闇夜の囚人
押入れに閉じ込められたのは
生けた花が萎れるちょっと前のこと
その日から
ガラクタに囲まれて
時計の針の音がちくちく鳴る頃を
夜と仮定して寂しさを刻む
中の影は誰だろうと夢見た
世界が遠くなるにつれ
星の光も届かない闇
瓶に詰めた秘密のお菓子も
もうそろそろ尽きるから
「ここから出ることはできないかな」、と
閉じ込められたことを
今更ながら恨めしく募ってみる
絡みつく自由は折れたまま
闇夜の中にあった小さな灯り星は消え
囁きばかりが籠もる
狭い狭い押入れ
文字に起こすとそれは
孤独と踊るようで
何か、在る