第4次川中島の学戦その3
話は戻って上杉陣営。武田軍の別動隊からの奇襲を予測していた虎千代は、全軍に妻女山から隠密行動で下山するよう指示を出していた。
「軒猿は近くに控えていますか?」
全軍が下山の準備をしている最中、虎千代が独り言を発するかの様に言うと、虎千代の直ぐ傍に何処からともなく現れ
「はっ!何でしょうか?生徒会長。」
「今、私が言った様にこれより我が軍は山を降り
八幡原に向かいます。それに伴って武田軍に気付かれる訳にはいきません。多分あちらも透波を使い此方の様子を伺っている筈ですから軒猿達は武田軍の透波を片付けて欲しいのです。出来ますか?」
「お任せ下さい。必ずやご期待に答えてみせます。」
「宜しく頼みましたよ。」
そう虎千代が告げると軒猿と呼ばれた女生徒はスッと辺りから消えていった。
ここに出てくる【軒猿】【透波】とは間者、今で言う所の諜報員、もっと分かりやすく言うと【忍者】である。
虎千代含む春日山女学園の生徒達は2列縦隊となって、3年生を先頭に1年生、2年生の順に静かに且つ迅速に妻女山を下山していった。
勿論、私語厳禁だ。
軒猿により武田軍の透波は先頭不能、若しくは拘束され、上杉軍下山の情報は武田方に漏れる事は無かった。
上杉虎千代率いる春日山女学園の生徒達は、無事に妻女山を下山することが出来たのである。
これにより上杉軍は八幡原へと歩を進めるのであった。
短くてすみません。時間を見つけて書いていきますので宜しくお願い致します。