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あなたが愛しすぎて  作者: m.
31/34

直人さんの感情

一年後。










「おかえり間宮くん!!!」









間宮くんが一時帰国し、居酒屋で飲み会が開かれた。









「一週間後にはまた帰りますけどね」










間宮くんがそう言って笑う。











「海外生活はどう?」








「まぁ慣れない事もありますけど…色んな出会いがあって、行って良かったと思ってます」










「そっか…!でも元気そうでほんとよかった…!」










「皆さんもお元気そうで良かったです」










「僕もすっごく隼斗さんに会いたかった…!」











そう言うと猫田くんが間宮くんに抱きつく。











すると間宮くんが猫田くんの頭をポンポンとなでる。










「俺も会いたかった」










「隼斗さーん…!」










猫田くんが泣き出す。










なんか…二人共すごく仲良くなってる……










すると猫田くんが顔を上げ間宮くんを見つめながら目を瞑る。










「え…今?無理だって…みんな居るし」










「だって…ずっと待ってたんだよ…?」








「……後でな」







「えーっ!!隼斗さーん……!」








猫田くんがわかりやすくうなだれる。










「二人付き合ってるのか…?」









直人さんのその言葉に、私も答えが気になって二人を交互に見る。









「…裕介言ってなかったの?」








「うぅん、話してない」









猫田くんがそう言うと、間宮くんは私達の顔を見る。








「…………俺達付き合ってます」









「えぇっ!?いつの間に…」










「半年前…くらいですかね」









「そんな前から…でもよかった…!二人幸せそうだもん…!」









「めっちゃ幸せでーす!ね?隼斗さん」









「うん、まぁ…」










珍しく間宮くんが照れている。









「…紗和さん達も相変わらず仲良さそうで安心しました」









「うん…ありがとう…!」









「改めて言われると…照れるな」









それから間宮くんの話を中心に、飲み会は盛り上がる。







「それじゃ、間宮くんも猫田くんも気を付けて帰ってね…!」







「はい、お二人も。……あ、紗和さん」









「ん?」








「ちょっと話あるんですけど…また紗和さんに連絡しても大丈夫ですか?」









「うん、もちろん…!」








「紗和さん番号そのままですか?」









「うん変わってないよ!」








「じゃ、また連絡しますね」









「浮気しないでよ〜?」









「するかっ」









そして二日後。









「なんかこうして二人で会うの久しぶりすぎて緊張する…」









「え、紗和さんでも緊張とかするんですか?」









「するよ…!私のことなんだと思ってるの…」










そう言って二人で笑い合う。










「それで話って…?」








「………………………」








「間宮くん?」








「…………あの時の事…謝りたくて」









「あの時?」








「俺が海外に行く前、俺が…凛との事があって…酔って…紗和さんに介抱してもらった時の事です」









「………あぁ…あの時……」










一年と少し前。










私の為に凛と無理やり付き合っていた間宮くんは、とても辛そうだった。










「あいつと何回もキスさせられて…気持ち悪くて…吐きそう……」









「………………………」











「お情けでもいい……」









「……………」









「キスじゃなくても良いから……紗和さんに……抱きしめて……欲しい」










その言葉に帰ろうとしていた私は無言で頷いた。










振り返ると間宮くんの辛そうで、悲しそうな表情に

心が痛くなった。










そして私達は寝室に移動した。








お互いベッドに腰掛ける。









「………本当に…良いんですか……」









「うん……」







私はベッドに横になる。







間宮くんも横になり、私をそっと抱きしめる。








「やっぱり…紗和さんと居ると…安心します」








「……………………」








「……………………」








「間宮くん……」










「はい……」









「辛い思いさせて……本当にごめんなさい……」









私は間宮くんの顔を見あげる。










「紗和……さん…泣かないで下さい……俺が勝手にした事ですから……」









間宮くんが私の涙を拭う。










「間宮くんは私の為に色々してくれるのに……何もお返し…できない……」









「そんな事無いです……今こうして…俺の傍に居てくれてるじゃないですか……」










「どうして……そこまでして私のこと……」










「紗和さんが……好きだから…大切…だから」









「………………………」










その言葉に私はまた心が痛くなる。











すると間宮くんが私の髪に触れる。










