は優しく頭を撫でると

「ちょっときつく言い過ぎたわね。でも魔法使いにとって1番大事なのは魔力量よ。何故なら魔法使いというのは幻獣と戦う人間の事を言うんじゃなくて、魔法を使うための魔力のある人の事を言うのよ」

「?」

「そうね、例えばエネルギー源だってそうよ。5世紀以上前だと原子力という危険でかつそんなに多くないエネルギーだけど、1世紀前に作られたマナキャベリングシステムのお陰で、基地の大きさで比較するとその十倍の電気が確保出来ているのよ。他にも様々な物が魔法使いによって作られている。そしてこれを見て」


そう言うと、巴さんは僕に筒状の金属を見せた。

「これはなんだか分かる?」

()()()()ですか?」

「正解よ。これがデバイスだって良く分かったわね。これは魔法使い、その中でも特に技術が無い者しか作れない物なの。これと類似の機種を見たことがあるのかしら?」


「いえ、でもあそこの家の人達は持ってましたし、その内の人が持っていたのと似たような感じの回路が見えましたので」

すると、巴さんは慌てた様子で僕の肩を掴んだ。


「?!ちょっと待って、回路って貴方はこの()()が見えるの?」

「はい、昔からそういう物の中身の回路が見えていたので、興味があってどういうのがあるか他の人のデバイスを色々見ていました。なのである程度どういう物かは見れば分かります」

「じゃあこれはどんなのか分かる?」

巴さんは恐る恐る、僕に見せたが


「多分、魔力の刀身が出る物ですよね」

「!!」

(もしかしたらこの子は()()()の持ち主……)

巴さんは先程よりも驚いてすっかり固まってしまった。僕は何て声をかけたら良いか分からないまま時間は過ぎて


「はっ!ごめんね。すっかり考えこんじゃって、最後に確認したいのだけどその回路を見ようとして、見える状態にした時って見えた後に凄く疲れたりしなかった?」

「全く、そんな事は無いです。寧ろ、見える時というか、自然に見えるので、特に気にしたことは無いです」


再び巴さんは考え込んでしまうと今度はさっきよりも早く

「それじゃあ、剣慎行くわよ」

「行くってどこにですか?」

「この家の地下室よ」


巴さんはそう言うと部屋を出て、地下室へと繋がる所へ移動した。僕も巴さんの後ろをついて行くと奥の部屋に入っていった。

「そう言えば、この家ってどこにあるんですか?」

不意に巴さんに尋ねると巴さんは何やら作業しながら


「この家は富士の樹海の中にあるわ。だから滅多に人はやって来ないのよ。なのに、昨日は夜に散歩中に人の気配がしておまけに魔法の反応までしたから何事かと思って急いで向かったら案の定、ヤバめの展開だったって訳よ」

「じゃあ、どうしてそんな所に家があるんですか?」


そう聞くと巴さんは僕の唇を指で押さえて

「いい女には秘密っていうのがあるのよ。また今度ね」

「わ、分かりました」


すると解除されたのか

ガチャン!

と音がなり、部屋に下に続く階段が表れた。

「さぁ、行くわよ」

「はい」

下に降りていくと、そこには扉があり、扉を開けると……

「す、凄い!」

「この部屋にある物は全部私の物よ。ようこそ、私の宝物庫へ」


そこには、数多くの様々な種類のデバイスが壁に飾られたたり、机に乗っていたりしてあった。だがその中でも真正面に飾られたいる刀型のデバイスに興味を持った。


「これは?」

「最初にそれを聞くなんて、流石ね。それは名刀、菊一文字。私が持っている刀型のデバイスで最も強い物よ。やっぱりそれが気になったのね」

「これだけ何も見えなくて」

「ああ、それはね。この鞘に対魔法防壁がかかっているからなのよ。だからこれは見れなくても仕方ないわよ。それでいて中身はね」

そう言うと巴さんは刀を鞘から出して見せた。


「これはね、そのままでも刀並みの強度があって、魔力を通さなくても切れるのよ。しかもそしてその効果は」

「似ている」

「え?」

「このデバイス、似ていると思って」

「似ているって、何と?」


「父さ、あの人が持っている刀型のデバイスの確か和泉守兼定っていうデバイスの回路に凄く似ている...」

「!!」

(デバイスの回路が見えるだけじゃなくて、()()()()()()あんな複雑な物を……)

「でも、ここの部分が少し違うな」

(さっきのような量産型デバイスと違って、この菊一文字は一点物。ましてや術式を埋め込んだ回路なんて、その規模は比較にならないわよ。それに)


「似ているって言っていたけど、そんなに形が似ていたのかしら?」

「形が似ているとかじゃなくて、なんて言ったら良いのか……配置は違うんだけど、トータルでというか、全体的に見ると同じだなって思ったから」


「……なるほどね」

(紅井の馬鹿ども、この子が才能が無いですって、全く見る目の無い人達だったのね。だってこの子は……)

「巴さん、他のデバイスもたくさん見て良いですか?」


「えぇ、気にしないで見て良いのよ」

(魔法使いの中でもデバイスを作ることに関してはもしかしたら世界一、いやとんでもない()()()に成るかもしれないわよ)

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