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アリソラ 〜ARIASの宇宙(そら)〜  作者: 夏川四季
新章 第二部 『承』
33/57

第3話 対人地雷との正しい付き合い方 ~下~

「ところでマスター。レールガンについては理解できましたか?」

「ああ、レーザー砲とは違うからな。そこら辺は、しっかりと頭に叩き込んでおいたよ」

「アウトレンジ戦法がレールガンの一番の旨みといっても過言ではないですからね」

 一般的なレーザー砲と、この銀河に搭載されている零式荷電砲を比較すれば、その攻撃は一目瞭然だ。

 皇国最強とされている長門の有効射程は6万キロ、他の宇宙戦艦なら約5万キロといったところだろう。対する銀河の零式荷電砲の有効射程は、7万キロ。最大射程で7万4千キロに達する。

「2万キロのリーチはかなり強みだからな」

「ネックなのは、砲弾の速度ですけどね……」

「そうだな。タイムラグがあるからな」

聞いたところによると、零式荷電砲の砲弾の初速は6500キロ/秒。

この初速の違いも命中精度に依存してくるので、ただアウトレンジ攻撃ができるから銀河の方が強いとは、一概にはいえない。

相手の5万キロは、発砲してからのタイムラグがほぼゼロなのに対して、こっちの7万キロは、約11秒のタイムラグを考慮しての発砲になるわけだ。

正確な弾道計算と、ターゲットの移動を的確に予想しないと砲弾はターゲットにかすりもしないだろう。

この辺りをしっかりしてないと、痛めに合うのは俺達になりそうだな。

「その他の通常兵器などは、ほとんど一般のものと変わりませんし、大丈夫でしょう」

「全く、砲雷長だなんて、責任重大すぎるぜ」

「逆にチャンスですよ。いい結果を出せば、マスターの夢にも大きく近づけますからね」

「ものは、考えようか……」

 確かに、俺が目指す先に考えれば、こんなところで躓いていたり、愚痴を言っている場合ではない。

「最も、ヘタレのマスターならいつになるやら分かりませんけどね」

「ヘタレで悪かったな」

 小さい頃から俺は航空機パイロットの頂点を目指すために頑張ってきた。憧れだった、アズ姉の背中がようやく見えるような位置まできたのだ。ここで潰れる訳にはいかない。

 しかし、俺が乗るはずの航空機は何なんだろうか? 姉さんは試験機だと言っていたが、新型機か、或いはアズ姉が乗っているような改造機か。

「航空機のこと考えてるマスターは本当、生き生きしますよね」

「まぁな」

「本当、子どもみたいね」

 突如聞こえた声に驚いて振り向いてみると、艦橋入口にもたれ掛かる様に立っている姫川の姿があった。

 すでに制服からゆったりとしたパジャマに着替えており、直ぐにでも寝られる格好で俺に視線を向けた。

 まるで吸い込まれそうな紅い瞳に俺は一瞬クギ付けになった。

「なかなか帰ってこないと思ったらまだ仕事してたの?」

 呆れたといった感じに姫川が口を開く。確かに、ちゃんと仕事をしていればもうとっくの前に仕事は終わっているはずだった。

「もう一度書類のチェックをしていてな」

「もう、早く寝ないと明日も大変なのよ?」

「もしかして、心配して来てくれたのか?」

「なッ! バ、バッカじゃないの!? 別にアンタが戻ってこないのが心配なんじゃなくて、戻ってこないのが怪しいから見に来ただけよ!」

 そう言って、姫川は顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。どうも女心というものは複雑で分からないな。

「悪い、悪い。さて、仕事も終わったし、寝るとするか」

「ね、寝る!?」

 何故かその言葉に異常に反応した姫川。なんだよ。俺が寝るのがそんなに驚くことか?

