よくあるご両親登場回
基本的に「」内の文章が主人公や周りの人物の発言となります。
「」の無い文章は状況説明や、主人公の思考になっています。
気絶から目を覚ました私を待っていたのは、中年の男性がメイドを打ち据えている光景だった。
「貴様は傍付きなのになにをしていたっ」
うわぁすごい怒ってるし、本気で殴ってる。
傍から女性の声も聞こえてくる。
「ペロンちゃん目が覚めたのね、心配したのよ」
ゴテゴテとした衣装の女性が続けて声をかけてくる。
「あれは仕事ができないようなので別の物を付けますからね、
私の可愛いペロンちゃんに何かしたに決まっています。
旦那様にも強く言っておきましたからね。」
あぁこれが私の母親か、ということは向こうでメイドさんを殴ってるのが父親かぁ
他人事のように考えていると、殴る手を止めた男性が近づいてくる。
「おぉペロン目が覚めたか、お前に怖い思いをさせた物にはお父様が罰を与えておいたからな。」
いやぁ、あの人何もしてないですよ…私が転生して今後に絶望して、勝手に気絶しただけですよ。
言葉にするともっと面倒になりそうだから黙っておこうかな。
あ~でもあのままだと、あのメイドさん死んじゃうからそこだけ言っておこうかと思ったら。
「これ以上、ペロンの近くにあれを置いておくことはできん。処分しておけ。やはり下級のメイドはだめだな、ちゃんとしたメイドを傍につけなかったお父様を許しておくれ。」
さらっと死刑宣告をしてくれました。
スッと動く執事さんと、ボロボロながら怯えるメイドさん。
この二人にとっては、元々平民である下級メイドは物。
何を言っても無駄だと思うし、どうしようかと考えていたら
メイドさんは連れ出された後で手遅れだった。
ごめんねメイドさん。考えてたら間に合わなかったよ…
状況を確認したいから、とりあえず
「お父様、お母様、少し眠りたいです」
「そうか、ゆっくり休むんだよペロン」
頭をなでるお父様、手に血がついて…あ執事さんが拭いてる。
仕事ができる?でいいのかな
「一人で大丈夫?何かあればすぐ呼ぶのですよ」
お母さまは手をしっかりと握ってくれます。
平民を人と思ってないだけで、娘に愛情は注いでいるらしい。
「お休みなさい、お父様、お母さま」
とりあえず一人の時間を作らなきゃ。
世界設定
メイドさんには3階級あります。
上級・中級・下級
貴族令嬢の次女三女あたりが、中級メイドから始まり上級にランクアップしていきます。
平民は下級から始まり、どこまで行っても下級。
仕事がどれだけできても下級ですが、心ある貴族だとランクアップできたりします。