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あなたが愛しすぎて  作者: m.
30/34

猫田くん

そして次の日。









「青木さん…どうしたんですかその目…!」










「あ…うん…ちょっと……」










「………そんなに隼斗さんのこと好きだったんですね」










泣いたのバレてる……










「あー隼斗さん今頃飛行機乗ってるのかなぁ」










「そうだね…」








私達は窓の外を眺める。









「……ん?」









「どうしました?」









「猫田くん…間宮くんのこと隼斗さんって呼んでるよね?」










「それがどうかしました?」










「いつの間にそんなに距離縮まったのかと思って…」









「……嫉妬ですか?」









「えっ!?違う違う!」









「……この前の送別会の後、隼斗さんに送ってもらったじゃないですか。その時に仲が深まったというか…?」










「そうなんだ…!」










「まぁ…その時から隼斗さんって呼んでます♪」











「仲が深まったなら何より…!じゃ猫田くんも間宮くんいなくなって寂しいね…」









「いや別に?今日も夜ビデオ通話しますし」










「えっ、そうなの!?」










「はい、なので別に寂しくないです。今時海外行っても簡単に連絡は取れますしね」










「………いいなぁ」










つい心の声が漏れてしまう。










「青木さんは連絡取れないんでしたっけ?」










「うん……」









「何となく隼斗さんから聞いてはいますけど……よければ僕が隼斗さんの様子報告しますよ」









「ほんとっ!?」










私が机から身を乗り出すと猫田くんが笑う。









「隼斗さんから聞いてた通りだ」









「何が?」









「青木さんは感情がわかりやすい人だって」











「そんなこと…ないよ」










私は自分の行動が恥ずかしくなり、大人しく椅子に座る。










「間宮くん…そんなことまで猫田くんに話してるの…?他に変なこと言ってないでしょうね…」











「さぁ…どうですかね?」











そう言うと意地悪っぽく笑う。











「青木さん、明日飲み行きません?」











「うん…!もちろんっ!……って猫田くんお酒弱いのに…大丈夫なの?」










「大丈夫ですよ♪」










「それならいいけど…無理はしないでね?ご飯食べるだけでも全然大丈夫だし…」










「はーいっ」










そして次の日。










「ここが隼斗さんの行きつけの居酒屋かぁ…!」











椅子に座った猫田くんが辺りをキョロキョロ見回す。









「猫田くんは何頼む?」










「えっと…じゃあビールで!」











「ビール…!?大丈夫なの…?」










「平気ですっ!」









そして一時間後。









「ここ料理も美味いし最高ですね…!隼斗さんがお気に入りになる気持ち分かるなぁ」










「ねぇ猫田くん…」










「はい?」










「全然酔ってないみたいだけど…お酒弱いんだよね…?」










「お酒は……まぁ結構強い方ですね」










「え…?でもあの時……」











「……酔った演技…そんなに上手かったですか?」











「え、演技!?」










「だって…この見た目ですよ?弱い方が可愛く見えるでしょ?」










そう言うと両手を頬に添えて微笑む。











「でも……あの時酔いつぶれて寝てたよね…?」











「あぁ…あれも嘘です。ほんとは起きてました♪」










「な、なんでそんなこと……」











「ほら…寝てるふりして皆さんの会話とか聞けますし?」










「………………」











「そんな悪趣味…みたいな目で見ないで下さいよ〜」









「だってさ…みんなほんとに酔ってると思って…」









「まぁそのお陰で隼斗さんと距離近くなれたんで♪」










「猫田くん何者……」









「……てか青木さんと隼斗さんってほんとに何もないんですか?」










「なにもないって…ただ仲がよかったってだけで…」










「………隼斗さん不憫だなぁ」









「え…?」









「そりゃ、弱っちゃうよね〜」










「なに…どういう…」









「いえ、別に…!まぁ僕もその弱みにつけ込んじゃったんで…悪いんですけどね」











「ねぇ猫田くんさっきから何言って……」










「すみません、何でもないです!ほら…飲みましょ!」








猫田くん…ただの可愛いらしい子かと思ってたけど…なんか掴みどころのない子だ…









