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女神様はフレンドリー

案の定お二人はこのお社の御祭神様だった。


ちなみにやっぱり狐耳さんが稲荷神で、女神様が白龍の龍神様らしい。俺たちがいつもお世話になっている白龍様と混同して厄介だろうからと、女神様はシラトというお名前を教えてくれた。


まさか神様を名前呼びすることになるとは思わなかった。促されて呼んでみると、シラト様は華やかな笑みを見せてくれる。なんというかシラト様は、白龍様に比べて随分と雰囲気が柔らかくて性格も穏やかなようだ。



「いやー、それにしても神様と直接話できたりするなんて思わなかったっす!」


「確かに」


「? あの尊きお方とは、どのように意思疎通をしているのだ?」



聡が何気なく言った言葉にシラト様が小首を傾げて尋ねてくる。もしかして、こうやって直で話をするのが普通なんだろうか。


ちなみに白龍様の方が神様のなかでもめっちゃ位が高いらしくて、シラト様は白龍様を尊きお方呼びしている。同系列なのもあってなんでも昔からかなりお世話にもなっているらしい。


神様の世界もそういうのあるんだな。



「神主さんに通訳して貰ってるよな」


「そうだな。さくらは直接話せてるみたいだけど」



そう言って見下ろすと、さくらはちょっと胸を張ってすましていた。可愛い。



「白龍様は完全に龍! って感じの見た目だしな。直接話せるなんて思っても見なかったよな」


「あのお方らしい。龍の姿だと人に通じるように話すのは少し余計に力を使うのだ。それが面倒なのだろう」



そう言ってシラト様はコロコロと鈴の音が鳴るような綺麗な声で笑っている。ちなみにシラト様の方が稲荷神のコタカ様より位が高いそうで、彼女が話している時はコタカ様は基本聞き役に徹してるんだよな。人間社会よりもよっぽど上下関係がはっきりしてるかも知れない。



「因みに人の姿を模することも神力を使うのだぞ。だがあのお方はそのような気は使わぬであろうな」


「出来るは出来るんすか? ちょっと見てみたいなー」


「妾は一度見たことがあるぞ。それはそれは美麗であった。人の身では目が潰れてしまうやも知れぬな」



もうほぼ世間話になってる気がするんだが。


聡の口調が砕けすぎてるのが地味に心配なんだけど、シラト様が楽しそうだから大丈夫なのかな。でも聡が話す度にコタカ様の狐耳が咎めるみたいにピルっと動くし、時々ジロッと見たりしてるんだよな。


しかもコタカ様の後ろでは蘇芳さんが青くなったり白くなったりしつつ、びくびくと視線を彷徨わせている。やっぱりなんか畏れ多いことしてるんじゃないだろうか。

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