漫才「流星群を捕りたい」
二人「はい、どうも~」
ボケ「いやぁ、今日もお綺麗な方が多いですね」
ツッコミ「本当にそうですね」
ボケ「左から、べっぴんさんたちに流星群がズドーン!」
ツッコミ「何してんだよ! 一人飛ばすどころか、客席ごと吹っ飛ばしているじゃねぇか!」
ボケ「ごめん、ごめん。だけどさ、今の流星群をもし受け止められたら格好良くない?」
ツッコミ「……格好良いわ」
ボケ「だろ? だから、練習しよう。俺が流星群になるから、お前捕ってみてよ」
ツッコミ「ちょっと待って。お前はそもそも流星群になれるの?」
ボケ「任せて。こう見えても俺、流星群初段ですから」
ツッコミ「流星群初段? え、それは、どれだけ上手く流星群になれるかの検定?」
ボケ「そうそう」
ツッコミ「で、それに段位があるんだ?」
ボケ「俺は小5の時点で既に2級でしたから」
ツッコミ「凄さがいまいちピンとこないんだよな」
ボケ「当時、周りの同級生たちは皆、初段でしたけどねぇ」
ツッコミ「じゃあ、へっぽこじゃねぇか」
ボケ「そうなんですが、昨日、ようやく初段になりました! 拍手~」
ツッコミ「いい大人が小5の資格を得たぐらいで拍手を求めるな!」
ツッコミ「ったく、初段なのは分かったから、さっさと捕ろう」
ボケ「そう焦らないで。流星群をキャッチするのにも、色々と準備が必要ですから。まず場所です」
ツッコミ「ほう、場所か。やっぱり広い所?」
ボケ「とりあえず、メンタリスト50人とのパーティー会場で」
ツッコミ「嫌だよ! 流星群捕る前に、心ズタボロになるわ。色々見透かされて。『あなたは今から流星群を捕ろうとしていますね』なんて見破られた日には、恥ずかしくて町を歩けねぇよ」
ボケ「てか、メンタリストが50人も集まるのかが問題だな」
ツッコミ「お前が言い出したんだろうが!」
ボケ「じゃあ、河原で」
ツッコミ「そうしよう。広いし、人もあまり寄り付かないから安全だしね」
ツッコミ「早速、始めるか」
ボケ「いや、まだキャッチの構えを教えてないよ」
ツッコミ「あ、何か決まった形があるんだ?」
ボケ「ないよ」
ツッコミ「じゃあ、止めんな!」
ツッコミ「(自分なりの構えをとって)よし、来い!」
ボケ「あ、肝心なものを忘れてた。準備体操しなきゃだよ」
ツッコミ「え、いる?」
ボケ「いるに決まってるでしょ」
ツッコミ「あぁ、そうなの? 何すればいい?」
ボケ「かかと外し、腹式倒立、デスフェザーソード、東大寺改築、……」
ツッコミ「ちょっと待って。全部初めて聞くやつなんだけど」
ボケ「そりゃ、流星群キャッチ専用の体操だもの」
ツッコミ「そうなんだ。え、一つ目が?」
ボケ「かかと外し」
ツッコミ「恐ろしい。いきなりかかと外すの? 痛そうだな。 で、次が?」
ボケ「腹式倒立」
ツッコミ「どういうこと? 腹式呼吸しながら倒立する感じ?」
ボケ「いや、腹を支点にして倒立」
ツッコミ「それ、ただの海老反りだろ!」
ボケ「その線は……あるな」
ツッコミ「いや、それしかねぇよ! 次は?」
ボケ「デスフェザーソード」
ツッコミ「これ何、中学生と一緒に考えた?」
ボケ「いや、俺一人だよ」
ツッコミ「だとしたら、お前、中学生の素質あるよ」
ボケ「何だよ、中学生の素質って。それは誰もがあるだろ。義務教育で経験してんだから。なら、あれか? ビビンバが……」
ツッコミ「変な所掘り下げるな! そして、ビビンバって何だ!」
ボケ「ビビンバというのは、韓国発祥の丼料理で……」
ツッコミ「そういうことを聞いているんじゃない! もういい、次いけよ!」
ボケ「次が、東大寺改築」
ツッコミ「無理だって。俺は大工の経験なんて、これっぽっちもねぇんだぞ」
ボケ「だろうな。端から期待はしていなかったよ」
ツッコミ「……やるよ。俺、やるよ。流星群捕りたいもん」
ボケ「でも、あと一つ〆の準備体操があって」
ツッコミ「何……?」
ボケ「屈伸」
ツッコミ「それこそ最初にやるやつだろ! このラインナップの後にやる屈伸は弱い!」
ボケ「流星群が来るぞ!」
ツッコミ「もう!? 早く準備体操やらないと!(準備体操を順番通りに行う)」
ツッコミ「かかと外して、海老反って……」
ボケ「デスフェザーソードが全然できていないぞー」
ツッコミ「内容聞き忘れたんだよー!」
ツッコミ「東大寺を修理して……できた!」
ボケ「ここに部品一つ余ってるぞー」
ツッコミ「終わり!」
ボケ「屈伸もちゃんとやれよー」
ツッコミ「かかと外したから痛い……(床に倒れ込む)」
ボケ「流星群襲来!(ツッコミに向かって頭突き)」
ツッコミ「ぎゃー!」
ツッコミ「何だこれ! 踏んだり蹴ったりじゃねぇか!」
ボケ「あなたの心が読めました。あなたは今から漫才を終わらせようとしていますね」
ツッコミ「いや、お前もメンタリストなんかい! もうええわ。どうもありがとうございました」