「あ、そうだ…昨日間宮くんとビデオ通話したんだよね?元気そうだった?」










「元気そうだった?って…まだ一日しか経ってないんですよ?」









「そうだけど…無事着いたかなって…」










「いつも通りの隼斗さんでしたよ。向こうは朝で眠そうでしたけど」









「そっか…よかった……」









「しばらくはホテルに泊まって、そのうち家探しするそうです」









「そっか…間宮くんも前に進んでるんだね…私も頑張らなきゃ」









私は頬をパンパンと軽く叩く。










「ほんと青木さんって面白い方ですね」










「えっ…どこが!?」









「なんか…隼斗さんが好きになる気持ち、分かる気がします」









「え…!?なんでそのこと…それも間宮くんが……」








「詳しい話は聞いてないですけど。ていうか隼斗さん見てれば話聞かなくたってわかると思いますよ?好き好き〜って気持ち前面に出てますもん」










「そう…なの?間宮くんどちらかと言えば、普段は感情表に出さない方なんだけど…」










「目見てれば分かります。青木さんを見る目、すっげー優しいですもん」










「目…?」









「愛おしそうな目で見てましたよ、いつも。あれ気付かないって…マジで鈍感なんですね青木さん」









「…………………」










「まぁ…そういう所も青木さんの魅力なんでしょうけど」









「それ魅力って言うのかな……」









「まぁまぁ深い事は考えずに…飲みましょ♪」









そう言うといつもの可愛い猫田くんに戻る。










「今度は三人で飲みません?」









「三人?」









「佐々木さんも一緒に♪」











「もちろんいいよ…!」










そして次の日。










「おはよ、猫田くん!昨日はだいぶ飲んでたけど…大丈夫だった?」









「全然平気ですっ!帰って隼斗さんとビデオ通話しながら飲み直しましたもん」










「えぇっ!?」










「気持ち良くなっちゃって…缶ビール何本も開けてたら隼斗さんにお酒強いのバレちゃいました」










「すごいね…猫田くん」










「僕結構飲むの好きなんですよね〜」










「そうなんだ…あ、じゃあさ今度は猫田くんの歓迎会開こうよ!まだしてないし…」










「え〜っ良いんですか!嬉しいです〜!僕フッ軽なんで、いつでも大丈夫です♪」










「わかった!じゃあまた調整して連絡するね!」










それから約一ヶ月後。










「お邪魔しまーすっ」










「どうぞ…!猫田くんほんとにここで良かったの?お店でも良かったのに……」










「僕宅飲みが好きなんですよ♪周りを気にせず色んな話できますし」










そして直人さんと私で手料理を運ぶ。










「わー!めっちゃ美味そう…!」









「ご飯も…手料理で良かったのか?」










「佐々木さんめっちゃ料理上手いって青木さんから聞いたんで…食べてみたくて♪」









「そんな事…普通の料理だぞ」









「またまた謙遜しちゃって〜それじゃ…いただきまーす!」









猫田くんが一口食べて目を輝かせる。










「うっま……これ、佐々木さんが?」










「…うん」








「めっちゃ美味いです…!」









「それなら…良かった」








直人さんはササッとキッチンへ戻る。









「ねぇ青木さん、あれ照れてます?」









「照れてる照れてる」










私は小声で言い笑う。









「可愛い…あ、青木さんが作って下さった料理は…」










「あ…これと…これ」










「おぉ…どっちも美味そう…頂きます!」









猫田くんは無言でパクパク食べる。









「ど、どうかな…」









「………めっちゃ美味いです…!お二人とも料理上手なんて最高ですね…!」









「よかった…!」









ご飯を食べ終え、リビングでのんびり過ごす。










「…猫田そんなに飲んで大丈夫か…?」









「え…?」









「お前お酒弱いだろ」










すると猫田くんが、直人さんの隣に座り腕を組む。









「心配してくれてるんですか?」









そう上目遣いしながら言う。









「いや心配だろ…無理して飲んでるんじゃ…」










「優しいなぁ…でも大丈夫ですよ?酔ったら佐々木さんに…介抱してもらいます♪」









そう言って佐々木さんを見つめる。








「そんな体に負担かけるような飲み方するなよ…」










「そんなに心配してくれてるんですか?嬉しいなぁ」









そんな二人のやり取りを向かいのソファで私は微笑みながら見ていた。









「あ…お酒……」









お酒がなくなっていることに気付いた私はソファから立ち上がり、キッチンへ向かう。









