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第6話「グラベンテ戦」

ケン達の目の前に現れたのは、生き残った同胞ではなく魔将衆と呼ばれる者達の一人、アイスバーグの配下グルベンテであった。

グレベンテは、魔具(ラルム)と呼ばれる特殊武器を使い、短剣を振りかざしグレベンテへ走るクマノスケを退ける。


「炎の蛇、、、これもアイツの技か何かか?短剣じゃあリーチが短すぎる。近づくことさえ難しい、、、どうする、、」


「どうしたんですか?人間?私の武器を見て恐れおののきましたか?ハッハッハッハッ」

グレベンテは、腹を抱えて笑う。


「やはり、私とあなたでは戦いを挑む土台にも立てない!もう、この辺りで閉めましょうか!」

グレベンテは、魔具(ラルム)ガラドボルグを自身が召喚した炎の蛇に向ける。

「炎の精霊アグニよ!我が魔具(ラルム)ガラドボルグより命ずる!我に歯向かうその者に、制裁を与えよ!」


深淵の豪炎球(ジオ・アグニヨル)


クマノスケの目の前に召喚された精霊は、大きく口を開ける。周りの空気は重く、熱く、息苦しくなる。

精霊の口に炎に包まれた球体がみるみるうちに大きくなる。そして、精霊はクマノスケに受けてその炎の玉を撃ち込む。


「うわぁ!!!」

クマノスケは、なす術も無い。人間がどうもこうもする事が出来ない現実。ゴブリンから奪い取ったリーチの短い短剣では、撃ち放たれた炎の玉は、愚かグレベンテすらも傷つけやしない。

「生き残る!」が、口癖のクマノスケも諦めていた。

これが、死に直面した時の感情なのか。過去の記憶が走馬灯のように脳裏に焼き付く。


「死か、、、あぁ、、俺にも遂にこの時が来たか、、、」


「クマさんッ!!」

ケン達は、クマノスケへ向かって叫ぶ。叫んだ所でどうすることも出来ない。


「そのまま、アグニによって焼かれろ!人間!!」



その瞬間であった。一筋の閃光がグレベンテとクマノスケの前に落ちる。


「な、何ッ!?」

グレベンテは、腕で顔を隠し、細目で閃光に目を向ける。

全身が純白の鎧。まさにそれは神々しい物。グレベンテとは、対照的だ。金色の長い髪。閃光の正体は、純白の鎧を着た女だ。


「魔将衆の配下グレベンテだな?貴様達は、罪もない者達を蹂躙する悪事を働いている!魔帝アシュットガルド様の命に従い、断罪する!」


「次から次へとなんなんだよ!お前ら一体何者なんだよ!」

クマノスケは、混乱する。


「人間よ!我ら魔族が貴方達の世界を壊している。すまない。ここは、私が引き受ける。貴方達は早く遠くへ逃げなさい!」


純白の鎧を着た女はクマノスケ達へそう伝える。

魔帝アシュットガルド?魔族?聞きなれない言葉の連続。だがしかし、目の前にいるこの女は我々の味方である事実だけは分かった。


「魔帝の使者か!何故ここが分かったのだ!糞ッ!邪魔はさせんぞ!」

グレベンテは、純白の鎧を着た女へガラドボルグを向ける。


「それは此方のセリフだ!グレベンテ!」

グレベンテを睨み付ける。

「人間よ!道中は、コイツらの手下で溢れているであろう。せめてもの償いとしてこれを受け取ってほしい!私が救った命、しっかりと繋ぐのだ!」

純白の鎧を着た女の掌から神々しいオーラが溢れている。そのオーラはケン達一人、一人を包み込む。

恐怖心が和らいでいく。何処か懐かしいこの暖かさは、、、


魔具(ラルム)インスクティア!!!」


純白の鎧を着た女の前に巨大な大剣が顕現する。

その大剣を両手で掴み、女は地面がめり込む程に下半身に力を溜め、高く飛び上がる。高く飛び上がった女は大剣を振りかざしグレベンテへ一撃を加える。

グラベンテは、咄嗟に後ろへ下がる。そして、グラベンテが召喚していた精霊に指示を与える。


「アグニよ!この女を焼き殺せ!」


精霊は、女に向けて炎の咆哮を撃ち放つ。


「やはり、精霊使いか、、、そんなもので私は倒せない!」

女は大剣を地面に突き刺す。すると、地響きと共に地面が隆起する。隆起した地面は生き物の如く、グラベンテが召喚した精霊に向かう。そして、精霊を包み込む。


「爆ぜろ!!」


女は開いた掌を握りしめる。

それと同時に包み込まれた精霊は、岩と共に爆散した。


「クマさん、アイツらが同士討ちしてる今がチャンスっすよ!!早く!何、ボケーッとしてるんですか!」

シンジは、クマノスケの元へ走り、腕を思いっきり引き後退させる。


「おい!シンジ!触るな!」

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」

「ケン!!ユリさんの意識はまだ戻ってないか?」

「シンジさんまだみたいです!」

「ケン!ユリさんをおぶっていけるか?」

「分かりました!」

「ジュリ!俺と一緒に後方を見よう!」

「クマさんは、先頭お願いします!」

シンジは、この状況を無駄にしないよう最適なオペレーションを提案する。そして、一同は突如現れた救世主によって死を免れた。


「早く!ここを去るぞ!」


一方、精霊を爆散させられたグラベンテは、女に対し計り知れない深い深い怒りを覚えた。そして、遂に本気を出す。


「精霊は、精霊ですよ、、、私を本気にさせてくれてありがとう!魔帝の使者よ!お前の首を、主の元に献上しよう!ガラドボルグ!!我に力を!」

グラベンテは、ガラドボルグに叫ぶ。ガラドボルグは、禍々しいオーラを解き放つ。


「リミッター解除か、、、、哀れだな。」

女は呟く。


禍々しいオーラは、グラベンテを包み込む。オーラに包み込まれたグラベンテからは苦しむ声が聞こえる。


「これだ!これだ!これだ!これだ!この力がこの力が!私を進化させる!」

禍々しいオーラは、消えていく。

オーラを中からは、先程の若い男の姿であったグラベンテはおらず、醜い厚い発達した筋肉の鎧を纏ったゴブリンがいた。


「リミッターを解除した者の末路。もう、お前は元に戻れない。力に溺れたものは死あるのみ!」

女は、大剣を肩に抱えながら話す。


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