地球の再生
Xが意識を失っている間に第四次世界大戦が勃発し、地球全体は核物質で汚染され生き物が住めない環境へと変化してしまった。文明が崩壊し、人間は、高濃度の汚染に耐えきれずにある生き物へと変貌していくものもいた。そして、生き残った人類は放射能に対して抗体を持っていた。そして、放射能に強い人類が沢山誕生していく・・まるでゴキブリのように。・・・・
一方耐え切れずに変貌したものは、理性を持たず、物音を立てる者を食べ物と認識するグールや緑色の肌に原始的な知能を備えたゴブリンなどだ。他にも、奇妙な変貌を遂げた物もいた。人間的な知恵があり、意志をもつ。耳が特徴的に長くなったエルフと呼ばれる人種や肌が真っ黒で人間よりもはるかに高い知能を備えた魔族と呼ばれる者達まで現れた。
そんななか、この変わり果てた地球にも変化が訪れた。地球全体を覆っていた核物質がすべて変換され、魔素と呼ばれるものになった。魔素は生き物が持つ気力と同じで、生き物に対し特別な力を与える。もちろん、魔素を持てば持つほど強くなれる。だが、その魔素を得るためには生き物を倒すしかない。そして、その直後に魔法と呼ばれる人類にとって未知の技術が誕生したのであった。
魔素に飲み込まれた生物たちは、生き残る為に彼らも変化という道に乗っていった。そして、魔物と呼ばれる生き物に進化したのであった。
戦争中Xのいる地下バンカー近くに原子爆弾が落とされ、分厚い鉛の扉の奥に閉じこもっていた優秀な学者や有名な政治支配者たちが隙間から入ってきた超高濃度な放射能汚染の被害をうけた。そして、グールという理性を持たない言わば、ゾンビのような生き物に変貌していった。
そんななか、地球が再生し放射能物質を魔素物質に変換したことにより、超高濃度の放射能汚染にさらされていた地下バンカーも生まれ変わった。
ダンジョンと呼ばれる未知の洞窟に。ダンジョンとは、魔素により生み出された生き物・魔物と呼ばれる生き物が縄張り意識を持ちつつも共生している場所を指す。このダンジョンの中には生前の政治家たちが残して行った金銀財宝が沢山眠っている。そして、このダンジョンすべてを管理、統制しているのがダンジョンマスターと呼ばれるいわば、ボスだ。ボスは政治家たちが残して行った金銀財宝をすべて管理し、精製している。そして、それをあちらこちらに配置して、人間をおびき寄せるのだ。なぜ、そんなことをしているのか。その答えは魔素にある。生物が持つ魔素。生物が死ぬと魔素が放出され、生き物を強くする。このシステムはダンジョンにもある。ダンジョン内で生まれた魔物が侵入してきた生き物をダンジョン内で倒すと、ダンジョンが魔素を吸収し、より強固なダンジョンに生まれ変わる。
それから時がたち、地下バンカーに保存されていたXがついに目覚めようとしていた。
特徴的なXの起動装置がひとりでに光と音を出す。
「ピッ」
「ピッ」
「ピッ」
「ピッ」
この音に気付いたのか、グールがダッシュでリモコンがある部屋にやってきて、リモコンをかじった。
「ぐるるるぅ カムカム おいしいぃぃ!」知能がガタ落ちたグールは音を立てる者を食べることしか頭にない。もちろん、リモコンも音を出したわけだから食べ物と認識したのだ。
その時、グールはボタンの部分をかみ砕いた。
グシャと鈍い音を立ててボタンの部分が壊れた。その直後電気信号が送られ、Xを起動させた。
「「現在の時刻・・起動停止時刻から…..計算中….約450年27日経っています。脳神経疑似物起動中・・再起動開始・・・・・まで17秒。」
「ぐああぁぁあ!! 食い物ぉぉおお!」グールが威嚇攻撃を行いながらXの体に特攻する・・が、装甲は戦車を簡単に貫く弾でも弾く特殊合金だ。噛みつきや突進では傷もつかない。
「敵対攻撃が確認されました。 早期再起動を開始・・14秒.....13.....12.....11…10….9……8……7…..6…..5…..4……3……..2…..1……」
「「再起動完了。」」