「え…もうない……」










私はリビングに戻る。









「猫田くん、まだ飲むよね?」









「まだまだ飲みまーす!」










「じゃ私コンビニ行ってお酒買ってくるね!」









「……俺買ってくる」









そう言うと直人さんがソファから立ち上がる。









「いいよ、近くだし…二人はゆっくりしてて!」










「大丈夫。紗和は猫田と居て」









「え…ありがとう…!じゃあお願い…!」











私はソファに座る。










「……佐々木さんってほんと優しいですよね」









「うんほんと…」










「……青木さん、さっき僕と佐々木さんが近距離で話してる時笑って見てたでしょ」









「うん、二人が微笑ましくて…」










そう言って笑う。










「もしかして、僕が男だから…って安心してます?」









「え…?」










「だって…女が同じ事したらさっきみたいに笑ってられないでしょ」











「そ…それは……」











「僕、佐々木さんなら簡単に落とせますけど」









「へ…!?」










「佐々木さんみたいなタイプは押しに弱いんで」










「ちょ…猫田くん…何…言ってるの…?」










私がそう言うと猫田くんは笑う。









「そんな不安そうな顔しないで下さいよ〜」










「だ、だって……」










「大丈夫ですよ、青木さんの恋人を取ったりしませんから」










「……………………」










「ただ、青木さんがあまりにも余裕そうだったんで少し腹が立っただけです」









「え…?」










「相手が男だからって気抜いてますよね」









「あ…ごめん………」











「まぁ…別に良いですけど」










「でも…猫田くん…佐々木さんのこと好きな訳じゃないでしょ…?」










「………どうしてそう思うんですか?」










「…なんとなく…だけど」









「……好きかどうかは別として…めちゃくちゃタイプなのはほんとです。……遊び相手にしたいかな?」










「え……?」










「あ、今少しムッとしたでしょ」










猫田くんが楽しそうに笑う。










「そうそう、そういう反応して欲しかったんですよ」









「………もう……からかわないでよ…」









ガチャ









「ただいま」










「あ……おかえり…ありがとう…」










「……どうかしたか?」










「…うぅん、なんでもない」










「佐々木さんありがとうございますっ!」










猫田くんが何を考えているのかいまいちわからない。









しばらくして私はスマホの時計を確認する。










「もうこんな時間……猫田くん、時間大丈夫…?」











「今日泊まっても良いですか?」










「えっ!?」










「だって…結構酔っちゃったし…ダメ…ですか?佐々木さん…」










そう言うと猫田くんは子犬のような目で直人さんを見つめる。










「俺は別に構わないけど…」










直人さんは私の顔を見る。










「いい…けど……どこで寝るの…?」










「うーん……佐々木さんと一緒に?」










「それは絶っ対ダメ!!!」










私は食い気味で否定する。










「えー…どうしてですか…?」









「どうしてって…」









さっきあんなこと言われたばっかりなのに承諾できるわけがない。










すると直人さんが笑い出す。










「紗和、何でそんなムキになってるんだよ」










「え、だって……」










「ですよね〜?一緒に寝て何か問題あるんですか?」









そう言ってとぼける。










「…………………」










「青木さんって案外独占欲強いんですね」










「え…?」









「だって…僕ただの後輩ですよ?それなのに嫌だなんて…」









「や…そういうことじゃ……」











「まぁ良いですけど。じゃ僕ここで一人寂しく寝ますね?」









猫田くんはソファを指さして言う。









「…………」









私は軽くため息をつく。









「わかった………いいよ…佐々木さんと一緒に寝て…私ソファで寝るから」









「……良いんですか?」










「うん…直人さんはそれで大丈夫…?」









「…俺は別に構わないけど……紗和はソファで大丈夫なのか…?」









「うん平気……じゃ…私先にお風呂入ってくるね」










「行ってらっしゃーい!」










どうして猫田くんはあんなこと言うんだろう…










何を考えているのか本当にわからない。










