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百合香さんとウメさん

「あらあら、まあまあ!かわいいー!二尾の子狐ちゃん!」



さすが聡のおばあちゃん!

百合香さんはとっても元気のいいおばあちゃんだった。


あたしは今、絶賛モフられ中でくすぐったさに身を捩るとさらにまたモフられるという悪循環に、たまらずまた人型に戻ったところだ。



「あらまあー!もう人型にもなれるの⁉︎ お利口さんねえ」



今度はぎゅうって抱きしめられた。



「テンション高けえ……」



って、雅人おにーさんがちょっとドン引いてたけど、うん、それも仕方ないと思う。



「ばあちゃん、そろそろ本題に入ってもいい? 雅人が固まってるから、せめて紹介したいんだけど」



なんと、聡が普通に真面目な感じのこと言ってる!たしかに百合香さんの好きにさせてたら、なんか話進まなそうだもんね。



「ああ、ごめんごめん、あんまり可愛くって。ほら、ウメはつんでれ?だっけ、そんな感じだからあんまり触らせてくれないからさあ」


「あー、うん、分かる。でも、あとでな」


「はいはい、で?雅人君だっけ、ああ、確かに結構な霊力だねえ、質がいい」



百合香さんは、とたんに厳しい表情になって、雅人おにーさんをじっくりと見つめている。なんだか、目の奥の奥まで見てるみたいに、なんか遠い目をして見てるから、なんだかあたしまで緊張してきちゃった。



「質……?質とかもあるんですか?」


「そりゃあるさ。量はあっても纏まらないと力として外に出せないからねえ、そういうのは厄介なんだよ。無駄に放出しちまって、変な霊は引き寄せちまうくせに防御も反撃が出来ないだろう? その点あんたのは修行しだいでちゃんと術として発動できるよ」


「うっわ、すっげー!雅人すげー!術とか!」


「うるさい!」



間髪入れずに百合香さんに叩かれた聡。なんだかいつもこんな感じなんだろうなあ、と思ったら、ちょっと心があったかくなった。なんでなのかな……ママを、思い出しちゃった。



「さくら? どうした、大丈夫か?」



雅人おにーさんが、顔を覗き込んできた。あたしは、ふるふると顔を振る。なんでもないの、なんだかちょっと、さみしくなっちゃっただけなの。……ママにも、いつか会えるといいなあ。



「聡、あんたも一緒に修行してみるかい?」


「えっ、俺も⁉︎ 俺も術とか出来んの⁉︎」


「ま、落ち着きがないのが心配だけどねえ、ウメの新しい相方もそろそろ鍛えないといけないしねえ」


「ふん、自分の相方くらい自分で見つけるさ」


「ちょっとうーちゃん酷い! 俺でいーじゃん! 」



あれ? ママの事思い出してちょっとしんみりしてる間に、なんか話が大きくなってるよ⁉︎

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