第一話
がんばりました!第一話です。ぜひ読んでください。
~都内某病院~
「急げ!脈拍が低下してる!」
医師たちが手術室の中を忙しく動き回っている。手術台には子供を身籠った女性が横たわっており、モニターには身籠っている子供の様子が映し出されている。
「心肺が停止に近づいています!」
「手遅れになる前に母親から取り出すんだ!」
帝旺切開が始まった。
八時間後、赤ん坊が生まれたが産声をあげなかった。
~東京都港区~
夏目ビルは大通りに面していたが、ひっそりしてあまり目立たない外見をしていた。二階にはテナントの名前がでかでかと書いてある。〈なんでも屋 白井〉このビルには他にテナントがいなかった。
白井蒼穹は、オフィスの椅子にもたれて客を待っていた。歳は16歳。本来学校に通っている年齢だが蒼穹には両親がいないため、この生活を余儀なくされた。今日も来るかわからない客を待っているところだ。ビルが目立たないせいか客はめったにこないため、蒼穹の生活は決して楽ではなかった。12時を過ぎたころインターホンが鳴った。蒼穹は急いでドアまで行き、
「いらしゃいませ」
とかしこまってドアを開ける。開けた先には約60代の老人が立っていた。
~PM八時 商店街~
蒼穹は静まり返った商店街を一人で歩いていた。老人の依頼は夜の商店街で暴れるチンピラの退治で、報酬金は三万円。なんでも屋にはこうゆう荒い仕事が回ってくるので蒼穹は慣れっこだった。
「今日は夕飯を贅沢にできそうだ」
頭の中で贅沢な夕飯を想像しながら獲物を待っていると騒がしい声が聞こえ、ガラの悪い男たちが歩いてきた。
「あれが依頼のチンピラか・・・。たった五人ね・・・」
蒼穹は物陰から出てチンピラに近づく。
「おい!」
声を掛けた瞬間、チンピラの一人が吹っ飛んだ。蒼穹はチンピラに触れてはいない。二人目に手のひらを向ける。
「てめえ何しやがっ!!!!!」
また一人宙を舞った。
「こいつなんなんだ!?」
「ただのなんでも屋さ。早く商店街から出ていけ。迷惑してんだ。そこの二人みたいになりたいか?」
蒼穹は殺気をむき出しにすると周りの空気がピリピリし始めた。チンピラたちもそれを肌で感じていた。「やべえ!逃げろ!」
走って逃げていくチンピラをみて溜息をつく。
「弱いくせに出しゃばんなよな・・・どいつもこいつも・・・」
そう言って飛び上がり宙に浮く。そのまま上昇し、コンビニの方向へ飛んでいった。
「あれが白井蒼穹か。面白い」
蒼穹が飛び去った商店街で黒いスーツを北男が笑みを浮かべて去っていった。