表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/57

エピローグ 『始まりの物語』

「着水準備!」


 姫川の号令で、銀河は火星の海へと着水体制を取る。そのあとに続いて、激しい戦いの傷を船体に刻み込んだ長門も着水体制へと入った。


「船体角度、プラス5度。着水しますッ!」


穏やかな火星の海に銀河の船体が波を立てて、着水した。


「船体内部への浸水は?」


「第二甲板に浸水区画がありましたが、現在閉鎖したので異常ありません」


「よし、ここで一日停泊するわよ。その後、火星ドックで修理した後、地球に帰還する。総員ご苦労様。解散」


 姫川の声でそれぞれ席を立ち、艦橋を出ていこうとする。


「艦長と刀夜はちょっと残ってくれる?」


 ちょうど立ち上がった俺達を姉さんが呼び止めた。


「さて、何事もなく火星まで戻ってきた訳だけど、覚悟は出来ているかしら?」


 長官席に座っていた姉さんが突如そう切り出した。


「艦長の辞職書は仕事放棄ととってもいいわ。さらに、刀夜の無許可発進は仕事放棄&規律違反。もうはっきり言って元の職に戻れるか怪しいくらいの契約違反になるわ」


 そう言い放った姉さんの表情はいつにまして厳しい。


 うすうす、だが分かっていたことだ。あの状況での俺の判断は正しかったのかは今になっても分からない。


 ただ、規律を乱すことによって、時として人の命さえも奪うことがある。それほど、規律違反は大きなマイナス点となるのだ。


 姫川なら、艦長職から一度降りて、また上を目指す生活だろう。俺の場合は、初仕事でこのペナルティなら辞職だろうな。


 まぁ、仕事さえ選ばなければこの世に職は五万とある。夢には遠のくが、また学校に通う生活に後戻りだ。


「バツを受ける気はある」


「わ、私も……あります」


 姫川自身、少し戸惑ってはいるが、素直に現実を受け止めるつもりらしい。


「そうね。じゃ、本社の決議の結果を貴方たちに告げるわ。 坂上刀夜はアリアス航空課を、姫川かぐやは宇宙雨戦艦銀河の艦長の職を取り消すこととする!」


 無情にも、その宣告は言い放たれた。


 分かっていたことなのに、職を失った瞬間というのは何とも言えない悔しさがある。


「ちょ、長官! あんまりですよ!」


 操縦席に座っていた鹿嵐が皆に代わって抗議するも、姉さんがそれを手で制する。


「まだ、報告が終わってないわ。鹿嵐君」


「は、はい?」


「アリアスは皇国海軍と連携して木星警備艦隊を派遣することに決まりました。そこに刀夜と姫川さんは行ってもらいます」


「「は、はあ……」」


 警備艦隊か。確かに今回の事件以来、あの宙域の警備活動は重要だな。ということは、仕事を辞めらされるといっても、実質左遷ということか?


「そして、それにあたって、姫川かぐやを木星警備艦、宇宙戦艦金剛の艦長に任命。同じく、坂上刀夜は、同艦の副長に任命する。以上ッ!」


「「はぁッ!?」」


 ちょっと待ってくれ、聞いてないぞそんなの!


「ど、どういうことですか?」


 姫川もかなり驚いているようだ。俺自身もいま姉さんが言ったことにに対して、思考が追いついていない。


「コレは、陛下の意向よ。今回の戦いで下手すれば皇国は長門を失うところだった。しかも、あと少しで皇国と共和国の全面戦争になるところだったわ」


「そ、それじゃ」


「貴方たちは、まだまだ、アリアスの一員として働いてもらうってことよ。木星の勤務は大変かもしれないけど、頑張りなさい」


姉さんはそう言って微笑んだ。


「刀夜。また、あんたとはコンビを組まないといけないみたいね」


「あ、ああ。よろしく。艦長さん」


「ええ。よろしくね。副長さん」


 互いに手を握り、俺と姫川は固く手を握り合ったのだった。






~エピローグ~


「第5砲塔に被弾ッ! 艦長ッ!」


「うろたえないッ! たかが巡洋艦のレーザーが当たっただけよ! 第5砲塔にダメージは?」


 うろたえ始めた第1艦橋に響き渡ったのは姫川の一喝だった。その言葉だけで、クルー全員が我に返る。


「損害は軽微。新型の装甲のおかげでカスリ傷程度だ」


「相手はレーザー出力を絞って長距離にしてきたわけね。刀夜はどう思う?」


「そうだな。囲まれているが、金剛なら押し切ることは可能だろう。伊達に高速戦艦を名乗っているだけはあるからな」


 以前の姫川のように余裕のなさは、完全に消え去っていた。どういったピンチでも、不敵な笑みを浮かべられるほどの余裕さを持っていた。


 たとえ余裕でなくても、彼女の顔さえ見れば、クルーたちは戦線で負ける気はしないだろう。


「よし、第1、第2主砲で右側にどでかい穴を開けてやりますか。エネルギー充填開始。反撃の狼煙を上げるわよッ!」


「了解! 機関全速! 最大船速で戦場を引っ掻き回すぞ!」


 パートナである限り、俺は姫川についていこうと思う。例え、それがどんなに厳しい戦いになろうとも……。



どうも、アリソラ、完結となりました。


ということですが、真のアリソラはまだ完結していません。


現在進行形でアリソラ大改稿版を書いております。


プロットの甘さが招いた現行アリソラから学び、しっかりとしたプロットの元、現在執筆中です。


さて、その改稿版のアリソラを少しだけみなさんにお教えしたいと思います。



序盤は現行アリソラとほぼ変わりはありません。

しかし、後半は新しいキャラが出てきたり、真実に基づいたストーリー変化があります。


更に、姫川オンリーヒロインできた現行ですが、改稿版はハーレム、ではなく、ダブルヒロインで行こうと思っています。


皆様には、ダブルヒロインの間で揺れ動く刀夜君をニヤニヤ楽しめたらと思っています。




最後になりましたが、改稿版の投稿は、このまま、現行アリソラに続きのような形で上げていこうかなと考えていようと思います。


そのため、完結までのあいだに改稿などの思わぬことがあるかもしれませんが、その時はよろしくお願いします。


では、改稿版アリソラでまたお会いしましょう!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