「俺…今すげードキドキしてます……」









「…………………」










「紗和…さんは……どう…ですか……」










「………………」









「……………………」










「…ごめん…なさい……」








「………………………」







「………………………」








「………そう…ですよね」









すると間宮くんが私から離れる。









「すみません…こんな事お願いして……」









「もういいの…?」









「…………はい…佐々木さん心配してますよ。早く帰ってあげて下さい」









「本当に…大丈夫…?」










「………これ以上は…俺……我慢出来そうにない……」









間宮くんが私に聞こえないくらいの小さい声で呟く。









「え…?」








「いや…本当に…大丈夫です。ありがとうございました」
















「……あの時、俺めちゃくちゃ弱ってて…あんな事言っちゃって…まじで後悔しました」









「それは…私が悪かったから……」










「紗和さんは全く悪くないです」









「………………………」










「……俺あの後なんか気まずくて……紗和さんに謝ろうと思ったのに中々言えなくて…そのまま海外行っちゃったからそれが心残りで…」









「……そう…だったんだ……でも間宮くんが謝る理由ないし気にしないで…」










「あの後…佐々木さんには…話したんですか…」










「…………直人さん…には…話せてない…」










「そう…ですよね……」









「私もあの時のこと…心にずっと引っかかってて……直人さんにちゃんと話しなきゃ…って思ってるんだけど…」









「…………止めといた方が良いんじゃないですか」









「……………………」









「話さない方が良い事もあります」









「でも直人さんには…隠しごとしたくない」









「……今更話してどうなるんですか」









「………私ね……直人さんとの将来のこと…考えてて……」










「それは……結婚…とかですか…?」










「うん……だから直人さんには隠しごとしたままにしたくない……」









「………本当に…良いんですか」







「……もしかしたら私のこと…嫌いになるかもしれない…それでも……直人さんには…正直でいたい」









すると間宮くんがふっと笑う。









「本当に佐々木さんの事、大好きなんですね」








「うん……心の底から…大好き」








「…………惚気かよ」








「あっ…ごめん……」








間宮くんが冗談ですよと笑う。








「でも、紗和さんが元気そうで本当に良かったです」








「間宮くんも…連絡できなかったし……」









「まさかほんとに連絡来ないとは思いませんでしたけど」








「……えっ!?間宮くんがダメって言ったんじゃん!」








「言いましたけど…」








「連絡してよかったの!?私ちゃんと守ってたのに…」








「……そういう紗和さんの純粋な所好きですけど」








「え…?」








すると間宮くんが笑い出す。








「そんな顔しないで下さい。好きって人としてって事ですから」








「ご、ごめん…」









「でも猫田から俺の話聞いてたでしょ?」








「うん、だから連絡しなくても安心していられたかも」








「俺も聞いてましたよ、紗和さんの話」








「えぇっ!?そうなの!?」








「はい、色々と」








「猫田くん一体どんな話を……」









「佐々木さんに怒られた話とか」








「え…!?」







「あの時あいつが何か元気無かったんで。問いただしたら話しました」







「そうなんだ…」







「まぁ…さすがに俺も何やってんだって怒りましたけど」







「……ん?あの時から付き合ってたの…?」








「…いや、あの時はまだ。でも猫田は付き合って欲しいって言ってたんですけど俺はまだ傷心中だったし無理って言ってて。それであいつ佐々木さんと紗和さんの仲良い姿見て、ついあんな意地悪したらしいんですけど」









「そうだったんだ……」









「俺も悪いんですけどね、猫田に思わせぶりな態度取ってしまって…」








「間宮くんが…?」








「あの、送別会の日…猫田送ったじゃないですか」








「あぁ…あの日…猫田くんが酔って寝ちゃって……」









後々嘘だったって言ってたけど…







「あの日、俺が猫田ん家まで送ったんですけど…あいつをベッドに寝かせて帰ろうとしたら急に抱き着かれて…」







「え…!?」







「酔ってるから仕方ないと思って、また寝かせようとしたら俺に大丈夫?って言ってきて…何の事だか分からなくて適当にあしらってたんですけど」








「……………」








「あいつ…俺の気持ち察してたみたいで…それで俺も酔ってたし色々話しちゃって…猫田も黙って聞いてくれてその後慰められる内に……」








と言いかけた所で間宮くんが私の顔を見る。








「……まぁ…それで…佐々木さんの事俺が怒ったからあいつすげー落ち込んじゃって…それで俺も心痛くなって…で、猫田が良いなら付き合ってみるかって言ったら即答でOKしてくれて…」








