4 巨大化した敵にはロボで応戦さ!
最後はロボで戦うぞ!
戦隊モノのお約束さ!
どこからか届いた光に照らされた消滅将軍シュウセイエキは、息を吹き返しただけでなく、その体はどんどん大きくなっていった。
それを呆然と見上げる執筆戦隊クレイジーソルトのメンバーたち。
『皆、ロボに乗って戦うのだ。一度こちらに転送するぞ』
長岡更紗所長の言葉と共に、皆の身体はS駅前広場から消え、基地の中に移動した。
「皆、これを飲むモキュ」
羽つきオコジョのなななんがテーブルに用意したドリンクを示した。皆は頷くと一息にドリンクを飲み干した。これは謎の宇宙人シナウから伝えられたもので、体力気力の回復はもちろん、怪我も治してしまうという優れもの。ただし、副作用のようなものがあって、24時間後にものすごく疲労を感じるのだ。使用した時の状態次第では指1本も上げられないくらいになるとか・・・。だけど今はそんなことは言っていられないだろう。
「皆、今回の敵は将軍と名のつくものだ。君達もダメージを負うような攻撃をしてくる奴だ。十分注意して戦うように」
所長の言葉に皆は頷いた。
皆は指令室を出るとそれぞれのメカのところに行った。
パパオレンジのメカはシッピツプロットだ。オレンジのボディの四角い・・・。間違っても消防車ではないからな。
レキシングブルーの愛機はアイデアノート。ノートのように薄型・・・のはずはあるまい。
マダムキラーマリンのメカはホンブンライディング。四輪駆動の・・・ジープに似ているような。
クールビューティーグリーンのメカはストーリーライン。なんか大型トレーラーのよう。
ショッキングピンクの愛機トウコーカイシは飛行機のようなフォルムだ。
クリムゾンブラックが乗るのは、敵から離脱する時に強奪してきたロボだ。その名も爆風スランプ。黒いボディに爆の文字が銀色に輝いている。
それぞれのメカはなななんによって、消滅将軍シュウセイエキが暴れるS駅前広場に送られた。こちらは亜空間仕様に切り替わっているから、戦いでどれだけ壊れようと大丈夫!
執筆戦隊クレイジーソルトの諸君! 思う存分戦うがいい!
彼らはそれぞれの愛機で飛び出すと、一度それぞれの機体で攻撃をしてから、合体だ!
5人の心が一つになる!
「合体! カクゾー新神ッ!!!」
リーダーのパパオレンジの掛け声に皆が合体ボタンを押した。
パパオレンジのシッピツプロットは変形して頭部と胸辺りまでの部分に、レキシングブルーのアイデアノートは変形して右腕に、マダムキラーマリンのホンブンライディングも変形して左腕に、ショッキングピンクのトウコーカイシは一度翼部分が離れてから、胴体部分になった。クールビューティーグリーンのストーリーラインは二つに分かれると、脚部分へと変形をした。全機の合体がすむと、背中に翼がおさまった。
5人合体カクゾー新神の完成だ~!
「行くぞ~!」
カクゾー新神と爆風スランプは消滅将軍シュウセイエキに戦いを挑んだ。流石に将軍なだけはある。今までの巨大化した奴らと違い力も強さもけた違い。
ビームもミサイルも、打撃でさえも効いているようには見えなかった。
「クッ。強い」
「なんでこんなに固いんだよ」
「危ない!」
消滅将軍シュウセイエキが飛ばした液体にカクゾー新神が捉われた。消滅将軍シュウセイエキの攻撃が来る前に合体を解いて抜けだせたが、再び合体して戦ったとしても勝機は見えないだろう。
そこに長岡所長から連絡がきた。
『諸君! 安心したまえ。なななんから素晴らしい提案がある。よく聞いてほしい』
『皆に聞いて欲しいモキュ。クリムゾンブラックが仲間になってから、進めていたことがやっと可能になったモキュ。それはカクゾー新神と爆風スランプの合体モキュ。今までの赤い合体ボタンの反対側に青いボタンがあるモキュ。それを皆で押すモキュ。そして、こう叫ぶモキュ! 6人合体カンケツ殺帝ッ! だモキュ~!』
6人はお互いの顔が見えないながらも、それぞれの機体を見つめ合った。
そう。心は一つ!
「それじゃあ、行くぞ」
パパオレンジの言葉に皆が唱和した!
「「「「「「6人合体カンケツ殺帝ッ!」」」」」」
言葉を言うと同時に青の合体ボタンを押した。
さっきのようにそれぞれの機体が変形していく。そして爆風スランプを核とするかのように、シッピツプロットは頭部に、アイデアノートは右腕に、ホンブンライディングは左腕に、トウコーカイシは前と同じに一度翼部分が離れたが、今度は腰の部分に変わった。そこにストーリーラインの脚がくっついた。最後に翼が背中におさまったのだ。そして胸には殺の文字が浮かび上がる~!
「カンケツ殺帝~! 見参!」
カクゾー新神と爆風スランプの力が合わさったカンケツ殺帝は強かった!
消滅将軍シュウセイエキが飛ばした液体を両腕からのダブルスイリュウで無効化し、一パンチ一蹴りごとに、消滅将軍シュウセイエキにダメージを与えていく。
「「「「「「必っ殺~! 無限創作ッ~!!!」」」」」」
カンケツ殺帝の必殺技が決まり、消滅将軍シュウセイエキは爆散した。
「やった~!」
「本当にやりましたね」
一仕事をやり終えた6人は顔を見合わせた後、固く手を握りあったのだった。
ありがとう、執筆速度戦隊クレイジーソルト!
君達の肩に創作世界の未来はかかっているのだ!