黒狐と学校。
「ん、-ん。……クロおはよう…」
そう言って、横を見る。
「………クロじゃないっ!!」
いたのは、黒粋じゃなく夏珪美鈴だった。
「んああ?…起きたの?ハクちゃん。」
「なんで!?僕の昔のあだ名、知ってんの!?」
彼女は、目をこすりながら答えた。
「だって、昨日教えてくれたじゃん。覚えてないの?」
「……覚えてない。」
「飲みすぎたんだね…。じゃあ、もう一度自己紹介。私は、夏珪 美鈴。美鈴って呼んで。」
「えっ?じゃあ、僕は白鈴。よろしく。」
「じゃあ、改めて、ハクって呼んでいいい?」
「いいよっ!今日から、友達だねっ!」
「そうだねっ。」
二人は、笑った。そして、二人はあることを思い出す。
「あっ!クロっ!まだ寝てるかな?」
「もう起きてると思うけど…、私は学校だから、もう行くね。」
「学校?どこの?」
「ここから近い学校だよ。舞花学園。たぶん、立ち入り自由だと思うから、来てみて!」
「うん!わかった!今日、行く!」
「了解っ!」
部屋から、出てドアを閉めた。じゃあと言いながら、白鈴はクロの元へ、美鈴は学校へ行った。
「クーロー!!いる~?」
「白鈴、朝からうるさいぞ。静かにしろ…。」
「だって~友達ができたんだもん!!美鈴っていうんだよ、あの子。」
「ああ、あいつか…。」
「うん!それでねー、美鈴の学校行くことになったんだ!」
「そうか、じゃあ楽しんでこいよ。」
「うん!楽しんでくる!…えっ?クロも行くんだよ!」
「俺は、行かん。」
「いいじゃん!!さっ、クロも!!」
「はっ!?ちょっ!引っ張るなっ!!」
白鈴は、黒粋を強引に引っ張り、飛び出していった。
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「で、何で…迷子になってんだ……。」
「あっれー、おかしいな。近くって言ってたのに…。こっちかな?」
「ちょっと、待て!」
「どうしたの?」
「どうしたの?っじゃねえ!そっちは、妖界だろうが!」
「えっ?あっ!ほんとだ…。」
「人間が、そっちに行くと思わねえけどっ!?」
「そうだねえ。じゃあこっちかな?」
「はあ…何時になったら着くんだ…?もう、昼前だぞ…。」
白鈴の方向音痴は、特別なものだった。自由で気ままな性格でもある彼は、自分の直感で道を決めてしまう。そのかわり五時間たつと、なぜか目的地についている。その仕組みは誰もわからない…もちろん本人も…。
「あっ!着いたよ!」
「やっとか、もう一時だぞ…。」
「まあ、着いたんだから……結果オーライ!ってことで、よかった、よかった!」
「全然、よくねーよ!!」
「美鈴ーーーーーー!!!!いるーー!!??」
「無視するなっ!」
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「美鈴ーー!呼ばれてるよー!」
「ーん?誰にい?」
軽く答えた美鈴は、ぐったりとしていた…。理由は、職員室に呼び出しをくらい、大分教師に怒られたのだった。最近、バイトを掛け持ちしていたため、疲れきって授業中寝てしまうということがおきたのだ。その所為なのか、成績は落ちる一方だ。
「校長に……。」
「………え?何だって!?」
「だから、校長に呼ばれてんぞって言ってるの。」
「私が、何したって言うのおおおお!!??」
そう叫びながら、走っていった。
「がんばれ~~~。」
人事だから、どうでもいいやと思いながら、手を振る友達がいた……。
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「あっ!美鈴だ~~!」
「えっ?ハク?それに、クロも!?」
「なんで、お姉さんがその呼び方で呼んでるの!?」
「えっ?いやっ、ハクがそれでいいって。」
「白鈴……。」
「えっ!?その方が、親しみやすいかなって!?」
「ふーん……。」
白鈴は、ちょっとおどおどしている…。黒粋を怒らせたら怖いのをよく知っている。年上なのに怖がる白鈴も、どうかと思う。美鈴も、ちょっとびびっている…。すると、それを見ていた校長は「コホン」と咳払いした。
「え~~、君たちは美鈴の知り合いなのかね?」
「そうだって、言ってるじゃん!こうちょー!」
「…………。」
「じゃあ、夏珪君。君は、放課後きっちりと、反省してもらうよ。」
「……なんでですかっ!?」
「君が成績が下がってると先生方が言っていてね。」
「うっ!なんでそれをっ!!」
「フン……。」
誰かが鼻で笑っている気がしたけど、美鈴は無視することにした…。さらに、校長先生は話を続ける……。
「だから、放課後は私が選んだ教師たちで補習をしてもらう…。」
「そんなああああああ!!!」
「やっぱり、人間も補習があるんだね…。」
「だな…。」
崩れ落ちる美鈴をよそに二人で話す、黒粋と白鈴がいた。
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午後六時。
「今日は、たのしかったなあ♪」
「そうだな……。」
ご機嫌な、白鈴を裏腹に黒粋は疲れきっていた…。しばらく、白鈴の一方的に話しかけながら歩いていると……黒粋が、「悪い、用事思い出した……!」と言って、走り出していった。
「またねえ~~~~!」
「………。」
黒粋は、返事もせず去っていった。姿を、獣のような形に変えて……。
「……何あれ?…黒い大きな…狐?」
一人の少女が窓から見ているのを知らずに……。
私も、授業中よく寝ますね。保健室の先生(女の人)に相談したら、授業がつまらないから、寝ていると判定が下りました……。まじめに受けようとしても眠たくなります…。ううっ、どうしたら良いんでしょうかね……?
感想、待ってます!