親友との再会
ー12月28日ー
私は北海道に来ていた。
「紗和ー!!」
優花が遠くで大きく手を振っているのが見える。
私も手を振り返す。
「優花、めっちゃ久しぶりだね!空港まで迎えにきてくれてありがとう…!」
「ほんと久しぶり!って言ってもしょっちゅう電話してるけどね」
「確かに!」
そう言って二人で笑い合う。
「とりあえず、ホテル行こ!話はそれから!聞きたいことたくさんあるし」
「旦那さんは大丈夫?」
「全然平気!今実家に帰る準備しててさ、紗和と会うって言ったら楽しんでこいって」
「そっか!旦那さん優しいもんね」
「まぁね…私に怒られてばっかりだけど」
私は今日仕事納めをして、そのまま北海道に来ていた。
久しぶりに優花と長い間一緒に居られることに気持ちが高ぶっていた。
「おつかれー!」」
ホテルの部屋に着いた私達は買い込んできたお酒とともに早速乾杯する。
「………で、おじさんの友達は!?」
「友達…ではないけど佐々木さんが……何?」
「あんた……三日間もおじさんの家に泊まってたんでしょ!?」
「優花、おじさんって言うのやめてよ…佐々木さんね…?大丈夫、佐々木さんはそういう人じゃないから」
「大丈夫って…それは結果論でしょ。男なんて何考えてるかわかんないんだから」
そう言うと優花が急に抱きつく。
「あんたさ、もっと自分のこと大事にしなよ…」
「え…?」
「紗和はなんか隙がありすぎるっていうかさ…もっと自分が可愛いってこと自覚しな?」
「そんなこと…でもありがとう…気を付けるね」
「あー私がいつでもあんたの近くに居てあげられたら…」
「親じゃないんだから…!」
そう言って笑う。
金本優花
私の唯一の友達で親友だ。
優花は世界にも名の知れた有名なデザイナーで各国を行き来している。
「よしっ!今日は朝まで語り明かすよ!で、明日は北海道を観光案内してあげる!」
「うん!楽しみ〜!」
「じゃあまずは恋の話から…!あいつと別れてもう4年…だっけ?」
「うん…でもしばらく恋愛はいいかな…」
「今の会社に良い人いないの?」
「いない……というか私孤立してるし…」
私がそう言うと優花が軽いため息をつく。
「なんでみんな紗和の魅力に気付かないわけ!?」
「私がもっと輪の中に入れたらいいんだけどね…」
そんなこんなでお互いの近況を、本当に朝まで語り明かした。
ーAM10:00ー
「おっはよー紗和!」
「おはよ…!テンション高いね…!」
「そりゃそうでしょ!紗和とこんなに長く居られるなんていつぶり!?」
ウキウキしている優花を見て、私まで嬉しくなる。
「じゃあ最初はモーニング!食べに行こ!」
「うん!」
私達は北海道で有名な海鮮丼のお店に来た。
「私のおすすめはこれ!」
優花がメニュー表を指さして言う。
「じゃあこれにする!」
「おっけー!すみませーん!」
優花おすすめの海鮮丼を頼む。
「え、何これ…!なんか…キラキラしてる!」
「これ、めっちゃおいしいから!」
「「いただきまーす!」」
「うわ…うんま……!」
「でしょでしょ!?これ紗和に食べて欲しかったの」
「これは絶対食べるべきだね」
「……紗和、美味しそうに食べるね」
そう言って優花が笑う。
「だって…おいしいもん!」
ほんとに、頬っぺたが落ちるとはこのことかと思うくらいめちゃくちゃおいしい。
「………良かった。紗和のそういう顔見られるとこっちまで嬉しくなる」
「ど、どうしたの?急に……」
「……うぅん!これ食べ終わったら、人気の観光スポットに連れてってあげる!」
朝食を食べ終えた私達は、優花の案内で色々な場所に行った。
観光スポットはもちろん、優花と居る時間が楽しかった。
ー12月30日ー
優花と過ごす最終日の夜。
「……なんか…あっという間だったね」
「ほんとだよ〜紗和〜帰らないで〜」
「私も帰りたくない〜!」
私達は空港で抱き合う。
「紗和もうここ住みなよ〜」
「優花それずっと言ってるよね」
「だって〜離れたくないもん〜」
「優花私のこと大好きだもんね」
「うん、大好き」
優花のそういう所が素直で可愛い。
「私も大好きっ!優花、色々とありがとう…!」
「こっちこそありがとう…!着いたら電話してよ?」
お互いに手を振り、私は搭乗口へと向かう。
私は飛行機に乗り、そのまま実家がある秋田へと向かった。