「……マスター。あなたの同室は誰ですか?」

「あ……」

 了解、理解した。

俺は姫川と同室だったんだ。さっきまで忘れていたよ。危うく、また医務室に担ぎ込まれて、東雲先生のお世話になるところだったぜ。

「と、取りあえず、部屋に帰ってから考えるか」

「そ、そうね」

 今更ながら、双方何を言ったらいいのか分からないまま、自室へと帰ることにした。幸いにも、俺と姫川の部屋は3人部屋だったため、真ん中をベッドを挟んで互いに端のベッドで寝ることと、着替え等をするときはカーテンを閉めるか、片方が部屋から出るという不可侵条約を結び、会議は双方合意の末、閉会となった。

だが……。

「いい? ここからこっちに入ってきたら、ドカンだからね」

そう言って微笑みながら姫川は部屋を2等分するベッドの周りに見慣れない金属物を置いた。

いや、見慣れたくもない代物を設置していた。

「な、なぁ。ちょっと聞いていいか?」

 俺は湾曲を描いた金属をじっと見つめながら次の言葉を探す。

「それって、まさか地雷だったりしないよな?」

「正解。M18クレイモア地雷よ」

「いやいや、だから、なんでそんな対人地雷がここにあるんだよ!」

 M18クレイモアが開発されたのは、もう200年近く前になるのだが、今でも現役バリバリの殺傷能力を持った地雷だ。

 ちなみにクレイモアには、起爆と同時に鉄球を発射するタイプのものと、C4爆薬が起爆するタイプの2つがある。

 おそらく、あのクレイモアは700個もの鉄球がぎっしりと中に詰まっている前者だろう。

起爆と同時に扇状に鉄球が発射されるタチの悪い地雷だ。

その有効加害距離は50メートル。前方60度にのみ攻撃できるため、後ろの人は怪我1つしない。

鉄球が1発でも当たれば、強力な空気銃で撃たれたのと同じ威力に値するため、1発で大きなダメージを与えることができる。

 そんなものが700個も襲いかかってくると思うとゾッとする。それが目の間で爆発した日には、一瞬で蜂の巣になりかねないからな。

「そもそも、年頃の男女が想法の同意を得ずに、同棲という事実はあってはならないことよ。だから、これは保険なの」

 笑顔で姫川は後付けで取り付けられたモーションセンサー式信管のスイッチを入れた。

センサーの先からぼんやりと赤い光の線が前に向かって伸びている。あの線に動くものが触れたとたんクレイモアが起爆する仕掛けになっている。

「寝ぼけて踏んだら、俺死ぬんじゃないか?」

「うん。だから、気をつけて起きてね♪」

 今まで見てきた中で1番と言ってもいいほどの良い笑顔をこちらに向けてきた姫川を見て、俺はただただ唖然とすることしかできなかった。

 明日のうちに、俺のベッドを囲むカーテンを防弾性の高いカーテンつけかえないとな。これでは、おちおち安眠も出来そうにない。

 あと戸締りもちゃんとしておかないとな。間違って入ってきた人への被害を食い止めるのと、俺もついでに鉄球を喰らうのを防ぐためにな。

 今日1日の締りが、まさかこんな展開で終わるとは思ってもいなかった。早く安心して寝られるベッドが欲しいぜ。

不安を隠しきれなかったが、重いまぶたには抵抗できず、いつの間にか深い眠りへと落ちていった。

 翌朝、俺は眠たい目をこすりながら食堂へとやってきていた。

 6時間眠ったとはいえ、目覚めはよくない。地雷の近くで眠っていたのだから当たり前と言えば当たり前なのだが。

「おはよう、坂上君。なんだか元気ないね」

 朝から無駄に爽やかな鹿嵐が朝食の載せたトレーを持ってやってきた。もうなんだか、歯がキラって輝いていてもおかしくないぐらいの爽やかさだ。

「まぁ、色々あってな」

「単なる寝不足だろ?」

