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【第十話】過ち

ルカに拾われてから、ずっと?



ルカや親父と過ごしたことは覚えている。

いや、今思い出したのか。


だが、なにか大事なことを忘れてしまったような気がする。


あの日、俺はレイと一緒に逃げようとして、レイは…



…レイは、死んだのか?



ホワイトローズ郷が火の海に吞まれかけていた中、俺たちは必死に逃げようとしたが

その後ルカに拾われるまでの記憶がない。


レイは未だ消息不明のままだ。



「...ルカ。ホワイトローズが滅びた日、白い髪の男の子を見かけなかったか?」


ルカがあの場にいたということは、何かしらレイについての手掛かりを知っているかもしれない。


「ああ、確かにいたな。」


「本当か…!?」


()()がいたのは海の近くだ。シンが倒れていた場所からだいぶ離れてた。」



アレ、とは?

まるでレイを人として見ていないような言い方だ。



...まずあの日、ルカはどうしてホワイトローズ郷に来ていたのかが疑問だ。


ホワイトローズ郷は住人も少ない上に、国境を超えての貿易が特別栄えていたわけでもない。


それに観光する場所もあまりない。


ホワイトローズの海には近づくな、という噂も有名なものだった。



よく考えれば、そんな場所にアステルタ王国に仕えている者が一人で来ていること自体おかしい。



「ルカ、思い違いだったら申し訳ないが」


俺は一瞬口が止まってしまう。


ルカが嘘をつく筈がないと、そう信じたいから。



「...お前、本当はホワイトローズが滅びた原因を知ってるんじゃないのか?」



時が止まったように数秒間沈黙が流れた。



「...シン。ホワイトローズ郷がなぜ出来たか、分かるか。」



ルカは今までに見たことのないような、冷酷な表情で俺の目を見ている。


⸺ホワイトローズ郷は、魔王が作り出した地獄のような街だと祖母が言っていたと


良くも悪くも死人の魂が残り続ける街だと

俺はレイに言われたことを思い出した。


...いつ言われたのかは、思い出せない。



「シンの父がどう死んだかも、知らないだろう。」


「ああ、父さんが死ぬ間際からの記憶がない。」


「...14年間ずっと、お前が父のような過ちを犯さないよう隠し続けていた。」



ルカはゆっくりと服の袖を捲った。

手首に、見たことのない黒い紋章が刻まれている。



「...これは一体?」





「...かつてお前の父が神だった頃、契約を結んだ際に刻まれたものだ。」

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