始まりここに極まれり
「それが一番大切なんだ、さあ心のままに〜♪」
卒業までもう3日を切り在校生の子達が精一杯に歌ってくれている
歌っているのはAJB48の365日の神非行機である
正直在校生の中で仲良い人もそこまでおらず強いて言うなら
僕が幼稚園から一緒に育ってきた一個下の
後輩
藍離洲 春音 あいりす はると
正直涙もろくてでも真っ直ぐ生きてるいい奴だ、よく鬼ごっこをしたり公園でブランコで
2人乗りだとかして遊んでいた
そんな彼が涙ながらに僕の方を見ながら全力で歌を歌っているとこを見ていると
正直心にくるものがあった「365日〜」
「それではお世話になった6年生の先輩たちにお礼の手紙です!」
そうすると春音はタッタッタと自分の方に
近づいてきてくれた
「ゆうとお兄ちゃんへ!今思い返せばゆう兄とはいつも一緒にいました!
初めて話したのは幼稚園でそれから7年間優しくしてくれたり、話聞いてくれたり
そんなゆうと兄ちゃんのことを誇りに思っています!
でも特にゆうとお兄ちゃんの好きなところがあって僕は去年見かけた体育の時間のシャトルランをしていた時の兄ちゃんです!
いつも僕といる時や他の人といる時とは全く違うお兄ちゃんのことを今でも覚えています!
かっこよかったです!中学に入ったら部活はしますか?
兄ちゃんはきっと『僕はそう言うような柄じゃないよ』と適当に笑い返すかも
しれませんが僕はぜひして欲しいです!そして僕が中学に入った時また鬼ごっこしてください!」
全て言い切ると春音はいつもにないくらいニコニコした表情
で僕の方を見てきた
僕も釣られてニコッと笑い
「んじゃあ待ってるな」
「うん!」
こうして少し雑談した後に在校生送別会は終わった
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あぁ、あー言ったもののやる部活なんてなぁ
なんもないんだよなぁ…うーむ…
「んおい!次卒業式練習だぞ、総リハーサル」
「んあ、ごめん礼武」
「どうしたんだいつも以上に浮かない顔して」
「いやなぁ、在校生からの手紙誰からもらった?」
「俺は剣道やってたから剣道の後輩からもらったぜ、中学でも頑張ってくださいってな」
「剣道続けるの?」
「そうだなぁ、2段は取れって母さんが聞かなくてさ」
「2段?!」
この運動神経お化けは小学1年の頃からクラスが6年間一緒の
珊駑 礼武 さんど らいむ
剣道にサッカー、ドッジボールとなんでもできる完璧スポーツマン
挙げ句の果てに勉強もできるときた
もはやチートだ
そしてシャトルランの時に100回を成功させた1人でもある
「んじゃあ部活は入らずそのまま剣道習い続ける感じ?」
「いやいや、俺中学入ったら絶対陸上部入るって決めたんだ。だから俺は陸上部入るよ、お父さんが陸上経験者でさ」
「そうなんだ」
「お前は?」
「僕は別に入りたい部活もないから帰宅部かなぁ…」
「え?陸上やらないの?」
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ドキっとした正直一番聞かれたくない言葉だったかもしれない
いや違う『聞きたくない』言葉だった
礼武は本当に純粋に聞いてきたんだと思う
心の中では分かっていたけど
どうしても避けていた判断
『君は陸上が好きなのかい?』
『そっか!それじゃあ僕と駅伝のコース
ジョギングしよっか!』
『ズルしたって本当?』
『そこまでして100回行きたっかたの?』
『可哀想…w』
僕は…スポーツが嫌いだ…
『まぁた逃げんの?言い訳とかすんの?
だっさ…』
『もうやめてくれっ!!!』
『うるせぇよ…質問に答えろ…お前はまた逃げんの?』
『僕が何から逃げたと言うんだ…』
『全部だよ全部、人間関係、恋愛、そして…スポーツ…』
『お前は甘いんだよなぁ、隅から隅まで幸せいっぱいの脳みそしてやがる。友人は今までまともに作らず友人と言えるような奴は礼武1人だ
恋愛に関しちゃ、女子とまともに関わりがないから当たり前だがクソほどねぇ
先日告白されて調子乗ってるかもしれねぇけどよ。お前振れんのかよ?中途半端な優しさなんて自分を正当化するだけのエゴにすぎねぇ
相手を傷つけ、甘え、そんな男がついに唯一の取り柄捨てるとはなぁ?ゆうと?』
『黙って聞いてれば…誰なんだよお前っ!入ってくるんじゃねぇ!誰なんだよお前!』
『俺か?俺は…お前だ…!お前が作り上げた負の感情それがお前の正反対の性格を作り上げたんだよ…!』
『どう言うことだよ…本当に…』
『今はそんなことは後回しでいい、一つ言っておこう。』
『ここの判断でお前の全てが決まる。』
『どちらが良い判断だだなんて言わねぇ、だが一つしつこいが言わせてもらう
お前はまた逃げんのか?昔を思い出せよ』
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「どうした?」
「いや…俺が陸上やりたいって言ったらどうする?」
「そうだなぁ…楽しそうって思うかな」
「そっか」
「なんだもしかして陸上やるのか!」
「……ほら、総リハーサル始まっちゃうよ!」
「んえぁ?!ちょ…ちょっ!なんでそこ隠すんだよ!」
『甘えやがって…でもまあ……ここからだ…
約束を果たそうじゃねぇか!ゆうと…』