さらなる堕落と書いてギャンブル中毒と読む
アランは右手に持った1つの紙切れをシワができるのを気にすることなく強く握りしめた。
数々の名馬達の力強い蹄の音が絶え間なく響き渡り、その音をかき消すかのごとく歓声が上がる。
その中にアランはいた。
集団の中でも最前に立ち、左手に勢い余って潰してしまったであろうイチゴ牛乳のパックを握りしめ、ジャージと呼ばれる服装を身にまとう彼の姿は非常残念だった。
もし彼に滅ぼされた世界の人がこの光景を見たならば涙を流すであろうことは間違いないこの光景。
そう、アランはこの世界に来て知ってしまったのだ。
競馬を
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アランは魔王である。
彼は人々の怨念などによって生まれた存在だった。
いわば必然の突然変異。
人々の感情、運勢、呪いと深く関わった彼は魔王となるやいなや持ち前の精神干渉や破壊工作によって即人類を滅ぼし、その後力に奢った魔族達をも滅ぼした。
彼は冷徹か?否
彼はクズである。
時にはギャンブルで負けたということを理由に世界を滅ぼすこともあれば、なんとなくという理由で世界を滅ぼしたことすらある。
もう一度言おう、彼はクズである。
そんなクズは地球…日本と呼ばれる場所へ来るとまず情報を調べ始めた。
そして知ってしまったのだ。
KEIBAを
彼は持ち前の容貌を生かし女性達から金を巻き上げたり、魔法を使って金を荒稼ぎするとすぐに競馬へと身を埋めた。
金を稼げるからやるのではない、面白そうだから彼は競馬をするのだ。
そして日本へ来て3年
「イッゲェェェェ!」
彼はさらなる堕落を見せたのである。