おまけ 戦い済んで・・・その後の楽しみ?
戦い後の一コマです。
基地に戻り指令室に集まった6人。
「皆、今回もご苦労だった。皆の働きのおかげで被害も最小限に抑えられた」
長岡更紗所長の言葉に皆の視線が山之上舞花に向いた。だけど、誰も何も言わなかった。言ったら最後、山之上の標的になることはわかっているからだ。
「本当にご苦労様だモキュ。敵も焦ってきているようだモキュ。将軍クラスが投入されるようになったモキュ。これからの戦いは厳しいものがあるかもしれないモキュ。だけど皆の力を合わせて頑張ってほしいモキュ」
羽つきオコジョ姿のなななんの言葉に皆は神妙な顔をして頷いた。
そのあと皆はリフレッシュシャワーを浴びて着替えをすませた。
「それじゃあ、戻ります」
「私も。お疲れ様です」
「あーあ。俺の睡眠時間が~」
「しばらく敵の出現がないといいよな」
ガヤガヤと男達はそう言って基地を後にしようとした。
「待ちなさい。このまま帰るつもりなの」
声を掛けてきた山之上に基地内にいる人間はギクッと山之上のことを見た。
「いや、仕事がありますから・・・」
「あら、皆の替わりをソイドがちゃんとしてくれているから大丈夫よ。入れ替わっていた間の記録もソイドを戻した時にちゃんと頭にインプットされるのだから、何も問題ないわよね」
水源の言葉を山之上は一蹴した。
「でも、自分でした行動じゃないから違和感が・・・」
Pecoの反論も山之上にギロッと睨まれて尻すぼみになる。情けないぞ、リーダー。
「今日はいつにもまして強い敵と戦ったのよ。慰労会くらいしたっていいじゃない。と・に・か・く! 今夜は私につき合いなさい!」
山之上の言葉に皆の顔が暗くなる。山之上は酒乱というほどではないのだが、とにかく酒を飲むといつも以上に饒舌となる。それだけならいいのだが、山之上の気がすむまで家に帰して貰えないのだ。今までにも何回かそういうことがあったから、皆及び腰なのだ。
「あの~、舞花さん。私、ちょっと」
遙が言いかけた言葉も、山之上に見つめられて詰まってしまった。
「あのだな。私は上に報告があって」
「大丈夫よ。私が報告は明日届けますと、上に伝えておくから!」
長岡所長も逃げ出そうとそういったが、山之上に言葉を封じ込められてしまった。
「皆、交流は大切モキュ。山之上舞花様の言うとおりにするモキュ」
なななんにもそう言われて、皆の表情は尚更暗くなった。
「というわけで、海水の店に行くわよ!」
「げっ、俺の店かよ」
「なぁ~に? 売り上げに貢献してあげようっていうのよ。文句でもあるの?」
「い、嫌・・・光栄です」
山之上の迫力に海水はしどろもどろに答えた。
「ケッ、そう何度もつき合えるかよ。俺は帰るからな」
「待ちなさい! 私から逃げられると思っているの」
「うわっ!」
指令室から出ようとした特撮仮面のそばに移動した山之上は、軽い動作で特撮仮面に足払いを掛け転がした。それを見ていた皆は諦めの境地になった。
「何しやがんだよ、ババァ!」
「特撮仮面、あんたとは一度とことん話し合おうと思っていたのよね。まずはその口の利き方よ!」
「ババァにババァって言って何が悪いんだよ」
ゴイン
「殴るな、ババァ」
「教育的指導よ! こうなったら徹底的に礼儀ってものを教えてあげるわ」
基地の入り口で言い合いを始められて、逃げ場のなくなった他5人はコソコソと話しをしている。
「遙、何があったか知っているか?」
「えーと、なんか、また、振られたらしいです」
「それはまた・・・」
「八つ当たりかよ。勘弁してくれよ」
「・・・だけど、舞花さんの御機嫌は士気に関わるから」
5人は今日の生贄に決定した特撮仮面に憐憫の目を向けた。
「「「「「まあ、舞花さんのご指名だからね」」」」」
と、意見を一致させたのだった。
― 完 -
ここまでお読みいただきありがとうございました。
この作品は隊員となった方の執筆速度が尋常じゃないという話から、クレイジーと言い合っておりました。
それを横目で見ていた私が彼らのこと(この時には女性は含まれず)を、「クレイジーソルト」と表現してしまい、それをいたく気に入られたリーダーが「執筆速度戦隊クレイジーソルト」と命名してしまったのです。
そのあと、私も意外と書いていた話をしたら女性枠で加入を促され、もう一人も引きずり込まれてしまったのでした。
これだけでしたら、悪乗り話で済んだのですが、長岡更紗様が「執筆速度戦隊クレイジーソルト」のイラストを描いてくださり、それを見た私の中にムクムクと話が膨れ上がってきた・・・ということでした。
長岡更紗様は他にも隊員の個別イラストも描いてくれています。
興味がある方は「なろうFA集とかどうでしょう」を覗いてみてください。
そうしたら、作品内の山之上舞花があのような立ち位置にいるのかが、わかることでしょう。
本当にここまでおつき合いくださいまして、ありがとうございました。
気が向いたら2部などを書くかもしれません。
まあ、要望があったらですけど・・・ね。