そんなことを考えながらシャワーを浴びる。










こうしている間にも二人が何をしているのか気になっていた。









お風呂から出て、リビングに向かっていると二人の声が聞こえる。










ガチャ










「え、こうですか?」










「いや、これは味方だから攻撃しちゃ……」










「え!?先に言って下さいよ〜」










二人が楽しそうにゲームをしている姿を横目に冷蔵庫を開けて水を取る。










「あ、青木さんおかえりなさーい!」










「う、うん……」










「紗和も一緒にやるか?」










「……うぅん大丈夫」









私はリビングを出て、寝室に入る。










ここで…猫田くんと直人さんが寝る……










ガチャ









「紗和…?」









「びっくりした…どうしたの?」










「いや、なんか様子が変だったからさ…」









「あ…ごめん…何でもない…少し酔ったのかも」










そう言って笑う。









「大丈夫か…?」










ベッドに座る私の隣に直人さんも腰掛ける。










「うん…全然大丈夫…!少し休んだら向こう戻るから直人さんも戻ってて?」










「無理はするなよ…?」










直人さんは私の頭をなで、寝室を出て行った。










しばらくしてリビングに戻ると、二人共片付けをしている。









「あ、青木さん!大丈夫ですか?」










「うん…」










「これ片付けたら、寝ますね!」









「ありがとう…」










私も片付けを手伝う。










「それじゃ…寝室お借りしまーす!青木さんお休みなさい♪」










「おやすみ…なさい……」











「佐々木さんっ行きましょ♪」









猫田くんは直人さんの腕を引っ張る。










「あぁ…じゃ紗和おやすみ…」









「おやすみなさい……」










私はリビングを出て行く二人の後ろ姿を見てソファに腰を下ろす。









猫田くんがあんなこと言わなければ気にならないのに…










ソファで寝ようと試みるも、目が冴えて全然眠れない。










時間だけが刻一刻と過ぎていく。










私は体を起こし、寝室の方を見る。










寝室の様子が気になってしょうがない。











「…………あぁっ!もうっ!」











私は小さくそう言い、ベランダに出る。











外の風に当たっていると少し気持ちが落ち着く。










「はぁ………」










ボーッと遠くの景色を見る。










と、その時だった。









ガラガラガラ








急な物音にびっくりした私は勢いよく後ろを振り向く。







「……ここに居たか」









「直人さん…!?びっくりした……」










「ごめん。さっきから驚かせてばっかりだな」










そう言って笑う。










「どうしたの…?」











「いや…やっぱり紗和の様子が気になってさ…」










「猫田くんは…」










「あぁ、あいつはベッドに入った途端すぐ寝たよ。結構飲んでたからな…」










「そう…なんだ…よかった……」










私は思わず安堵する。








「紗和…?」








「ごめんね…心配かけちゃって」








そう言って直人さんの背中に手を回す。








「水飲むか…?」








「うぅん…大丈夫…ありがとう」








直人さんが私の体調を心配してくれてることに申し訳ない気持ちになった。









しばらくして、部屋に戻った私達はソファに座る。










「直人さんそろそろ寝室戻る…?」









「うーん……猫田…結構寝相悪くてさ……」









「そうなんだ…」








直人さんは困ったように笑う。









「なら私が向こうで寝るよ?直人さんはソファに……」









私が立ち上がると直人さんが腕を掴む。









「それはダメだ」










「え…なんで?私寝相悪くても平気……」









「ダメに決まってるだろ?」








直人さんが私をまっすぐ見つめる。









「や…でも……猫田くんは……」








「……俺が向こうで寝るから。紗和はここで寝て」










直人さんは私を腕を掴んだままソファに座らせる。










「なら…ここで一緒に寝る…?」








「……え?」









「そうだ、ここで寝ればいいじゃん…!そしたら直人さんも寝相気にしなくていいし…」










私も安心だし…と心の中で言う。








「いや…ここ…二人は狭いだろ……」









「大丈夫だよ…くっつけば…!」







私は横になり、ポンポンとソファを叩く。








「いや…狭いって……俺は寝室で大丈夫……」








