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どちらさま⁉

さくらに少しでも多く、俺の霊力が渡せればいい。

そう思ったのが良かったのか、悪かったのか。



念じた途端にさくらの全身の毛がブワッと逆立って、ドシロウトの俺でさえ、あれ?これなんかマジで力が譲渡出来たっぽくね?って思うくらいにさくらの小さな体がパワーに溢れてきた。


大丈夫かこれ。

めっちゃ膨れてるけど、さくら、破裂したりしねぇだろうな……。朦朧としているせいか、バカな考えがとりとめもなく頭に浮かぶ。



カッ!



と、さくらの口のあたりが眩く光った。


すげぇ、まさかのブレスか。そのうち炎吐いたりビームでたりして……


そう思ったのを最後に、俺の意識は緩やかにフェードアウトしていった。







「うおーい、いい加減マジで起きろー。救急車呼ぶぞー!」



ペシペシと叩かれる頬、冗談じゃない言葉にびっくりして飛び起きる。目を開けたら若干心配そうな聡がのぞきこんでいた。



「良かった、起きたか」


「あ……俺、気絶したのか」



思わずそう呟けば、聡が微妙な顔をする。



「あ、やっぱ気絶だったんだ。あのさ、ゆうべなんかあったのか?」


「は?」


「いやさぁ、朝っぱらからさくらちゃんが噛みついてきたかと思ったら引っ掻くわ、しっぽでバシバシ叩いてくるわ散々だったんだけど……何か最後にゃお前の方に無理矢理引っ張ってくるから何かあったのかと思ってさぁ」



呑気な聡の言葉に唖然とする。

こっちは死ぬかと思ったのに、まさか気付きもしていなかったとは。そういやあの時空気だったもんな、俺も思い出す余裕なかったし。


「お前は何回呼んでもピクリともしねぇし、さくらちゃんはなんかめっちゃ心配そうにお前の回りうろうろうろうろしちゃってさ。さすがに不安になってきたトコだったんだって」


「へえ……おわっ」



耐えかねたようにさくらが飛び込んできて、顔じゅうを盛大に嘗められた。しっぽが別のいきものみたいにブンブンはためいて、俺の腕を撫でる。



「ごめ……ん、さくら。心配……かけて」



嘗められながらもなんとか礼を口にしたものの、さくらの攻撃は止まない。苦笑しながら聡が枕元を離れていく。さくらのあまりの喜びっぷりに、すぐには離して貰えなさそうだとふんだんだろう。


いやマジで。

くすぐったい、くすぐったいって、さくら!



「ごめんごめん、もう勘弁……! ありがとうな、さくら」



言って、さくらの頭をもふもふと撫でた時だった。



「……!」



さくらの姿が突然消えて、小さな女の子が現れた。



「おわあぁぁぁ!⁉!‼」


「どうした……うおっ⁉ ちょ、どちら様⁉」



それは俺がききたい!

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