 前の席に座りながら、ちょうどやってきた大海がそう言った。

「そんなこと言ってお前も眠そうな顔してるぞ」

「ああ、徹夜でプラモ作っていてな。おかげさまで寝不足だぜ」

 人が地雷でビクビクしてる夜に、なんて平和な寝不足の理由だ。こっちの身にもなってくれ。

「どうせ、宇宙船のプラモだろ?」

「どうせじゃねえよ。そんなこと言うなら、アーレイバーク級ミサイル駆逐艦の艦橋作ってみろ」

「パーツ点数がすでに100を超える駆逐艦の艦橋なんて作ってたら夜が明けるに決まってるだろうが。早く寝ろよ。人間の三大欲求なんだから大事にしろ」

「ああ、プラモ制作欲、宇宙船観賞欲、食欲か?」

駄目だコイツ。すでに人間やめちまってるよ。でも、食欲があるだけ進化した方か? 昔は食欲の代わりに戦艦妄想欲なんてものがあったぐらいだ。

もう、コレは変態の域だな。

「うるせい。どうせお前は、性欲、性欲、性欲なんだろう?」

「人を歩くわいせつ物みたいな感じにするな。俺は、極々普通だ!」

「ああ、それで思い出したんだけど、坂上君、艦長と同室なんだって?」

ブッ!

あ、あぶねえ。今、飲み物でも口に含んでいたら完全に大海を射程圏内に捉えてたぜ。というか、鹿嵐。お前はさっきの会話から何故それを思い出した?

完全に俺を変態扱いしてないか?

「ど、どこからその情報が……」

 まぁ、広いといえど船の中だからその情報が漏れてもおかしくはないが……。

「うん、東雲先生がそう言っていたから」

 犯人はあの人かッ!!

東雲先生の口は恐ろしいほど軽いな。いつしかバレる情報ではあるが、たった1日でここまで広がっているとは思ってなかったぞ。

「なるほど、だから睡眠不足なんだな? これだから変態は……」

 妙にニヤニヤしているそこの大海! お前の想像しているような事は一切なかったからな。あと、お前の方がド変態だよ

「悪いが、お前たちの想像とはかけ離れてるぞ。あったのはクレイモア地雷ぐらいだ」

 正確に言うと、洗面台のコップの横に置かれていたスタンガンは見てないことにしている。

 寝ぼけていたら、電気シェーバーだと思ってスイッチ入れちまうぞ。ヒゲをそるつもりが感電するなんていう体を張ったギャグはしたくないものだ。

「艦長は艦内でもトップを争う美少女ですからね。競争率高いですから、坂上君も気を付けないといけませんよ?」

「うんうん、気を付けないと逆恨みで我が医務室にカムバックさ~」

「いや、カムバックしません――ッて! 東雲先生、いつの間に現れたんですか!?」

「さっき通りかかったもんだから、ちょいとお邪魔しにきただけさ~」

 この人は超人か? さっきまで横の席は空席だったよな。

なんで、俺の周りの人はこうも心臓に悪い現れ方をする人が多いんだ? 姫川しかり姉さんしかり、俺の寿命はかなり削られてる気がするぞ。

「ねえねえ。みんな楽しそうに何話してるの?」

 そして、ちょうどその時現れたのが、今まさにホットな噂の中心人物、姫川かぐや艦長。おお、なんという恐ろしいまでの晴れ晴れとした笑顔。もう、恐怖以外何も感じないぞ。

そして、この威圧感を感じ取った他の3人はというと。

「俺は機関室の整備があるからお先に」

「僕は銀河の航路確認と航海予定を練るから先行ってるね」

「え、えっと、先生は患者さんの心の叫びが聞こえた気がするから、急いで医務室に戻るさね!」

 この見事までに連携の取れた逃走である。

お前ら、俺という尊い犠牲の上で生きていくつもりだなら、もう少し申し訳なさそうに去れよ! 東雲先生も、その心の叫びが聞き取れる耳をお持ちなら、是非とも俺の心の叫びも汲み取っていただきたいんですが。

