表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

黒狐と出会い。

思いつきと、いきおいで書いています。文章が変なことに、なっているかもしれませんが宜しくお願いします。

 昔。一つの村を壊滅させた妖狐がいた。その名は、黒粋こくすい。黒狐と呼ばれる、妖狐の1匹だ。

 普段、黒狐は「平和の象徴」と人から思われていた。

 だが、そのときの彼は、怒り狂っていた。彼は、母親を殺された。人間に…。

 彼の母親は、空狐だった。

 普段、姿を見せない彼女は、祠のお参りに来る人々をのんびり見ていた。

 ある日、彼女は1人の人間に『姿を見せてほしい。』と言われた。やさしい彼女はすんなりと姿を見せたが、その姿を見た人間は、化け物と叫びながら逃げて行った。彼女は落ち込んだ。

 その数日後、逃げて行った人間が、大勢の人々を引き連れて戻ってきたのだった。

 その日、彼女は殺された。人間が大好きだった彼女は、抵抗もせず、やられ続けた。やがて彼女は、力尽きた。その光景を見ていた黒粋は、こう思い、言った。



(母さんは、人間にやさしくしてたのに……。)

「……が…人間が…憎い……!!」



と。黒粋は、母親を殺した人間達の元へ向かい。殺しまくった。ただただ、気が晴れるまで…。


 このことは、後世まで語り継がれたが、信じる者はいなかった。百年以上経っている現在は、誰も知らない。


 現在。黒粋は、人間達に紛れて暮らしている。黒粋は、今日で百十三歳。



「もう、百年前か…。」

「そうだねえ。」



 何やら、聞き覚えのある声だった。



白鈴はくれい。いきなり現れるな…。」

「もう!クロのいじわるっ!もう少し、驚いてくれたっていいじゃん!!」

「…はぁ…お前、それでも天狐か?」

「一応、天狐だよ。めんどくさいけど。」

「ちゃんと働け!」



 天狐とは、妖狐達のトップである。姿かたちはどうであれ、妖狐が千年、生きるとなると言われている。天狐になるには、条件がある。

 壱、千年以上生きていること。

 弐、その中で、最も強いこと。

 参、空狐の代表に認められること。

以上の条件を満たしてなければ、天狐になれない。だが、白鈴は異例だ。白鈴は一番目の千年以上生きていること。を無視して天狐になったのだ。彼は、まだ百六十三歳。千歳になるには、あと九百三十七年生きなければならない。だがそれは、今居る空狐以外の妖狐の中で、一番年上だったから選ばれたのだろう。



「で、何のようだ?」

「えっ?だって、今日クロの誕生日でしょ。」

「それがどうした?」

「だから今日、クロん家で誕生日パーティーを、」

「やらん。」

「ええぇーーーー!!?クロのいじわる~~!!」

「何とでも言え!」



 誕生日パーティーだと、冗談じゃないっ!しかも、俺の家に来るだと!?仕事はどうしたんだよ、こいつ…。と思いつつも、パーティーをやろう。と言われたのが嬉しいのか、断れない気でもいた。



「まあ、そんなにパーティやりたいのなら、勝手にするがいい。」

「…えっ!?ほんと!?」

「だが、他の部屋のやつに迷惑を掛けることはやめろ。いいな。」

「うん!!」



 白鈴は、にっこりと笑った。これじゃあ、どっちが年上なのか解らないな。




----------------------------------------




「んじゃあ、かんぱーい!」

「か、乾杯。」


 そう言うと、二人はコップに入れられた飲み物を飲む。



「うん!やっぱり、おいしいね。これ。」

「そうだな……って、これっ!!」

「ん?どうしたの?」

「いいやつじゃねえか!!」

「うんあぁ、そうだねえ。取り寄せたしねえ。気に入った?」

「気に入ったも何も、こんな美味いの初めて飲んだぞ!」

「ははっ。クロは大げさだねえ。これ、二十万しかしないよ。安いじゃん。」

「……お前、天狐になってから金銭感覚、可笑しくなったんじゃねえか?」



 二人が飲んでいるのは、1996年のワイン。一般人にとっては、そんな簡単に手に入れられる代物ではない。だが、白鈴が天狐だから出来たのであろう。天狐は、仕事でもある。もちろん、お金はもらえる。何円くらいかは、大手会社の社長ぐらいと思っていただきたい。そんなこんなで天狐は、妖狐達の憧れる職でもある。


