表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/12

第5話 モンスターの弱点

お読み頂きましてありがとうございます。

「えっ、こいつもですか?」


 ここは地下30階にラスボスが居る初心者ダンジョンなのだか、団長から説明を受けるモンスターの弱点がすべて、背中なのだ。


 前からでは倒すのに団長のような大きなダメージを与えられる人間でも一撃ではできないのに背中の特定の部位に剣を突き立てると簡単に倒せてしまうのだ。


 だからなのか、俺の訓練のためと言いながら、他の団員には抑える役目を与え、俺が素早く敵の後ろに回り込み剣を突き立てる・・・。ひたすら、繰り返すだけである。どう考えても、俺ひとりが働いていて、他の団員は暇そうだ。


 めっちゃ押しつけられてはいるような・・・。気のせいだと思いたい。


 それが功を奏したのか、その時は割と直ぐにやってきた。レベルアップだ。この世界のレベルアップはゲームで言うHPなどのステータスが一律何倍かされるらしい。


 初めてのレベルアップは5倍、次は2倍というように徐々にその倍率が下がっていくのだという。今日は2回レベルアップしたので・・・つまり、俺の走る速度はオリンピック記録の20倍になったというわけだ。


 しかも走り込みの訓練のお陰で40キロメートルほど走れるだけの体力はついている。フルマラソンを12分ほどで走れる計算だ。もうここまで来るとわけが分からない。まあどうやっても、ドーピング検査に引っかかるのだが・・・。


 地下10階に着いたところでキャンプを張る。キャンプを張るに適した場所もすでに調べられており、予定通り進んでいるというわけだ。


 各階のモンスターは常にポップアップしており、俺たちが通り過ぎた後も初心者の冒険者たちの訓練やもっと階下では低レベル冒険者たちが日銭を稼ぐために奮闘しているらしい。


 ここがわりと安全なダンジョンと呼ばれているのにはわけがあり、地下30階まで到達すると好きな階から入口まで戻れる道具が与えられるのだ。


「こんな楽な、ダンジョン攻略は初めてだ。なあ皆。」


「そうですね。こんなに余裕でキャンプを張れる日がくるとは思いませんよね。」


 他の団員の話では、団員全員でヘトヘトになるまで戦って3日かけてギリギリ、この場所まで来れるという。


 やっぱり、押し付けられていたんだ。ジロリと団長を睨むがどこ吹く風だ。


 それにどういう理屈かわからないが、年を取れば取るほどレベルアップはしにくくなるなだそうだ。メンバーは皆40歳を越えており、年に数回、このダンジョン攻略を行っているが誰もレベルアップしたことが無いのだそうだ。


「だから、お主に倒して欲しかったのだよ。それにその防具があれば、まずダメージは無いしの。」


・・・・・・・


 ダンジョン内でのキャンプは穏やかだ。しかし、いつもヘトヘトになるくせに鍋やフライパンまで持ち込んでいるのはどういうわけだ?


 まあ、温かい食事にありつけたのだから文句があるのでは無いのだが・・・。


「いやぁ・・・。」


 そういってそれらを持ち込むように指示した団長は言葉を濁した。『箱』スキルに入れておけばいいだけだが。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