第二話
蒼穹を狙う黒い陰が動き出す。新たな依頼は防衛省からだった!
〜東京某所〜
「に、逃げろぉ!」
武装した男達が細い路地を走っていく。
「こんな奴がいるなんて利いてないぞ!」
突如目の前で爆発が起こった。煙の中に人影が見える。
「おやおや。何処へ行こうというのか?」
煙の中から出てきた男は不敵な微笑みを浮かべて男達の前に立ちふさがる。手にはトライデントを持ち、ロングコートを着ている。
「日本の自衛隊も大したことはないようだ」
抑揚のある声でゆっくり語りかける。
「ゴッドハンドはどこですか?」
「し、知らん!本当に知らん!」
男達は完全にすくみ上がり、動けずにいた。
「おや、役立たずですねぇ。ではさようなら。」 その瞬間に地面から巨大な火柱が吹き出し、男達を焼き尽くした。
「呪われし神の力を持つ男。白井蒼穹。どこに居るんですかね…」
〜なんでも屋〜
蒼穹は激しいノックで起こされて最悪な目覚めを迎えた。
「はぁい。今行きますよ」ダルそうに玄関に歩いていき、ドアを開ける。
「初めまして。防衛省の者ですが。」
スーツに身を包んだ男が2人、防衛省の官僚を名乗った。
「防衛省の方が何か?」
蒼穹は官僚を相手に依頼を受けるのは初めてなのでかしこまって聞くと、深刻な顔をして重い口を開いた。
「君は最近自衛隊が襲われる事件が多発しているのを知っているだろう」 「最近騒がれてますね。その調査ですか?」
「話が早くて嬉しいよ。これが資料だ。発生予想の地図と…」
一枚の写真を取り出した。
「犯人と思われる男だ。名をエルロンド」
〜東京中央区〜
蒼穹は発生予想をもとに割り出された場所に来ていた。もうすぐ太陽が沈む時間だ。オフィスビルの影でいっそう暗く感じる。
「そろそろか」
事件の発生時刻は毎回7時から8時あたり。現在は6時半を回ったところだ。
ドオオォン!
突然の轟音。
「まさか!」
蒼穹は音のした方へ走り出した。
ついに事件発生!次回も是非読んでください。