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学園生活は魔女と共に  作者: あまねく
一章 日常へのアンチパスバック
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広がる波紋 1

 ここは人口八十万人が暮らす鷹城たかぎ市。

 鷹城市は中央区を中心に東西南北のそれぞれが区分けされており、東区に市内最大級の鷹城駅がある。

 その鷹城駅から中央区の中心街「新街しんまち」へ延びる道は大きく分けて二つある。

 ひとつは新街北部に繋がる北新ほくしん通り。

 もうひとつは新街南部に繋がる天南てんなん通りだ。

 新街は南北に伸びる新街大通りに沿って栄えており、週末はもちろん平日も大変な賑わいを見せている。


 普通の都市開発ならば新街大通りの真ん中に、鷹城駅からバイパス道路を一本通した方が良いと考えるだろうが、それが出来ない理由があった。

 鷹城駅と新街の間に、戦後の闇市で栄えた大規模な歓楽街が形成されているからだ。

 飲み屋や風俗店が軒を連ねているこの旧市街は、夕方なるとサラリーマンや観光客で人がごった返している。片側三車線の広い道はタクシーが占拠し、旧市街の中心部はもはや歩行者天国のように人が歩き回っている。

 贔屓目にみても治安が良いとは言えないが、ヤクザや警察との均衡が保たれているので、観光客の一人歩でも滅多に酷い目に逢うことはない。

 これは旧市街商店街と地元住民、警察の努力の賜物で、十年前までは新興暴力団が溢れる危険地帯だった旧市街を、地道な活動で一掃したのだ。

 その結果、出入りがし易くなり、健全な居酒屋や、チェーンレストランが増え、イメージを変えることに成功した。

 中央区から西側を見ると西区がある。

 西区は南区と同様に、大規模な住宅街が広がっていた。

 県内有数の進学校や、国立大学、また公営の博物館や美術館、図書館もあり、春になると地方からの転居者も数多く集まる地域だ。

 北区は海に面しており、工場地帯となっている。

 近年では埋め立てによる開発が盛んに行われ、ネオシティアイランドといった人工島の開発に成功。新たなベットタウンとして、大型マンションや人工海浜公園が作られ、人気のスポットとなっている。

 また西区にあった国立大学も施設の一部を人工島に移転し、これから益々の発展が期待されている。


 鷹城市西区にある県立西親けんりつせいしん学園に通う岡留篤志おかどめあつしは、本日入学式が行われる朝を迎えようとしていた。

 カーテンに光を遮られた薄暗い部屋には、乱雑に脱ぎ捨てられた紺色のブレザーとネクタイ、漫画本が散乱している。

 六時ジャストに鳴り始めた目覚まし時計も無視され、頼みのスヌーズ機能も今ではその役目を終え静かに時を刻んでいた。

 そこに鳴り響く数回のノック音。

 反応が無いまま、数秒が経過したところでドアが開かれた。

 「起きてください」

 勢い良く窓のカーテンが開かれるが、篤志は一向に起きる気配がない。

 部屋に入ってきた侵入者は、起きる様子の無い彼を尻目に、窓を開くと篭った空気を外に逃がした。

 時間は七時五十分を過ぎようとしている。

 「いい加減に起きて下さい。遅刻しますよ」

 反応は無い。

 気持ち良さそうな寝息だけが響いている。 

 意を決したように侵入者が篤志の上に飛び乗った。

 布団の中から「ぐえっ」と呻き声が漏れ、中から伸びた手が力ずくで侵入者引き剥がした。

 「殺す気かっ」

 涙目になった篤志が叫びながら体を起こし、床に投げ捨てた妹の美雪に視線を移す。

 「いくらなんでも今のは死ぬかと思ったぞ」

 「いつまで経っても起きないお兄様が悪いんですよ」

 乱れた髪を整えながら、美雪に悪びれた様子は無い。

 「そもそも昨夜も遅くまで起きてたんでしょう?新学期がはじまるから、早く寝たほうがいいって忠告してあげましたのに。だいたい起こしてあげたことを感謝されることはあっても文句を言われる筋合いはないと思うんですけど。そこのところはどういう風に考えていらっしゃるのですか?まさかこのままほっといても自分で起きれたとでも思うのですか?そんな冗談はやめてください。寝言は寝てから言って欲しいですけど、もしかして今もまだ寝てるんですか?」