 そのまま、3人とも俺を置いて食堂から何気もないように逃走していった。

 もちろん、俺は脅威を目の前にしても逃走などしない。というか、逃走したところで同室だから逃げようがない。

「全く、ちやほやされても困るし、べ、別に昨日の夜は、間違いだなんて起こってないわ」

「あ、ああ。そうだな……」

 寝室にクレイモアを仕掛けていることに関しては、間違いではないだろうかとも思ったが、俺の心の奥底で留めておくことにしよう。

 朝っぱら痛いのをお見舞いされたくないしな。

「で、刀夜。今日は予定ある?」

 予定ねえ……。

昨日のうちに書類には目を通したし、仕事は一通り終わらせているため、火星に着くまでは俺の仕事は無いはずだ。

駄目だ、俺の逃げ場はもう無いじゃないか……。

「戦闘配備にならない限り、火星に着くまでは特に何もない、かな?」

「かなって何よ」

「いや、ひょっとしたら何かあった気がする、かも……」

 必死に脳内検索するも該当する仕事は一切ない。ああ、姉さんに頼んで廊下のモップがけでもいいから仕事を引き受けとくべきだった。

「歯切れの悪いわね。まぁいいわ。ちょうどいい機会だし、アンタの乗る試験機でも見に行きましょ」



 姫川に連れられてやってきたのは、ちょうど銀河の中央部に位置する第2格納庫。この格納庫の上には、艦載機を発艦させるカタパルトがある。 あまり、大きな格納庫ではないため、ここに置かれているのは、試験機や改造機などの特殊な機体だけだ。

 格納庫に入って直ぐに俺の目には入ったのはダークブルーに塗装された単発エンジンの哨戒機。

「これはアズ姉の月光……」

 正式名称、月光一一型。もう20年も前に生産が終わった古い機体だが、その高い性能からつい最近まで現役だった哨戒機だ。

 後方には、今ではおなじみの粒子エンジンが搭載されている。粒子エンジンは、アタランタ粒子という特殊な粒子を糧に動くエンジンの総称だ。

アタランタ粒子は、近年になって発見された特殊な粒子で、今まで机上の世界でダークエネルギーやダークマターと呼ばれて、存在しているだろうとされていた未知のエネルギーだった。

アタランタ粒子の発見で、化石燃料等を使用せずに宇宙空間を移動することができるようになり、粒子エンジンは大航海時代の幕開けに大きく貢献した。

さらに、この粒子は宇宙空間にほぼ無限ともいえるほど存在するため、粒子エンジンは半永久的に稼働し続けることができる。

少し不便なところがあるとすれば、地球のようなある程度の質量を持ち、大気が存在する天体の地表近くでは、アタランタ粒子の濃度が薄いために宇宙船が重力圏を出るの費用分のエネルギーの充填が必要だということぐらい。

それ以外を除けば、アタランタ粒子は、この広い宇宙空間のどこにもある非常に使い勝手の良いエネルギーなのだ。

「梓先輩の機体は通常の月光じゃないからね。ここで整備しているのよ」

 そう、アズ姉の乗る月光は量産型の無改造機ではないのだ。

通常は搭載されていない25mmレーザー機銃を機首部分に収められ、対艦、対空ミサイルも搭載可能に改造された翼。

そして、何よりも目立つエンジンから伸びた余剰粒子を放出するための排粒管。

 この月光はアズ姉のために改造された専用機なのだ。

「さて、刀夜もマシンはこっちよ」

 姫川に案内されるがままに、月光改の横を通り過ぎ、俺が連れて行かれたのは、倉庫の一角。

 そこには、俺が今まで見たこともない航空機が静かに鎮座していた。

「こ、こいつが俺の乗る機体……」

 燃えるように紅いボディ。前から後ろに向かって流れるようななめらかな曲線を描くボディライン。機首部分には大口径の機銃口が4つ。

「そう。アリアスが開発したプロトタイプ。SB‐28T。多目的航空機、緋龍よ」

「緋龍……」

「この1機で哨戒任務から爆撃、空中戦闘(ドッグファイト)までこなせる仕様になっているわ」

「すげえな」

 アリアスが開発した多目的航空機か。派手な色をしているが、これはこれで専用機って感じで悪くないな。

「緋龍の最大技術力は吸排粒システムにあるわ」

「吸排粒システム?」

「そう、従来までは、吸入した粒子の内、エンジン出力に使われるのは約60パーセント。それは、どんな条件でも、ある一定の粒子をエンジンに送り込む為に、吸入口の大きさを大きくしなくてはならなかったからなのよ」

