変化ここに極まれり
「うららかな春の日差しが心地よいこの頃〜〜〜」
ありがちな校長先生の挨拶に眠気を襲われながらも話を聞く
「今、一人一人の顔を見て、卒業証書を手渡しました。今日は卒業式というめでたい人生の節目です。私はこの6年間彼らの表情を目を感情を朝の挨拶や行事などで見てきましたが
この学校を代表するに※※*******」
「ゆ**ん…ねぇゆー君っ!」
トンっと背中を叩かれた
「起きた?もうすぐで終わるよ?卒業式!」
と小声で言われ時計を確認すると校長先生の挨拶から30分ほど経っていた
「ありがと…うっかり寝ちゃった」
「いいよう!寝顔拝見させてもらっちゃったしねぇ〜」
そう小声で言ってエヘヘと顔赤らめたのは
赤津 芽衣
先日急に告白されそこから喋るようになった
そこから数分して僕たちは教室に戻り
先生に感謝を伝え、教室を後にした。
教室から2列で歩き、保護者やお世話になった先生などに拍手されながら玄関へ向かう
6年間僕と礼武は背の順が並んでいた
「ねぇ礼武、卒業だよ、早いね」
「そうか?俺は長かったわ…正直卒業した悲しみとかそういうものより
これからの楽しみの方が大きいわ」
「そんな顔してる、いいなぁ僕正直そんなこと考えられないよ」
「言ってもよ、人も受験するやつ以外はほぼ同じだし、増えたりはするけど
減ったりはしないんだぜ?」
「まあね…んじゃあさ、中学でもよろしくね礼武」
「おう!ゆうと!」
玄関に着くなり涙もろい先生は泣き始め皆それ見て泣きそうになりながらも
玄関を後にし、校門を出た
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そこから二週間が経った。
初めて着る制服に胸を躍らせ、新しい靴を履き、新しい筆箱にシャーペンを入れ
それをリュックにしまう。
いつもとは違う通学路、そして20分ほど歩いた先に見える新しい校舎
そこには「入学おめでとう」とでかでかと
書かれた看板に
自分以外の多くの生徒がいた
「おはよっ」
そこには制服姿の礼武と初めて見る男が1人いた
「おはよう、そこの人は?」
「ん?俺の剣道仲間の
夢供華 結城
小学校は別だけど中学からは一緒だからさ、ね?」
「初めましてぇい!結城って呼んでくれい!」
「僕の名前夏紅 悠斗、よろしくね」
「ゆっちだな!」
「ゆっち…?」
「ゆうとっちを略してゆっち!」
「ありだなそれ」
「そうだろ!」
「2人とも?!」
「とりあえずクラス分け見に行こうぜ」
ゆうきに連れられ学校に入る
そしてクラス分けの紙を見るとそこには
1〜5組まであり僕の名前を探す
「あった、僕は2組だった」
「んおマジか俺3組だ、初めてだな違うクラスになるのは」
「俺も3組だい!」
内心初めて礼武とクラスが離れ離れになり正直落ち込みつつ
クラスに向かうことにした。
「それじゃあ」
と言って2人と別れて僕はクラスに入った
クラスに入り出席順になっている席に座り緊張しつつ座っていた
「ゆー君っっっっっ!!!」
「芽衣ちゃん?!」
「むふふぅ〜私も2組なんだよう!3年間これからもよろしくね!」
「よろしく、正直知ってる人誰もいなくて緊張してたから助かったよ」
「私もだよ、ここのクラス南小(元々の小学校)の人私たち含めて5人くらいしかいないらしいし」
「マジか…新しく友達できる気がしない…」
「ゆー君なら大丈夫!絶対できるから!」
「大丈夫かなぁ…」
芽衣ちゃんと話していると先生が教室に入ってきた
「みんなぁ!入学おめでとうっ!素晴らしいっ!めでたいっ!僕の自己紹介をしろと主任に言われているからしますねっ!僕の名前はぁっ! 矢車 修斗!
これから1年間よろしくねっっ!」
よろしくお願いしますと皆が挨拶をすると矢車先生は満足そうにニコニコしていった
「僕は挨拶大好きだっ!挨拶は全ての始まりっ!愛もっ!友情もっ!全ての始まりは挨拶だっ!そして全ての終わりも挨拶だっ!皆挨拶を大事にしようじゃぁないかっ!」
近い言葉を父親に言われたことを思い出した
『ゆうと、好きな言葉ってあるか?』
『特にないなぁ』
『そうか、俺はな挨拶全てが大好きだ。あれほど短く多くの意味を持つものはない…だからお前も大事にしろよ? 挨拶に関する全てを』
そういえばそんなこと言ってたなぁ…挨拶かぁ…
「んまあこれはいいんだけどよっ!もう入学式と新入生歓迎会始まるから皆の衆
並んでくれっ」
僕たちは2に列となり体育館に入っていった
『新入生!入場!』