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1 戦隊隊員の日常はこんなもの

ある方々へのプレゼントでしたが、投稿してと言われて投稿しました。

戦隊モノの流れを押さえた作品にしたつもりです。

ミニ連載になります。

どうぞお楽しみください。

ここは都内にある某所である。一見普通のビルの入り口で、二人の女性が顔を合わせた。


「おはよう、遙」

「おはようございます、舞花さん」


仲良くエレベーターの前に並んで立つ。他の人達が上の階に向かうのに、2人は下の階に向かうエレベーターに乗り込んだ。乗ったのは勿論2人だけ。

地下2階でエレベーターを降りて、2人はある部屋に向かった。部屋の入り口の認証機に社員証をかざし中に入る。


部屋に入ると、入り口から死角になる棚の陰に行き、タッチパネルを操作した。壁がスライドしてその先に通路が見える。


そこを通り抜けようとして、片方の女性が声をあげた。


「舞花さん、ダメですよ。ソイドを置いていかないと」

「あ~、そうだったわね。つい忘れてしまうわ」


二人は腰につけたキーホルダーから3センチくらいの人形を外した。


「「ソイド・オン」」


人形をギュッと握り込んでから言葉と共に宙に放り投げた。人形は下に落ちるまでに姿を変え、投げた女性たちと同じ姿に変わったのだった。


「じゃあ、後は頼むわね」

「よろしくお願いします」

「「イエス、マスター」」


二人は人形に声を掛けて通路の先へと進んだのだった。


またエレベーターに乗り地下深くへと降りていく。辿り着いた先は何かの基地のような場所。


「おはようございますモキュ、山之上舞花様、遙彼方様」

「おはようございます、なななん」

「おはよう、何か変わりはない」

「はい。今のところ大丈夫モキュ」


2人を出迎えたのは、パタパタと羽を動かして飛んでいる白いオコジョのような生き物。その生き物に挨拶をした2人はそれぞれ自分の席に座り、ざっと状況の確認をする。


「大丈夫のようね」

「はい、こちらもです。なななん、留守番ご苦労様です」


なななんと呼ばれた生き物が嬉しそうに遙のそばに擦り寄っていった。


「おはよう、諸君。今日も元気に過ごしていこうか」


新たな人物が顔をだした。2人は椅子から立ち上がり、その人物にサッと敬礼をした。


「「おはようございます。長岡所長」」

「ウム。そんなに畏まらないで、楽にしたまえ。というかさ~、毎回これって必要なの?」


急に砕けた言い方に変わった所長と呼ばれた人物に、山之上と呼ばれた女性が軽く睨みながら言った。


「必要なの。でないと男共に舐められるでしょうが。あいつ等にいうことを聞かせるためにも、更紗もいい加減慣れてよね」


言われた長岡更紗は遙彼方と顔を見合わせて肩を竦めたのだった。



午前の休憩時間。山之上お手製のクッキーとパウンドケーキを食べながら、3人と1匹? は、優雅にお茶を楽しんでいた。


「それにしても早いものですね。こちらに勤務するようになって8カ月ですか」


遙がしみじみと言った。


「そうよねえ~。私なんかがなんで所長などをしているのかしら。どうせなら戦う方もしてみたかったわ」

「あら、じゃあ変わりましょうか、更紗。私はいつでもOKよ」

「駄目でモキュ。シッピツチェンジャーはそれぞれの個人に合わせたものモキュ。他の人に渡しても駄目モキュ」


3人の会話にテーブルの隅でクッキーを齧っていたなななんが慌てたように言葉を挟んできた。小さな頬をリスのように膨らませてクッキーを食べる姿に癒されていた3人は、笑いながら答えた。


「なななん、舞花さんのジョークですよ」

「そうそう。というより、戦いの場ではグリーンのお色気むんむん攻撃が、敵の足を鈍らせるのよ。そんなの私じゃむりだから」


その言葉と共に長岡は山之上に視線を向ける。遙となななんも同じように、視線を向けた。隊服のファスナーが上がりきらないはちきれんばかりのボディに、蠱惑的な表情で皆の視線を受け止めて、バチッとウインクを返してきた。


長岡と遙は少し顔を赤らめながら、なななんに言った。


「これだもの。私には務まらないわよ」

「そうでモキュ? 人間のことはわからないモキュ」


つぶらな目で見つめてくる羽つきオコジョのことを3人は優しい目で見つめた。


そのあと、山之上は表情を引き締めると3人? に話しだした。


「さっき遙も言ったけど、戦いが始まって8カ月が経つわ。最近敵の攻勢も激しくなって来て、私達の出動回数も増えてきたわね。ねえ、なななん。私達の他に仲間が増えるということはないの?」

「それは・・・わからないモキュ。条件を満たさないとシッピツチェンジャーは反応しないモキュ」


なななんは首を傾げながらそう言った。その言葉を聞いて山之上は顎に手を当てて考えるようなポーズをした。


「結局は新加入のブラックをうまく使うしかないのね」


その言葉に遙がわかりやすく顔をしかめて言った。


「私は~、なんかあの人のことは信用できないというか~。というか、信用していいんですか? あの人、元は敵ですよ」

「そういうけどね、遙。ブラックは被害者なのよ。熱い創作魂を閉じ込められて、敵の尖兵に変えられていたのだから。オレンジがそれに気がついて、敵の洗脳を解いたのよ。私達が信用しなくてどうするのよ」


長岡がそう力説をした。それに山之上が軽く言った。


「そうね。そこは更紗が上手く使わないとね。期待しているわ」

「あ~、そこはブルーとオレンジにお願いしようかと・・・」


長岡の言葉に他3人は笑ったのだった。



さて、この状況について説明をしよう。


彼らはある敵と秘密裏に戦う者達である。彼らが所属するのは執筆速度戦隊クレイジーソルト。

なろうスペースという外宇宙からやってきた謎の宇宙人シナウに選ばれ、シッピツチェンジャーを渡された者達だ。


敵は全宇宙の創作文化を根絶やしにしようと企むスランプ帝国。


その彼らが起こす様々な事件に対処しているのが、所長である長岡更紗の下に居る6人の戦士。うち2人は実際にも長岡の下で仕事をしていた。それが山之上舞花と遙彼方。


他の4人はそれぞれ別に仕事を持っている。1人は普通のサラリーマン。1人は学者。1人はバーテンダー。最後の1人はジムのインストラクターだ。


執筆速度戦隊クレイジーソルトの面々は謎の宇宙人シナウから、変身用のシッピツチェンジャー以外にも様々な補助道具を渡されている。


先ほど女性隊員2人が使ったソイドという名前の人形。これもその一つでこの人形には使用者の情報がインプットされ、使用者と同じ姿形をとることが出来るもの。もちろん他者との会話も可能で相手に怪しまれないように、使用者の人格がコピーされている。それに一部使用者とリンクされているので、こみ入った会話もできるのだ。


その他にも、移動手段としてバイクと車も提供されている。これもいろいろな仕掛けがあるらしいが、使っている当人達しか知らないことなのだ。


それから、羽をはやしたオコジョのような生物「なななん」は謎の宇宙人シナウが遣わした、サポーターである。見かけに寄らず基地内のすべてを把握し、使いこなす出来るやつであった。



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