表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

0話 全てのはじまり

「まるで、ウサギみたいだな。」


 静かに、だが力強く燃え盛る炎に包みこまれ、自嘲を込めて呟く。

 支えてくれるものが、支えてあげられるものがなくなったいま、俺の生きる意味は消え去った。誰も俺を必要としない。同僚も家族も妹も俺自身でさえ。

 誰かと過ごす世界を知ってしまっては、1人の世界は寂しくて心細くて寒くて受け入れ難いものになっていた。だから、ここに立っている。

 後悔がないと言えば嘘になる。やりたいことだって沢山あるし、まだやり直せるのかもしれない。でも、そんなことがどうでもなくなるくらいこの世に疲れてしまった。むしろ、やっと解放されて清々しい気分ですらある。頑張ったんだ。ただ、目標も救いもない努力なんて続くわけがない。

 開き直って何もかも投げ出した俺に呼応するように炎の進行が速くなる。

 辛うじてこの世に繋ぎ止めていたものが些細な過ちで一瞬にして切れてしまったように、俺の意識はぷつんと糸が切れたように呆気なく無くなった。


 最後の言葉すらも素直になれなかったせいか、あんな事態になるなんて思ってもみなかったが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