精霊魔法
休憩して、私は前王様の膝の上から下ろしてもらい、改めて針を手にしました。
その際ロダン様に前王様の衣装であれば、ウルデ様がここに運び込んだ布で、好きなだけ好きなように服を作っていいと言われ、私は目を輝かせたと思います。
「無理はしないように。疲れたと感じたら、すぐ言うように」
どれだけの加護縫いが出来るのか、知りたいみたい。
ヌイール家での、ゴミみたいな加護縫いも、根本的には魔力消費との兼ね合いだったんだろうなぁ・・・・多分。
全部加護縫いするのは、王様の服だけだったもよう。
でも、あの服は、ないわぁ~
ラフなシャツとズボン、下着類を数着
さっと縫い上げました。最近またレベルアップ(?)したのか、ミシン並みよりも早くなってしまったような?
とにかく、許可が出たのです。
軍服っ、スーツ(ホストっぽいのと、マフィア風なのとかっ、)コート、毛皮のコートも作ってみたいです。
あぅ、毛皮はそんなにないや。装飾用かな?
後はこの世界の、一般的な貴族階級の服も。
ジッパーがあったら、楽なんだけど・・・・ゴムがあるだけいいか。
ホックなら、提案すれば作ってもらえるかな?
ベルトの金具とかも、欲しいなぁ・・
なんて考えていたら、精霊さん達がよけて置いた無駄な宝石類の周り集まって、あーんと口を空けた。
「う?」
「力を使いたいようだな、何か望んだのだろう?魔力を上げてみろ」
前王様にアドバイスされたので、魔力糸を精霊さん分みょぉんと出して口に差し出す。
魔力糸をパクッと加えた精霊さん達は、コンセントを加えているみたい。
すると、宝石類を精霊さん達がある程度集めて・・・・うん、透過しないで集めて、混ぜて、伸ばして・・・・あ、これベルトの金具だ。ちょっと首傾げながら?
「繋がったままなら、具体的に欲しい物を伝えられるぞ?」
「うぃ」
精霊さん達が、物質を弄っているのは初めてだし、宝石類が飴みたいに簡単にまとまったり伸び縮みするのが面白くて、興奮した。
宝石の色とか、分けて配置出来る?
緑は葉っぱと蔦、赤い実散らして・・
地は、金と銀を混ぜ合わせ
ちょっと、落ち着いた色合いに・・・・
すごい!!
私は慌てて、ベルトの皮・・は、無いので、厚く固めの布で金具以外の部分を作った。
ベルトの穴部分も、精霊さん達が協力してくれました。
ズボンも手直して、完成。
うむ、ちょっと遊びすぎた?
派手?
しかし前王様、似合うわぁ~
・・・・・・・・もう何個か、シックなのも作ってもらおう。軍服やスーツに合うのをね。
ジッパーは構造解らないや、残念。
「望みどおりか?」
完成した何本かのベルトを手にし、前王様は苦笑した。
「?」
「これが精霊魔法だ。ほとんど精霊任せの・・魔術とは違う、魔眼の持ち主や精霊の守護を受けている者達が、稀におこしてもらえる現象だ亅
おー、精霊さんや蜘蛛さん、魔力糸なんかあるからあるだろうとは思ってました。
魔法!魔術!
なんか精霊さん経由じゃないと、現象にはならないみたいだけど。
うん。魔力糸出せるようになってから、色々試したけど、何にもおこらなかったもんね・・・・・・・・
あ、前王様の助言からして、具体性が足りなかった可能性も?
まだまだ勉強が、必要みたいだね私。