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橋の下なのよ。埋まってるの。繋がっているし。

 僕は翌日、河川敷の管理人さんに会いに行った。管理人さんとは猫の遺体を発見した時に意気投合したのだ。僕は監視カメラについて聞いた。プライバシーの問題があるため当然には監視カメラは見せてはくれなかったが、様々な情報を教えてくれた。


「監視カメラならヨネさんのいる橋の下はある程度見えるようになっているけど現場の橋の下は見えないね。現場の橋の上のカメラ?あるよ。ただあんまり不審なものは映ってないよ。記憶に残ったこと?あの日はやけにカラスが多かった気もするけど……。見せてほしい?それは無理だよ。警察に出したカメラはなおさら無理だよ。え、どの監視カメラを提出したのかだって?まあ、そのくらいはいいんじゃないかな。うん。まず、現場の橋の上のカメラだろ。あとヨネさんのいる橋の下の監視カメラ、ヨネさんのいる橋の上の監視カメラ、それから川のライブカメラ、まあこれは動画サイトとかでも見れるんじゃないかな?あとは俺の管轄じゃないけどよ、付近の住宅とか道路の監視カメラはおおむね確認するんじゃないの?まあ、日本の警察は優秀というか、なんというか、とりあえずカメラがこんだけあれば犯人はわかるわな。まあ、肝心の現場の橋の下はカメラがないんだけどな(笑)。」


 僕は礼を言って管理事務所を後にした。次は現場検証だ。管理人さんが言うように動画サイトで川のライブカメラはアップロードされている。現在僕が立っている場所は現場の橋の上のあたり。ライブカメラでは左手手前のあたりに僕の姿が確認できる。ライブカメラでは右手奥にヨネさんの橋が見える。ヨネさんの橋の方が下流にあることがよくわかる。ライブカメラは現場の橋とヨネさんの橋の間の川の水位がとても見やすい反面、手前の橋の下はほとんど見えない。これはあまり参考にならなそうだ。ちなみにこのライブカメラのアーカイブは動画サイトでは現在から24時間分しか記録に残らない。だから僕は事件当日の様子を確認することはできないわけだ。


「どったの?こんな顔して。」


振り向くとそこにはアマチュア無線の伊藤さんがいた。


「あ、いや、その、変な話なんですけどあそこにライブカメラあるじゃないですか。」

「ああ、24時間配信しているやつね。」

「あれ、事件当日のみれないかなって……」

「ああ、それならあるよ。」

「やっぱりないですよね、え、あるの!!」

「うん、畑中さんにお願いされてね。なんか、畑中さん、事件数日前に不穏な空気を感じたらしくって、それでライブカメラの映像の保存を僕に頼んできたってわけ。」

「それって、見せてもらえたり……」

「勿の論だよ。」


 僕と伊藤さんは河川敷で2番目に座りが良い場所―1番はヨネさんが独占している―で事件当日のライブカメラを確認することにした。僕は事件当日の3時から7時までを早送りする。たしか、最初に猫の死体及びその下にある人間の遺体を発見したのは50代のジョギング中の男性だったはずだ。彼が登場するのは6時半くらいだが、一応残り30分も確認しておく。さて、3時から7時の間、事件の橋のあたりを通る不審車両や人影の存在を探す。女子中学生がいつから埋まっていたかは定かではないが、絶対に猫の死体を置いた犯人は映りこんでいるはずである。

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