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お話、できた……!!

お話できるようになりたい!


お話できるようになりたい!


お話できるようになりたい……!!!



一生懸命に鏡に想いをぶつけるあたしの横で、「さくら頑張れ!」「頑張れさくら!」ってめっちゃ声が聞こえる。特に聡! 耳にきんきん響いてなんか集中できないから、ちょっと黙って。


じろっとひとめ聡を見たら、なんか通じたのかちょっと声がおとなしくなった。


それでいい。


よし、じゃあ改めて。



お話できるようになりたい!


お話できるようになりたい!


お話できるようになりたい……!!!


鏡さん、お願い。あたし、お話しできるようになりたいの……!!!



すっごく一生懸命に祈ったら、急に鏡がピカーッッてびっくりするくらいに光ったの。



「うわっ、なんだ!?」


「眩しっ」


「なによぅもう、目が痛い~!」



雅人おにーさん達だってびっくりしたかもしれないけど、あたしももう、目がめちゃくちゃ痛い。光ったの、思いっきり見ちゃった……!


お手々で目をおさえて、ぷるぷると震える。お耳もへにゃっと下がっちゃうけど、尻尾もシュンって一気に元気がなくなっちゃった。ひどいよぅ……。



「さくら……?」


「も、もっかい、言って」


「え、なぁに? どうしたの、ふたりとも……」



雅人おにーさんも聡も、あんまりあたしの顔をのぞきこんでるから、ちょっとびっくりしてしまった。目をしぱしぱさせながら、思わず言ったら、ふたりが急に「うぉぉぉぉお~~~!!!」って叫びだす。


なんなの。


急になんなの!?


なんかヘンな踊りおどってる!?



「さくらがしゃべったー!!!」


「かわいー声!」


「あっ……」



あたしの声、聞こえたんだ! あたしの言葉、通じてるんだ……!


嬉しくって嬉しくって、あたしも二人のヘンな踊りにぴょんぴょん跳ねながら参加した。


わーい! 嬉しいよう!



「成功したようじゃなぁ」


「良かったねぇ、さくらちゃん」



カメドノとスオーさんも喜んでくれて、あたし本当にすっごく嬉しい。



「カメドノ! スオーさん! ありがとう! あたし、とっても嬉しい!」


「ははは、可愛いなぁ」


「これで雅人おにーさんといっぱいお話しできる! すっごく! すっごく嬉しい! ありがとう」



あたしの後ろで「俺、雅人お兄さんって呼ばれてたのか」「えっ、さくらちゃん、オレは? オレは?」なんて二人がざわざわしてる。こういうのにも、もうお返事できるんだなぁ。なんて幸せなの。



「雅人おにーさん。聡。あたし、これからたくさんおしゃべりするね」


「うん、良かったな! さくら」


「え、オレだけなんで呼び捨て?」



聡はちょっと黙ってて。



「ねぇ雅人おにーさん、あたしね。ずっと言いたかったことがあるの」


「うん」


「あたしを助けてくれて、ありがとう……!」

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