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僕と冷たくて暖かい僕の友達の話

作者: P定食


僕には友達がいる。


大事な大事な友達。


彼はとても大きくて、とても冷たかった。


周りは真っ白で、凍えてしまいそうだったけど


なぜか、彼の隣は暖かかった。


僕にはおかあさんもおとうさんもいない。


いつもひとりぼっちだった。


寒くて寒くて仕方なかったときに


彼と出会った。


「こんにちは」って挨拶したけど


彼は何も言わなかった。


お日さまが出て、お月さまが出ても


彼は動かなかった。


「どうして、動かないの?」


たくさん質問をした。


たくさんお話しをした。


だけど彼は何も言わなかった。




あれから、どれくらい経ったかなんて覚えていない。


僕は大人になって、彼の元を離れた。


仕事が忙しくって、彼の元に行けなかった。


彼の近くより暖かい場所。


彼の近くより楽しい場所。


彼の近くより美しい場所。


僕はとても幸せになった。


幸せになってしまった。


彼は今どうしてるかな?


何をしているかな?


そう考えると、少しだけ、悲しくなってくる。




あれからまた何年経っただろうか……


この世界は発展して、至る所にヒトが住んでいる。


今となっては、僕もお爺さんだ。


彼は、まだひとりぼっちなのかな?


もし、僕があの場所へ帰れたなら


彼にたくさん話しをするんだ。


暖かい夏の話し。


冷たい海の話し。


悲しい恋の話し。


でも、もう指が動かないや。


どうか、もう一度


もう一度だけでいいから


彼に会いたいな

























「ただいま」


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