 矢継ぎ早に言いたいことを言った美雪が、鋭く口を尖らせる。

 篤志の経験上、口論で勝てたことは無い。

 よって彼が取る行動は兄の威厳とは程遠い選択だった。

 「はいはい、お兄ちゃんが悪うございましたよ。とりあえず着替えるから出てってくれないか?」

 篤志はぞんざいに美雪をあしらい退出を促すが、彼女が部屋を出る気配はない。

 そればかりかジッと篤志を見つめている。

 「あ、あの……私を見て何か言うことはありませんか?」

 「ん?どうかしたのか?」

 溜息をついた美雪が、チェック柄のプリーツスカートの裾をつまみ一回転をする。

 「なるほど!見世物小屋へ丁稚奉公に行くのか」

 ヒュッ

 机上のハサミが篤志の顔面を掠めた。

 深く壁に刺さっている。

 これは壁を狙ったのか、顔を狙って壁へ外れたのかで、大きく意味合いが分かれるが、篤志に確かめる勇気は無い。

 「空耳でしょうか?何か不快な事を言われたような気がするんですけど」

 般若の如き殺意のある顔だった。

 篤志は血の気の引く感覚に促され、妹が求める答えを口にすることにした。

「せ、制服……、よく似合ってる。と、とてもかわいいよ」

 一歳年下の美雪は、篤志の通う高校の制服を身にまとっている。

 白いブラウスに青いリボンと紺色のブレザー。スカートはライトグレーにチェックが入っている。

 きれいな黒髪のセミロングで、サイドに分けた前髪をトレードマークのヘアピンで留めていた。

 普段は柔和でどちらかと言うと、もの静かな女の子だった。

 篤志は少し照れた様子の美雪を部屋から押し出すと、朝一番で足蹴にされた制服に着替えることにした。

 

 岡留家は四人家族である。

 大黒柱である父、実篤さねあつは中小企業のサラリーマン。

 性格は人当たりがよく、温厚な性格で子煩悩。

 朝は早くに出勤し夜は遅いが、仕事が楽しくて仕方ないと息巻いている。

 風呂上りのビールをこよなく愛す平凡な父親だった。

 近所ではこんな凡人の実篤が、誰もが羨む美女を妻にしたことが七不思議のひとつとなっている。

 その妻、篤志の母であるめぐみは、西区にある国立鷹城大学の准教授をしている。

 海洋資源の研究者としては名が売れており、新資源の発掘や活用のエキスパートであった。

 大学が研究施設を人工島のネオシティアイランドに移転させたため、現在はそちらに通勤しているが、職場が遠くなったことにかなり不満を漏らしている。

 また仕事柄、自宅に帰れないことも多々あり一週間以上泊り込むことも珍しくなかった。

 元々は楼家たかどのけという旧家生まれの才女で、大層な美人で有名だった。

 父親である当主とは、実篤との結婚が認められず完全な駆け落ち状態だったのだが、篤志の出産を機に和解。

 そんな父親も十年前に亡くなり、家督を継いだのは兄の楼達樹たかどのたつきである。

 達樹は駆け落ちした時も、実家との間を取り持ってくれた妹想いの兄で、幼いころより慕っている。

 しかし現在はある事情から、実家への訪問を禁じられていた。

 それについて寂しく思う所もあったが、兄の立場もあり口にすることは無かった。


 篤志は着替えが終わると二階の部屋から階段を降り、洗面所で身支度を整える。

 家を出るリミットはあと五分。

 父はすでに出勤済み。

 今は美雪が急ぐように叫んでいた。

 母は入学式用の化粧に夢中で、わが子の遅刻沙汰には無関心だった。

 篤志は急いでリビングに向い、男子高校生の空腹を満たす為に、勢いよく朝食を促した。

 「めしっ!」

 「無しですっ!」

 即答である。

 しかも「無い」ではなく「無し」という回答であった。

 つまりこれは朝食はあるが、あえて出さないという簡潔な回答である。

 「今から食べる時間が有ると思っているのですか?それに今日は私達の入学式だけです。お昼前には終わりますからこれで我慢してください」

 美雪がさっと牛乳の入ったコップを差し出した。

 「これだけ?」

 「これだけですが、何かご不満ですか?」

 有無を言わさぬ迫力、般若顔の登場だった。

 この顔をすれば篤志は身を引くと思っているが、まったく持ってその通りである。

 平和的に結論が出たので、篤志がいっきに牛乳を流し込む。

 彼女の準備は万端、しかし篤志はその様子に未熟さを感じずには居られなかった。

 「まだまだ甘ちゃんだな美雪。この一年間の通学で学んだことは、あと二分は余裕があると言うことだ」

 「それは余裕とは言いません。猶予と表現するのです」

 「なるほど・・一理あるな・・・」

 「お兄様っ。いい加減にしてください。置いていきますよ」

 「はいはい。さすがに入学式に遅刻させるのは不憫だからな。すぐ行くよ」

 篤志は空のコップを流しに置くと、部屋の奥で化粧に集中する母に声を掛け玄関に向かった。

 「二人とも車には十分に気をつけましょうね~」

 准教授とは思えないような、気の抜けた声が奥から響く。

  二人は声をそろえて「行って来ます」と応えると足早に家の門を抜け、学校へと向かった。


 学校は二キロ圏内にあるため、二人の通学は徒歩である。

 西区で一番活気のある住吉商店街を抜け、北へ進むと新街につながる大通りに突き当たる。その道を越えると県立西親高校けんりつせいしんこうこうはあった。

 通りを歩くと篤志に対しちらほらと挨拶が送られる。

 彼にとっては知らない生徒からも声を掛けられているが、特に気にせず適当に挨拶を返している。それが一人や二人ならば美雪も気にはしないのだろうが、多くの人が篤志に声を掛けていた。

