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雅人おにーさん、かっこいい!

なあに!?


なあに!? 何が起こったの!?



飛び散った腕とか髪の毛から、びっくりするくらい沢山の瘴気が溢れでた。真っ黒い瘴気からは嫌あな匂いが立ちのぼってむせそうなくらい。


どうしよう、どうしたらいいの?



あたしの力は攻撃系で、こんなに沢山の瘴気をキレイにするには向いてない。周りがどんどん暗くなってすごく嫌な感じ。匂いもどんどん濃くなって目と鼻にしみる感じがする。


あれよ、聡がサークル?だか何だかで、たっくさん運動して来た時の靴下の匂いくらいしみる。



前足で一生懸命、お目々とお鼻を擦ったけどホントもうクシャミが止まらない。



せっかくアイツが弱ってるから、その隙にやっつけたいのに、涙で前が見えないよう……。



困ってしまって、ブシュン!ブシュン!とクシャミを連発していたら、ようやく瘴気の霧が晴れてきた。



あ、あっちから何だか明るい光が見える……。



ふんわり明るい光は、なんとこの憎たらしい瘴気の霧をキレイにしているみたい。惹かれるように光に近づいたら、雅人おにーさんが一心に祝詞をあげているところだった。



あっ……これ、雅人おにーさんが瘴気を浄化してくれてるんだ……!


すごい! すごい、カッコいい!



うっすら光る雅人おにーさんの周りから円を描くように、どんどんと空気がキレイになっていく。



ああ、空気が美味しいって幸せな事なのね、たった数分に満たないけれど瘴気の中にいるのは拷問だった。暗いし纏わりつくみたいに気持ち悪いし、なんてったって臭いんだもん!



やっと大きく息が吸い込めて、お目々もしっかり開いてきた。



そしたらね、なんだろう、なんだか不思議なの。



雅人おにーさんが祝詞をあげるじゃない?


瘴気が浄化されてキレイになるのと同時に、なんだかその黒い瘴気から色んな霊気がキレイに洗われてふわっとお空に昇っていくみたい。


ほとんどは、形がないもの。


でも時々、にゃんことか、人に近い霊気とかがふんわりと浮かんではお空へ消えていく。その光景はとってもキレイで、わけもなく幸せな感じがした。



おっと! それに見惚れてる場合じゃなかった!



慌てて黒髪の悪霊の方を見てみたら、アイツは随分小さくなっていたけれど、相変わらず黒い髪の毛をウニャウニャと気持ち悪く動かしてあたしを威嚇している。


雅人おにーさんに迷惑かけちゃったぶん、もっとしっかり頑張らなくっちゃ!


そう思ってアイツの隙を付け狙う。


じいっとじいっと見ていたら、何だかアイツの霊気がこれまでと少し違う事に気がついた。



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