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アリソラ 〜ARIASの宇宙(そら)〜  作者: 夏川四季
新章 第四部 『結』
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第7話 轟け46センチ砲 ~ ⅰ ~

皆様、2ヶ月近くお待たせしてしまったことをお詫び申しあげます。


作者の方の課題やら試験や、ほかのゲームに浮気ゲフンゲフンしていたらここまで遅れてしまいました。


ですが、きちんとアリアスは完結させます!!


それでは、第七話本編どうぞ!!

「姫川……?」

「大丈夫。私は私なんだから」

「インフィティとの距離500。マスター! ミサイル射程圏内です」

「刀夜。一度しか言わないからよく聞いて。いま後ろにいるインフィニティのパイロットがそんな人物なのか知っている。あなたもよく知っている人物よ」

「俺が知っている奴にあんな腕の立つパイロットはアズ姉ぐらい……まさか、アズ姉なのか!?」

「一ノ瀬先輩では無いわ。そうね、黒の魔術士と呼ばれていた人物と言えば分かる?」

 落雷に打たれたかのような衝撃が俺の頭の中を駆け巡った。黒の魔術士だと……。

「嘘だろ……」

「航空自衛隊第51航空隊所属の古川(ふるかわ)皐月(さつき)。貴方がよく知っている人物よね。古川刀夜(・・・・)君」

 もう忘れかけた性名。だが、古川皐月という人物の名前を忘れたことなど一度もなかった。

 いや、忘れるはずがなかった。

「母さんは死んだはずだ。基地の空爆で死んだんだぞ!」

「そうね。刀夜の知っている皐月さんではないかもしれないわね」

「どういうことだよ」

「彼女は、記憶喪失状態なのよ。彼女記憶は、航空自衛隊の強襲部隊にいたところから先の記憶がバッサリなくなっている」

「父さんと会う前か……」

「マスター!もう距離がありませんよ!!」

「現役時代真っ盛りか……。姫川。下噛まないように気をつけろよッ!」

 スロットルレバーの下に付けてあるスイッチボタンを押し込む。

「リミッター解除。これより感性制御のみに従事します」

「レーダーは頼んだぞ。姫川ッ!」

 機体を右に傾けさせながら大回りに円を描くように機体を滑らせていく。広角度モニターを確認せずとも、後ろのインフィニティがついてきているのが分かる。

「距離200!」

「怖いぜ。最強と言われたパイロットに追い回されているんだからな」

「距離150! もうこれ以上張り付かれたら攻撃を避けられないわよ!?」

「まだまだ……」

「距離100ッ!」

「親父譲りの取っておきを見せてやるぜッ!!」

 緋龍についている姿勢制御用ブースターを全開にして噴射する。目の前の景色が流れていく。

 トップスピードが乗ったところで、緋龍は縦向きの回転をはじめる。流れる視界の端にインフィニティが見える。

 外から見れば、今の緋龍はとんでもない動きをしているだろう。

縦向きの回転をしながら緋龍は、飛んでいるのだからな。

 光学照準器のセンターマークにインフィニティが映り込むのと同時にレーザー機銃の発射レバー引く。

飛龍の機首に備え付けられている機銃が火を噴く。

いきなり攻撃してきた飛龍に回避行動をとるも、若干緋龍の攻撃が早かった。

20mmのレーザー弾頭の一つがインフィニティの翼を撃ち抜く。

「チッ! かすった程度か!」

薄くだが煙を出しただけで、インフィニティに決定打は与えることができなかった。つまり、ここで、俺は相手に攻撃のターンを与えてしまうことになる。

 視界の先で、インフィニティが見える。ゆっくりと流れる時の流れに俺は、間に合わないと分かりながら操縦桿を引く。

来るか! 

「インフィニティ、回避行動に入る!」

 目の前に迫っていた漆黒の戦闘機の軌道が折れ曲がるように、緋龍からそれる。

「攻撃してこない?」

「マスター。インフィニティより通信が入っています!」

「ユリア、繋いでくれ!」

『こちら、BMAC所属。古川皐月だ。君の名が知りたい。一体誰がその紅色の機体を操縦している?』

「アリアス航空課所属、坂上刀夜だ」

 一息ついて質問に答えた俺に、通信機のむこうか微かに笑い声のようなものが聴こえた。

『苗字は変われど、息子は息子か』

「古川隊長! まさか、記憶が!?」

『バッチリ思い出したわよ。でも、悠長に説明している暇はないわ!』

「どういうことだよ。母さん」

『まだ、知らないみたいね。今このコロニーの裏側に、核で武装したと言い張る武装集団がやってきている』

「か、核だと……」

『そう。奴らは身代金を要求してきている。コロニーに住む全住人を人質にしてね。』

「目的は金なのか?」

『身代金を姫川かぐやに持ってこさせるように政府に要求してきている』

「本当の目的は私ね……」

 姫川を狙っているということは、相手は自由企業連合か。全く、あちらこちらから、敵が湧いてくるもんだな。

 しかも、核を持っているなんて厄介すぎるぞ……

『核というのは、おそらく表向き。奴らが持っているのはユーラシアの研究所から盗み出された新型の生物兵器、約1キロ。ただ、1キロといえど侮れない。一キロもあれば、このコロニー全住人を死に追いやるのには十分すぎる量よ』

「迂闊に動けねぇじゃないか! コロニーの警備隊は!?」

『警備隊の艦船は港に貼り付けられたままよ。現在、コロニーから敵艦を攻撃できる船はたった一隻。……宇宙戦艦銀河のみよ!』

「銀河だけ……」

『そうよ。銀河。並びに、私と刀夜で、相手が攻撃を仕掛けて来るより先に敵艦を殲滅する。私たちに残された選択肢はそれだけよ』

「敵の位置は分かっているのかよ!」

 先制攻撃するということは、完璧に敵の位置が分かった状態で初めて意味をなす。隠れている敵を見過ごしてしまえば、コロニーの全住人の命が本の一撃で失われることになる。

『ご心配なく! 銀河なら、敵の位置が一発で分かるぜ』

 通信機から、今か今かと待っていたかのように陽気な男の声が聞こえてくる。

「大海君?」

『ヒーローはここぞという時に登場しないとな。艦長、開発中やった潜宙艦に対する索敵装置できたぜ』

「本当!?」

『ああ。その名もパーティクルアクティブソナーだ。アタランタ粒子を応用した兵器でだな。これなら、光学迷彩を使用している敵だろうが、一瞬で見つけ出すことができる』

「凄いじゃないか!」

『ただ、索敵するためには、銀河が停船状態でないといけないし、索敵中は兵器が使えない』

「つまり、銀河は丸裸の状態ってことね」

『そういうことだ。艦長。さらに、この作戦にはとある問題がある』

「どういう問題なんだ?」

『銀河は、一度にロック出来る艦船は5隻。緋龍とインフィニティに搭載している空対艦ミサイルで合計7隻。これ以上の敵がいれば俺たちの負けだ。どうする、艦長?』

「私は……」

「姫川。お前が金を持っていくという選択肢は無しだからな」

『そうだぜ。艦長。俺たちは、艦長の帰りを待っているぜ。艦長のいない船は締りがないからな』

「かぐや(・・・)。お前の運命をブチ抜いてみろ。お前には、それができる力がある。仲間がいるだろうが。お前は銀河の艦長なんだぞ? やらなくちゃいけない事を言ってみろ!!」

「……そうね。総員第一種戦闘配備ッ! これより、反攻に転ずる!」

「「『了解!』」」

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