「そうだったんだ……」








「でも付き合ってる内に俺も猫田の事好きになってて…今に至ります」








「…………………」









「…え!?紗和さん何で泣いてるんですか!?」








「ごめん…なんか…ほんと安心して……」







「もう…相変わらずですね…紗和さんは……」








間宮くんがハンカチを手渡す。








「ありがとう…間宮くん……」








「それじゃ、そろそろ帰りますか」








「間宮くんと色々話できてよかった…!」







「俺もです」








ガチャ







「ただいまー」







「おかえり」








私は直人さんの顔をじっと見る。








「……どうした?」







「あ…うぅん、何でもない」







「……そうか」







なんとなく気まずい空気が流れる。







「あの…さ…」







「ん…?」







「間宮と…何か…あったのか…?」








「………え?間宮くん?」








「あ……いや、ごめん、何でもない」







そう言うと直人さんはソファから立ち上がり、キッチンへ行く。







振り返ると、直人さんはキッチンで水を飲んでいる。







私もキッチンに行き直人さんの横に立つ。








「直人さん…どうかした…?」









「いや…何でも無い」








私の顔を見ずにそう言う。









「風呂…入ってくる」








「うん………」









直人さんはリビングを出て行く。









なんか…様子がおかしい……








不安になった私は直人さんと話をしようとリビングを出る。









「えっ直人さん!?」








そこにはしゃがんで俯く直人さんの姿があった。









「ど、どうしたの…?大丈夫…?」








「あ…いや大丈夫……」









「体調…悪いの…?」









私は心配で直人さんに駆け寄る。









「いや…ちょっと考え事してただけだ…」









そう言うと立ち上がり、寝室へ行こうとする。









私はその腕を掴み、直人さんの正面にまわる。








「何を…考えてたの…?」








「いや…別に」









直人さんは私と目を合わせない。








「…………………」







私は無言で直人さんに抱きつく。








「紗和…?」







「何か…悩んでるの…?」







「え?」








「私に……話せないこと…?」







「……………………」







「……………ごめんね…言いたくないこともあるよね……」







私は直人さんから離れる。








「お風呂…行ってらっしゃい」







私はリビングに戻ろうと歩き出す。







「紗和……」







「なに…?」








「こんな事言ったら……器小さくてカッコ悪い…って思うかも知れないけど……」








私は振り返り直人さんの顔を見る。







「間宮と紗和が会うの……不安…でさ」









「え…?」







「間宮には猫田が居るって分かってるのに…不安になるとかカッコ悪過ぎるよな……」








「…………………」








「悪い…それだけ。じゃ…風呂入ってくる」









その言葉に思わず私は直人さんを抱きしめる。








「直人さん…ごめんね…不安にさせちゃって…」










「いや…何も無いって事は分かってる……俺が勝手に不安になってるだけだから…ごめん」










「………………………」








「………………………」









「……あの……直人さん………」









「ん…?」









「私ね…直人さんに……嘘つきたくないから……」








「嘘…?」








「あの時…話せなくて……」









「…………………………」









「ちゃんと…話するね…」









すると直人さんが私から離れる。









「間宮の…事か…?」








「うん………」








そしてソファに移動し、私はあの時のできごとを全て、正直に話した。








「…………………………」








「直人…さん……」









少し俯く直人さんに私は声をかける。









すると直人さんはため息をついて立ち上がる。









「…………風呂…入ってくる」








「直人さん…あの……」









「………ごめん。少し一人で考えたいから」









そう言ってリビングを出て行った。








しばらくしてドアを開ける音が聞こえ、私は振り返る。






パタン









「直人さん……」









リビングに戻って来た直人さんに私は駆け寄る。









「あの…さっきの話………」









「髪…乾かすから」








「あ…うん……」









ソファで髪を乾かす直人さんの隣に座る。








カチャ









「あの……直人さん……怒ってる…よね……」









「…………………………」









「ごめんなさい…………」









「……………紗和はさ…もし俺が同じ事したら何とも思わないのか…?」










「………………………」









「俺が…ベッドで横になる女性を抱き締めても平気なのか…?」









「…………平気…じゃない」










「…………なら何で……」








「本当に…ごめんなさい……でも……」









「また……感情の無いハグだ…って言うのか…?」








「…………私は直人さんのことが……」








「………前に俺がそれで納得したから今回もそうだと…?」








「………………………」









「………そうやって言えば何しても良いのか?」








「…………違う……あの時…間宮くんが…すごく辛そうで……それで……」








「なら、感情が無ければキスもするのか?」










「………する訳ないっ……絶対に……」









「…………俺にとってはそう変わらないけどな」










「………………………」









「間宮があの時辛い思いしてたのは分かる。だからってベッドで抱き締めて良い理由にはならないだろ?」









「ごめん…なさい……」









「………何でこのタイミングで話した?」









「それ…は………」










「間宮と会って…思い出したのか?」









「……………………」










「………俺ならまた許すと思って話したのか?」










「………………………」









「前みたいに…紗和の事信じてるって言うと」








「………………………」









「…………俺は紗和が思ってるよりそんなに心広くは無い」








「直人さん…本当に…ごめんなさい……」









涙が溢れて止まらない。










「………俺しばらくこの家出るから」









「えっ…!?」









「一人になって……色々考えたい」










そう言うとソファを立ち上がる。











「直人さん……」









ガチャ







パタン









「ごめんなさい…本当に…ごめんなさい……」





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