第252話 エリカちゃんと異界へ誘う鏡 (イラストあり)
第252話 エリカちゃんと異界へ誘う鏡
昼休みのエリカちゃんのクラスにて二人の女子生徒が噂話をしていると
「ねえ、第2校舎の2階にある鏡って知っている?」
「なにそれ?鏡くらいトイレとか行けばあるでしょ」
「トイレじゃなくて理科準備室にある鏡みたいよ」
「なんなのよその鏡?」
「深夜に何もないはずの鏡をのぞき込むと人体模型像が映るってはなしよ」
「何だたいしたことないじゃん」
「え、エリカちゃん」
噂話をしている中にエリカちゃんと海斗くんが加わったのです。
「たいしたことがないって何もないはずの鏡の後ろに人体模型像が映るのよ」
「だってその人体模型像が機関銃とか日本刀とか持っているわけじゃないでしょ?」
「そういえばそうね、チェーンソーを持ったエリカちゃんに比べれば可愛いものね」
「それで人体模型が映るだけなの?」
「それが鏡に別の世界が映って、いつの間にかその世界に迷い込んで二度と出られなくなるってはなしだよ」
「ねえ、二度と出られないって誰がその話を伝えているのよ、二度と出られないんじゃこの話どこから伝わるのよ?」
「エリカちゃんにしては鋭い突っ込みだだね」
「ひっどーい海斗くん」
クラスでもそういう扱いだったエリカちゃんでした。
「でもちょっと気になるね」
「え、エリカちゃん?」
「今日の夜学校に集合よ!」
再びエリカちゃんは夜の学校に訪れることになったのです。
「エリカちゃん暗いねえここ」
「そうだね~。でも明かりを付けると宿直に見付かるし、斬らなきゃいけないから」
「殺すの前提なのエリカちゃん」
「男は細かいこと気にしちゃダメだよ海斗くん」
「エリカちゃん、殺人は細かくないと思うよ……」
ほのぼのと物騒な会話を続けエリカちゃんと海斗くんは理科準備室の扉を開けようとするが、鍵がかかっていた。
「開かないよ」
「それは戸締まりしているからでしょ」
「ちょっとどいてね」
けたたましいエンジン音と共に準備室の扉が斬られ……
準備室内にあった備品の鏡と人体模型像も真っ二つになっていたのでした……。
「海斗くんこの鏡って異世界にいけるものなの?」
「エリカちゃん、壊れているし無理じゃない?」
「そうみたいだね、帰ろうか海斗くん」
「そうだねエリカちゃん」
理科準備室の惨状ををスルーして帰路につく二人だった……。
その頃どこかの小学校で
「ヒイーー」
「賢人君、鏡にチェーンソーを持った女の子が映っているよ」
「理恵ちゃんでもこの鏡真っ二つになっているよ」
肝試しで理科準備室に来ている理恵ちゃんと賢人君の周りには、真っ二つになった鏡とバラバラになった人体模型像が転がっていたのです。
「何よこれ!! 腕、足、首バラバラじゃないのよ」
二人は悲鳴をあげて逃げ出したのです。
そう、鏡の中にある異世界それは……
エリカちゃん達がいる世界だったのです……。