 ピンポーン。


「ん?大家さんか?今月の家賃まだ、払ってなかったっけ?」



 実は言うと、大家さんも妖怪である。何の妖怪かは、わからず、だれも本当の姿を見たことがないそうだ。大家さんには、黒粋も小さいときからよくしてもらっているそうで。



「すみませーん。」

「はい。」



 黒粋は短く答えると、ドアを開けた。



「なっ!?」



 黒粋が見たのは、人間だった。人間に紛れて暮らしているといっても、まだ人間は嫌いだった。もう百年も前でも、恨みは消えてはなかった。



「今日、隣に引っ越してきたんです。これから宜しくです……って、あれ?」

「……?」

「ぼく1人だけ?お母さんは?」

「えっ?」



 何言ってんだこいつ。と思ったが、すぐに理解した。黒粋は、子供の姿だ。もう、百年前から変わってはいない。人間から見れば、中一ぐらいに見える。



「あっ、お母さんはいないよ。」

「じゃあ、お父さんは?」

「いないよ。」

「そう。それじゃあ、これ。ご両親に渡しといて。安物だけど。」

「ありがとう。お姉さん。」

「どういたしまして。」



 その人は、笑顔を浮かべ帰っていった。黒粋は、すぐにドアを閉める。



「ナイス演義!クロ。」

「もう、慣れたさ。」

「さっ、続きをしよう!」

「はいはい。」




----------------------------------------




「あの子、礼儀よかったな。」



と、独り言をしながらテレビを見ている。



「にしては、何か変?」



 テレビを、見るだけでまったく片付けをしないこいつは、夏珪かけい 美鈴みすず。さっき、黒粋の部屋に挨拶に来た、人間だ。



「気になるなぁ。お母さんもお父さんもいないって言うし。出かけてたのかな?っでも、こんな時間まで?」



 今の、時間は九時半。普通なら、帰ってもきてもいい時間だ。



「中学生を置いて、こんな時間まで!ゆるせないなぁ。………ってか、さっきの子の部屋、うるさいなあ。」




----------------------------------------




「白鈴!しずかにしろっ!」

「ふええ?何が!?こんなに楽しい気分は、ひさしぶりだあ!!」

「はあ。完全によってる。」

「ほらっ!クロも、もっと飲もうよ!!」

「俺は強いからいけるが、お前は何で、酔うのをわかっていて、やめないのだ!!」



 ピンポーン。



「ちっ。またか。こんな大変なときに。はーっい!」



 黒粋が、ドアを開ける。



「また、ごめんね。」

「あっ、さっきのお姉さん。何か、用?」

「ごめん。君の部屋うるさくて静かにしてくれる?」

「ああ、そういうこと。じゃあ、よかったら、これ持って行って。」

「えっ?」



 そういって渡されたのは、人だった…。



「…だれ?」

「この人ね、僕の部屋にいきなり上りこんできたんだ。んで、酔いつぶれたんだ。」

「はあ…?」

「だから、持って行って。迷惑だから。」

「……わかったわ。」

「ありがとう!お姉さん!」



 黒粋は、満面の笑みを作って見せて、じゃあと言ってドアを閉めた。



「えっ?ちょ、ちょっと!……どうしよう、この人。」

「クロ~~、ひどいよ~~!追い出すなんて!」

「とりあえず、私の部屋、来る?」

「うんうん!いくいく!!クロの隣だしね!」

(元気な人だな。それでいて、子供っぽい。まあ、いっか。)



 気楽な彼女は、何も疑いもせず、白鈴を部屋に招待するのだった。この会話を黒粋は、聞いていた。



「ちっ。白鈴のやつ……。まあいい、考えてもしょうがない。白鈴に何が起きても、関係ないし。」



 しばらくの沈黙。



「…っさて、片付けますかね……。」



 この出会いが、黒粋の日常を変えていくのだった。

設定。

妖狐のランク:野狐、気狐、空狐、天狐。左が一番下。空狐は、天狐がさらに二千年生きてなる、だがなぜか、天狐よりランクが下になる。神通力においては、一番強い。


黒粋:黒狐と呼ばれる毛の黒い妖狐。黒粋のランクは、野狐。暮らしているところは、三階建てのアパート。その一番上の、右端に住んでいる。人間との交流もしなくてはならないため子供姿の黒粋は、ちょっと…いやかなり、演義が上手。そのためか彼が作る笑みは、なぜか近所の人に評判である。


白鈴:黒粋の友達。白狐と呼ばれる毛の白い妖狐。ランクは、天狐。ひょんなことから、天狐になった。もともと天狐になれるような、性格ではない。彼は、明るく子供っぽい。たまに大人だなあと思うことがあるかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