よくある回想3
今回は騎士様視点
きっと今後も巻き込まれていくんだろうなぁ
可哀そうに。
俺の名前はビッテン。
近衛騎士をしている。
今日は王妃殿下主催のお茶会で、警護と令嬢たちを査定するように言われている。
なんで俺が、査定なんてしないといけないんだ?
もっと頭のいい奴がやればいいだろうと、騎士団長に言ったら
「お前くらい単純な方が良いんだ。お前が見て感じた素直な感想を言ってもらえればいい。」
って返された。
なんだかなぁ お子様の護衛の練習とでも思えばいいか。
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なんでよりによってこのテーブルなんだよ。
悪い噂の塊みたいな、ペロリーヌ公爵令嬢がいるじゃないか。
あいつら、知ってて逃げやがったな。
今晩はあいつらに奢らせないと。
それもこれも無事に終わった後の話なんだよなぁ
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おいおい何だこの沈んだ空気は、まぁペロリーヌ公爵家の人間がいたらこうもなるか。
どうしたものかと考えていると、ペロリーヌ公爵令嬢が話し出した。
噂では我儘放題、気に入らなければ人や物にあたるって話だ。
令嬢に付かないような黒い噂もいくつもある。
何を話すんだと思って身構えていたら、謝罪し始めた。
おいおい、聞いてた噂と全然違うぞ。
親のせいで苦労してるんだなぁ努力しても報われず、悪い噂に心を痛めてたんだろう。
任務ではあるが、令嬢の願いを聞きいれるのも騎士の仕事だ。
上を見ないと汗が零れ落ちそうだし丁度いい。
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最初の暗い雰囲気もなく楽しそうに話している。
微笑ましくていいじゃないか。
しかしペロリーヌ公爵令嬢の知識は幅広い上に、話も上手いな。
みんなで楽しめる話題を上手く振っている。
ここだけ切り取ったらお茶会の主催といってもいいくらいだ。
そんなことを考えていたら、王妃殿下と王子殿下がいらっしゃった。
王妃殿下、そんなに睨むもんじゃないですよ。怯えちゃってるじゃないですか。
ペロリーヌ公爵令嬢が、王子殿下を見る目には熱がある。
なるほどな~
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暫くすると自由に移動できるため、令嬢たちは王子殿下を囲んでいる。
参加していないペロリーヌ公爵令嬢達を護衛していると、お茶菓子を持ってきたメイドに
違和感を感じた。
メイドを視界に収めつつ違和感の正体を見極めようとしていたら、ペロリーヌ公爵令嬢が他の二人を
叩いた。
なんで急に、ついさっきまで楽しそうに喋ってたじゃないか。
混乱していると、エスコートを頼まれた。
意味が分からない。
手で呼ばれたので、ペロリーヌ公爵令嬢に目線を合わせる。
茶菓子に毒が入っているだぁ!?
あの違和感はそういうことか、近くの奴に指示を出し直ぐに医者のもとに向かう。
辛そうなペロリーヌ公爵令嬢が毒薬の名前を伝えてくる。
即効性のやばいやつじゃないか。
倒れそうになったところを、抱え上げ王城を走る。
間に合わせねば、この子を死なせてはダメだ。
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あの後無事に毒を取り除くことが出来たペロリーヌ公爵令嬢は帰っていった。
騎士団長へは
「ペロリーヌ公爵令嬢は護衛などで見てきた令嬢の中で、一番と言える令嬢でした。自身を犠牲にすることが出来る素晴らしいお方です。」
と報告してある。
自分が不甲斐なくて仕方ない。令嬢一人守れず何が近衛騎士だ。
次はこんな失態は侵さない。
主人公ちゃんスペック1
興味があることは何でも調べる。
調べた後にはまると、深みにはまっていく。
中世史から拷問史にのめり込んだりしていた。