 「お兄様って学校の有名人なんですか?」

 「へっ?」 

 不意の質問で篤志から間抜けな声が漏れる。

 「なんだか皆様がお兄様に声を掛けて下さっているので・・」

 珍しく歯切れの悪い調子で美雪が言葉に詰まった。

 「特に有名人じゃないよ。でもまあなんていうか俺、癒しキャラだしな」

 篤志が笑顔が光る。

 「癒やし、じゃ無くて卑しいの間違いだろ」

 突然届いた男子の声に振り返ると、そこには篤志にとって腐れ縁の深田良一が立っていた。

 「久しぶりだね美雪ちゃん。中学以来だから一年ぶりかな。僕は会いたくて会いたくて心が震えるほど寂しかったよ」

 「お久しぶりです。良一さん。いつも兄がお世話になってます」 

 才色兼備。よく出来たお嬢様キャラである美雪のスキルは完璧だった。

 良一に深くお辞儀をすると、最上級の笑顔をプレゼントしたのだ。

 「よせよせ、いつも俺のほうが世話してるんだからお前が頭を下げる必要はない。あんまり愛想を振りまくとこいつは勘違いするぞ」

 「いやいや、僕とあっくんの仲でも、礼儀は必要だと美雪ちゃんは言ってるんだよ。まあ将来は僕のお嫁さんになるんだし、そんな他人行儀にはならなくてもいいとは思うんだけどね。お義兄ちゃん。」

 「やめてくれ気持ち悪い。お前が義弟になったら俺が不幸になる」

 「そんな照れなくて大丈夫だよお義兄ちゃん」

 「照れてねーよっ」

 「相変わらずお二人を見てると楽しいですね。私も早く友人が出来ればいいんですけど」

 今日、入学式を迎えるにあたり、美雪も普通の女の子と同じように、緊張していた。

 その気配を察した二人が、いつもより高いテンションで「絶対出来る」と声を揃えた。

 「ところでさっきの話だけど美雪ちゃん。篤志が有名人っていうのは本当だよ」

 「ちょっと待ってくれ。いまさらその話題に戻すのかよ」

 「美雪ちゃんの疑問は全部俺が答えるんだ」

 「やめろ。迷惑だ」

 「私は聞きたいです。良一さん」

 「ほれほれ、美雪ちゃん直々のお願いなら答えないわけにはいかないな」

 篤志は強制的に話題を終えようとしたが、良一が発言を控えることは無かった。

 

 これは半年ほど前、二学期も終わりを迎えようとしていた頃だった。

 篤志が廊下を歩いていると、中庭を挟んだ校舎屋上に人影が見えた。

 逆光で顔は見えないが、男子生徒であるのは間違いなく、さらに手すりを越えようとしている。

 瞬時に状況を理解した篤志が、屋上へ駆けるが、間に合わないと判断すると窓を開け叫んだ。

 放課後とはいえまだ多くの生徒が校舎に残っている状態である。騒ぎに気づいた者達が続々と集まって来た。

 飛び降りようとしていた男子は、泣きながら「止めるな、死なせてくれ」と叫ぶ。

 ここからが篤志のレジェンドの始まりだった。

 屋上と窓辺からの、やりとりが始まったのだ。

 男子生徒は三年生で失恋したと告げた。

 深く愛していたとのことで、しきりに裏切られた、騙されてたと喚き散らす状態だった。

 それに対し篤志は、多くの生徒が見守る中、冷静に自分の経験談を交え、誠心誠意心を込めて答えた。

 それは歯の浮くような恥ずかしい名言の宝庫だった。後日、岡留語録なるものが校内新聞で特集されたほどである。

 最終的に男子生徒は、篤志の説得に応じ事なきを得た。

 この事件が伝説となり岡留篤志の名前は一躍校内に広がったのだ。

 おかげで篤志の恋愛観や恋愛経験は全校生徒が知っているし、状況を静観していた多くの生徒の多くは彼に好感を持った。

 篤志は今更ながら後悔しているが、人の噂も七十五日というように、人ひとりの命を救えたことを理由に自分を納得させた。

 ただし噂は七十五日では済まなかったようである。

 それからどこへ行っても声を掛けられるようになったのだ。

 