 たしかに、粒子の濃度は時々刻々と変化しているからな。吸入口が小さければ、エンジンがストールする可能性もある。

だから、吸粒口を大きくして、排粒管で余った粒子をエンジン外へ放出しているのだ。

 これは、最近の航空学校で習うごくごく普通の当たり前のこと。

「そこで、アリアスが考案したのが、粒子濃度に合わせて吸入口の面積を変化させるシステムを導入したのよ。これによって、約90パーセントの粒子をエンジンの出力に回せるようになったの」

「なるほど、余剰粒子が少なくればなるほど、粒子の無駄な衝突がなくなり、エンジンの出力が増すからな」

「そういうこと、同じエンジンの大きさでより高出力のエンジンできるということよ」

 小型化すれば機体の小型化にもなるし重量随分抑えられる。つまり、高出力、高機動の航空機が出来上がるわけだ。

「ただ、この緋龍にはパイロットの嫌う要素が含まれているわ」

「何だよ、それ?」

「この機体がフルマニュアルだということよ」

 フルマニュアル。この言葉を聞くと大抵のパイロットたちが嫌な顔をする。なぜならば、現代の航空機はセミマニュアル方式をとっているからだ。

 フルマニュアルとセミマニュアルの違いは、コンピュータによるアシストが有るか無いか。

 アシストシステムがあるセミマニュアルは、コンピュータが機体の姿勢制御から速度制御までやってくれるため、パイロットはその分操縦に集中できる。

 しかし、アシストシステムのないフルマニュアルは、リアルに伝ってくる機体の制御の難しさ、セミマニュアルに比べ操作が忙しく多くのパイロットに嫌われる。

 量産型は、それまでの試験飛行などのデータから、アシストシステムを作っている。故に、まだ出来て間もない試験機にアシストシステムがついていないのはあたり前だろう。

「なんだ。それなら大丈夫。むしろ大歓迎だ」

「アンタ、フルマニュアルを好むタイプなの?」

 姫川はまるで信じられないといった感じに俺を見る。別に、俺は今この場で強がりを言っているわけじゃないんだぞ。

本当にフルマニュアルの操縦が好きなだけなのだ。

「ウチのマスターはドMですからね。お気になさらず」

 サラッと、ユリアがフォローになっていないフォローを入れるが、気にしないでおこう。今、この緋龍を前に寛大な心になっている俺は怒らないからな。

「意外とオジサンくさいのね」

「はい、精神年齢50歳のエロオヤジなので」

 前言撤回。なぜにここまで罵倒されなければならない。あと、俺の精神年齢はそれほど年をとってない! 

確かに、フルマニュアル時代の戦闘機に載っていた世代は4、50歳以上の人たちで、よく航空学校の同級生に、お前はオッサンかともツッコまれもしたけども、別にそれと、エロオヤジは関係ないだろ!

「とにかくッ! 緋龍、気に入ったよ」

「それは良かったわ。火星に着けば、緋龍のテスト飛行するからその時アンタの実力をよく見させていただくとするわ」

 姫川は俺を挑戦するかのように笑顔を浮かべた。

 不思議と悪い気はせず、素の彼女が浮かべた笑顔を見れた気がする。

 へぇ、いい顔するじゃねえか。

「望むところだ。緋龍の凄さを見せつけてやるよ」

「フフッ、それは楽しみね」

『艦長、火星が見えました。一旦艦橋までお越しいただけますか?』

 ちょうど、第1艦橋からイーシスの通信が入った。

「分かった。今行くわ。入港準備よろしく」

『了解です』

「さ、艦橋に帰るわよ!」

「おう」

 俺と姫川は第1艦橋へ向かって帰ったのだった。


ひとまず、現在書いたところまで上げておきました。


次回、第4話にて、本作のもうひとりのヒロインが明らかに! 

みなさん乞うご期待です!!


まだ、4話は執筆中なので投稿はかなり遅くなるかもですがよろしくお願いします



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