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異世界殺菌をする町医者  作者: 虹色水晶
異世界から日本に戻れば斬新な小説。なぜ誰も書かないのだろう?
12/31

異世界から来た者のお蔭で二足歩行になれた理由

「ツキシマさん?」


 骸骨剣士は改めて尋ねる。


「ツキシマさんではない。我らは敬意をこめてあのお方を、ツキシマ・マイゼン様を魔王マイルズとお呼びしている」


「ツキシマ・アイゼン?」


「ツキシマ・マイゼンだ。そうだな。まずはあのお方との出会いから話そうか・・・・」


 トヨヒサルスはツキシマ・マイゼン事魔王マイルズについて語り始めた。


 その日。彼は。トヨヒサルスは魔法陣を用いて召喚の儀を行っていた。

 数百年に渡る長きに及ぶ人間共の戦に終止符を打つ為に。

 薄暗い洞窟の中に虹色の健康に悪そうな煙が立ち込めた。

 煙が晴れた後には、一体分の白骨死体が立っていた。

 服は着ていてない。

 ただ、その右手にはその手に収まるサイズの長方形の板が握られていた。


「・・・失敗か」


 そう思ったが、白骨死体自体には微細な魔力を感じられる。

 という事はこいつは単なる白骨死体ではなく。


「誰が白骨死体だこのカエル野郎」


 そう。このスケルトンが喋る通りであった。

 トヨヒサルスは。

 四足で腹這いに地面にへばりつく緑色のイボガエルだったのである。

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