第死話 エリカちゃんと十三次階段
第死話 十三次階段
エリカちゃんが夜のプールで肝試しをやった次の日
———― 2年3組の教室の朝
ひそひそクラスメイトA「ねえ、聞いた? 」
ひそひそクラスメイトB「何? どうしたの? 」
ひそひそクラスメイトA「学校のプールに大量の血が付いた手がたくさん転がっていたんだって」
ひそひそクラスメイトB「何それ、 怖いよ」
ひそひそクラスメイトA「でも手がたくさんってことは何人も手を斬られたってこと? 」
ひそひそクラスメイトⅭ「不思議なことに手以外は見つかってないらしいのよ」
ひそひそクラスメイトB「えーなにそれー 」
———― と朝のクラスはプールのうわさでもちきりだったが……。
「海斗君、料理上手すぎるー」とべた褒めのエリカちゃん
「エリカちゃん。 あーん」と塩辛を箸でつまみエリカちゃんの口に運ぶ海斗君
「あーん」 と口を開けて塩辛をおかずにしながらワサビ茶漬けを食べているエリカちゃんだったが、 横にあるのはイチゴミルクオレなので小2らしい部分はあったのだが、 朝から塩辛とわさび茶漬けはオヤジっぽい渋いチョイスのエリカちゃんだった。 それを作る海斗君も大概だが……。
「エリカちゃん。 次の七不思議は何をあたるの?」
「13次階段ね」
「13次階段というと、 いつもは13段じゃない階段がいつの間にか13段になって災厄をもたらすという怪異だよね?」
「そうよ。 でもうちの学校って折り返しで10段の階段のはずだけど13段になるのかなあ?」
「さあ?」
———― そして夜の学校で
「学校に強行(強校)突破すると大騒ぎになるからって放課後から夜までずっと空き教室に隠れているのは暇よ」
「でも見つからずに学校に居れたよね」
「それはそうだけど……」
「エリカちゃんどこの階段から行くの?」
「そうね、 西階段からいってみよう」
しばらくエリカちゃんたちは学校を探索していたが階段は10段のままで13段ではなかった。
すると、屋上へ向かう階段の前で……。
「エリカちゃんこの階段13段だよ」
何か階段から禍々しい気配がし始めた時、突然エリカちゃんはチェーンソーを取り出し階段の1段目を右端から左端まで斜めに斬りつけたのだった。それによって1段目を強制的にスロープにさせて力技で12段にしてしまったのだ。
「ギャー―」 と階段から絶叫が聞こえたので
「えっ、 何?」と海斗君に聞くと
「きっと13段から強制的に12段に斬られたから悪霊が滅びたんだよきっと」
「またつまらぬものを斬ってしまった」
そして13次階段の顛末を知ったエリカちゃんたちは帰路についたのだった。
スミマセン。 ショートホラーを目指しているのに1000字を越えてしまいました。
長いですけどよろしくです。