 「そんなことがあったのですね……」

 まさか自分の兄がそんな事になっているとは思いもしなかった。父に似て人が良く正義感も強い。

 厄介事に巻き込まれやすいとは思っていたが、想像のはるか斜め上を行く展開だった。しかしそんな兄が少しだけ誇らしくもあった。

 「おっはよー」

 突然の挨拶。この声は篤志にとって日常的に聞くことができる相手の声だった。

 「おはよう。希実のぞみ

 篤志が振り返り挨拶を返す。

 「あっれ~。なんかすっごいかわいい子がいるけど、もしかして彼女じゃないでしょうね?」

 「いや~照れるなぁ」

 「良一には言ってないわよ」

 「ひどいっ」

 良一を冷たくあしらった希実は、美雪を見つめると下から上へと視線を運ぶ。

 目は鷹のように鋭く、ゆっくり視線を移した先で停止した。

 「一年生でこのサイズ。許せないわね」

 「おい、やめろ。美雪が怯えてるぞ」

 すかさず篤志が二人の間に割り込んだ。

 「みゆきって、すでに呼び捨て?私の想像を超えるステディな関係なの?一緒に登校しているっていうことは朝帰り?まさか……まだ学生の身分よ。篤志あんたこんなにかわいい娘を手篭めにして」

 「いやいや、落ち着け。それに手篭めって……美雪は俺の妹だ」

 「そうだそうだ落ち着けペチャパイ」

 新学期一番乗りで地雷を踏んだ者が一名。

 通学用の手提げカバンが良一の顔面にヒットする。

 その間わずか0.2秒。

 想像を絶する反射神経で希実は先制攻撃を成功させると、よろめく良一の至近に身体を滑り込ませた。

 篤志が状況を察し叫ぶ。

 「出るぞ。希実必殺のスペシャルローリングサンダーだ」

 一秒間で五発ものジャブを身体の心中線に沿って繰り出す大技である。

 陸上部期待のホープと言われ、西親高校の非公式ミスコン団体からミスポニーテールに選ばれた彼女が、なぜこんな技を習得してるのか尋ねたことがある。

 しかしその時彼女が答えることは無かった。

 どうやって特訓したのか理解に苦しむが、血のにじむような努力があったのだろう。彼女の目は遠くを見つめていた。

 良一がヴァルハラに旅立ったところで、改めて希実が口を開いた。

 「変な誤解しちゃってごめんね」

 「いえいえ、そんな謝らなくても大丈夫です。気にしてませんから、それに今日から先輩にあたるわけですし、こちらこそよろしくお願いします」

 美雪が深くお辞儀を行うと、それを見た希実はあわててお辞儀を返した。

 「こちらこそよろしくね。私は須恵希実すえのぞみ。篤志とそこのバカと同じクラスで陸上部よ」

 「私は美雪と申します。岡留美雪です」

 「篤志、この娘本当にあなたの妹?全然育ちが違うんだけど」

 「どうみても俺の妹だよ。ちょっとばっかり兄離れができてないけどな。それより急いだほうが良さそうだ。美雪のクラス確認もあるからな」

 篤志はそう告げると、皆を促し学校へと急いだ。


 学校へ到着すると通用門には、新入生の人だかりができていた。

 一学年八クラスまであり、全校生徒はおよそ千人。

 正直そこまで偏差値が高い学園ではないものの、立地のよさや、中堅層に支持があり市内では人気の高い高校である。

 四人は篤志を先頭に、人波を掻き分け、クラス表で美雪の名前を探した。

 「あったあった。美雪ちゃん、二組にあったよー」

 良一が勢いよく叫ぶと美雪は少し恥ずかしそうに二組を確認する。

 「一年二組か、ここからは一人で頑張るんだぞ」

 「大丈夫です。こう見えてもやる時はやるんです」

 美雪が勢いよく応えると、機を狙っていたかのように予鈴が鳴り響く。

 教室に向かう時間だ。

 しかし、人の波が思うように動くことは無かった。

 それもそのはず、ふと辺りを見回すと男子の視線が美雪に集中しているのだ。

 高一とは思えない豊満な胸部に抜群のルックスである。注目を集めない訳が無い。男子の気持ちは判るが、美雪に変な虫が付かないか少し不安がよぎる。

 「美雪。男には気をつけろよ」

 美雪は意外な言葉に驚きながらも満面の笑みで言葉を返した。

 「大丈夫ですよ。今のところお兄様以上の男性に出会ったことはありませんから」

 「あらあら篤志君はシスコンのようですねえ」

 「そうなんザマスよ奥さん。岡留さんところのあっくんは昔からシスコンの気があるようで、それは口では文句を言いながらもデレデレ甘やかしちゃってましたからねえ」

 「う、うるさいっ。時間が無いから教室にいくぞ」

 篤志は恥ずかしそうに口を開くと、足早にその場を後にした。

ご多忙の中ご拝読頂き本当に有難うございます。

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