新年会
ー1月10日ー
たっぷり休んだ私は約二週間ぶりに出社した。
久しぶりの職場は、新年の挨拶が飛び交っている。
ーPM12:00ー
「お疲れ」
「あ、佐々木さん!お疲れさまです…!改めまして……今年もよろしくお願いします!」
「宜しく。……あ、今日さ仕事終わったら予定ある?」
「特にないですけど…?」
「じゃいつもの居酒屋で少し話さないか?」
「もちろんです…!」
仕事終わり、いつもの居酒屋でカウンターに座る。
「佐々木さん年末年始どうでした?」
「実家で色々手伝わされたよ…力仕事とか」
「そうなんですね…お疲れさまです…!」
「青木は?」
「私は………」
北海道に優花に会いに行ったこと、実家のこと佐々木さんに色々話をした。
「楽しんだみたいで良かった」
「はい、めっちゃ充実してました!」
「俺はこっちの方が充実してるな」
「あぁ…私が居るからですか?」
冗談でそんなことを言う。
「まぁ、青木見てる方が楽しいかもな」
「え!?佐々木さん何か変なもの食べました!?どうしちゃったんですか!?」
「いや、青木は感情豊かで見てて飽きないだろ」
「ん?褒められてる?」
「褒めてる褒めてる」
そう言って笑う。
「あ…そういえば話って何ですか?」
「あぁ…今度うちの部署で新年会するんだけど、青木もどうかなって」
「え…皆さん私が行っても大丈夫なんですかね……?」
「当たり前だろ、同じフロアに居るんだから」
「うーん…」
「別に強制はしないけど、他のみんなも青木と飲みたがってたぞ」
「え…ほんとですか!?じゃあ………あ…でも……」
「白石達なら来ないぞ」
「えっ…どうして…」
「……来れないって」
「じゃあ…行きます…!」
「よし、決まりだな」
皆さんが私と飲みたいと思っててくれたなんて…嬉しすぎる。
ー新年会当日ー
緊張しすぎて一番最初に居酒屋に着いた私はソワソワしながら席に座る。
「お疲れ様でーす!」
「あ、田中さん…!お疲れ様です!」
「え、私の名前覚えててくれてるんだ!嬉しい…!」
「もちろんです…!」
その後続々と会社の人達が席に座る。
「まじ俺の名前知らないと思ってた…!」
「知ってますよ…!皆さんの名前把握してます…!」
「なんかそれだけで嬉しいわ…!」
「わかる…!てかさっき二人で話してたんだけどさ、青木さん結構おもしろいんだけど!」
「私人見知りで……なかなか皆さんの輪の中に入れなくて…なので今日呼んで頂けて嬉しいです…!」
「なら佐々木さんに感謝だね…!この新年会提案したの佐々木さんだから」
「え…そうなんですか!?」
「白石さん達は誘わないって聞いた時は佐々木さん意外とシビアだなって思ったけど」
そう言うとみんなが笑う。
「まぁあの人達が居るとお酒まずくなるしねー」
「ほんと、誰かの文句しか言ってないもんね」
え…白石さん達は来れないんじゃ………
「青木さんも今日の新年会のこと、会社で話したらダメだよ!」
「は、はい……」
「お疲れ様です。すみません、遅くなりました」
「お!主役の登場!お疲れ様でーす!」
「いや主役じゃないし…」
そう言いながら佐々木さんが席に座る。
全員が揃って新年会もより一層盛り上がる。
とても楽しくて時間はあっという間に過ぎていった。
今まで関わってこなかったことを後悔したし、この場を設けてくれた佐々木さんに心から感謝した。
ー月曜日ー
「佐々木さん、この間はありがとうございました…!」
「楽しめたか?」
「はい…!皆さん優しい方ばかりで参加できてよかったです…!」
「………それなら良かった」
「でも…佐々木さんが白石さん達誘わなかったって聞いて驚きました……」
「……誰が言ったんだ……」
「どうして私には…来れないって言ったんですか…?」
「………何となく」
「そう…ですか……」
「また、皆で呑みに行けたら良いな」
「はい…!」