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3

車が入ると、幹部達が玄関で待っているのが見えた。


俺は先に降りて、彼のドアを開け、カバンを渡す。


「いよっ、おはようさん」


「おはようございます、社長」


社員達が次々と頭を下げ、挨拶をする中、俺は部下の1人に車のキーを渡した。


駐車場へはいつもの者に入れてもらう。


そして彼の後を歩きながらも、周囲に気を回す。


会社の中で何か不穏な動きがないか、感じ取る為に。


 チリッ…


わずかに肌が反応した。


彼の顔を見ると、俺を見て笑った。


彼も感じ取ったのだろう。


会社に流れる不穏な空気を。


ビルの最上階に、社長室がある。


社長室で2人っきりになるなり、彼は俺を見た。


「ずいぶん、怪しいのがいるんだな」


「検討はついていますので、ご安心を」


「まったく…。お前はよくやってくれるよ」


彼はカバンをソファに置き、社長用のイスに座った。


「で? いつ頃終わりそうなんだ?」


「今日中には必ず。なのであなたにはちゃんとスケジュールをこなしてもらわないと、困ります」


「なるほど。どうりで過密スケジュールなワケだ」


彼は肩を竦めると、俺の目を真っ直ぐに見て笑った。


「でもお前はちゃんとオレを守ってくれるんだろう?」


「当然です。俺以外に、誰があなたを全身全霊全力で守れると?」


そう言いつつ、メガネの位置を指で直した。


「そりゃ頼もしい」


彼の眼に宿る光は、決して良い輝きではない。


俺の言っている意味を、よく理解している眼だ。


「あなたのことは、俺が必ず守ります。誰にも傷付けさせませんし、殺されもしません」


「…頼りにしているぜ?」


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