そう言って離れようとする直人さんの腕を掴む。








「…………………」








私は無言で直人さんを見つめる。







「紗和…?」








「行かないで……」








「…………………」









私が直人さんを見つめていると、観念したようにソファに横になってくれる。








狭さで密着していると直人さんの吐息が近くで聞こえる。








「ほら…狭いだろ」








「狭い…ね」








耳元で聴こえるその低い声にドキドキする。









すると直人さんが私のお腹の方に手を回してソファに手をつく。









「ごめん、手きついからこうしてて良いか?」









「う、うん…」









私の体に触れるか触れないかのその絶妙な距離にさらにドキドキする。










やばい、心臓が飛び出そうだ。











「紗和…大丈夫か…?やっぱり俺どこうか?」










「いや…!大丈夫…です…」










「何で敬語なんだよ」










そう言って直人さんが笑う。









直人さんはドキドキしてないのかな…








私はくるっと体制を変え直人さんの方を向く。










「どうした…?」










私は直人さんの胸元に手をそっと置く。







あ…直人さんも鼓動が早い…









「ほらこうやって…ギュってしたら狭さ気にならないかなって思って」









私は直人さんの胸に顔をうずめ、背中に手を回す。









「……紗和が良いなら…何でも…」









慣れない状況、直人さんの小さく囁く声。










全てにドキドキしすぎて、私はギュっと目を瞑る。
















「………………あーーーっ!!!」









その大声に驚いた私はバッと体を起こす。









気付けば朝になっていた。









「な、なに!?」









周りをキョロキョロ見回すと、そこにすごい形相の猫田くんが居た。









「ね、猫田くんどうしたの!?」









「どうしたはこっちのセリフです!!佐々木さんどうしてここに!?」









その言葉に私はソファに視線を戻す。









同じように驚いている直人さんと目が合う。









その瞬間、昨日のことが一気に蘇ってくる。










「あ…!こ、これはね…」









「佐々木さん、僕と一緒に寝室に居ましたよね!?」









「あぁ…何か…眠れなくてな……」










「それでソファに二人で?」










「それは私が無理やりっていうか……」










「……僕が居るのに…お二人凄いですね…スリルがあると盛り上がるタイプですか?」









「え!?私達ここで寝てただけだよ!?」










「寝てただけ…ねぇ…」










猫田くんが疑いの眼差しを向ける。










「ね、猫田くん何か変な想像してない!?」










「いやぁ〜?別に?でも見せつけてくれますね〜」









「え…?」









「僕が昨日あんな事言ったから、青木さん心配になったんでしょ」









そう言って楽しそうに笑う。









「あんな事…?」









直人さんは何のことかわからず猫田くんに問いかける。








「青木さん、僕が佐々木さんと距離近くてもなんの危機感もなさそうだったんで。僕佐々木さんのこと簡単に落とせますよって言ったんです」









「……………」









「そしたら青木さん急に不安になっちゃったみたいで。僕が佐々木さんを奪う訳ないじゃないですか…!」








猫田くんはケラケラ笑っている。










「………それで、猫田は楽しかったのか?」








「え…?」









「………紗和の不安な顔見て面白かったか?」









「え…佐々木…さん?」










猫田くんの顔から笑顔が消える。











「あ…猫田くんは冗談のつもりだったのに私が真に受けちゃって…ね…?猫田くん…」










「眠れなくなる位不安にさせて、猫田はそれで平気なのか?」









「………………」










「直人さん、もういいから…ね?」










猫田くんが俯く。










「猫田くん…?あの……」











「…っ…ごめんなさい……」











な、泣いてる!?









「ごめんなさい…青木さんの反応が面白くてついからかってしまいました…すみません…でした…」










「ね、猫田くん…大丈夫だから…気にしないで……」









私は猫田くんの近くに行き、背中をさする。










「青木さんっ…ごめんなさい……」









「大丈夫…大丈夫だから……泣かないで……」









私は直人さんに視線を送る。










「直人さんも猫田くんの気持ち分かってるから…ね…?」








「ほんとですか…?」








猫田くんは顔を上げ直人さんの顔を見つめる。









「……反省してるならもう良い」










その言葉に猫田くんは顔を輝かせ、直人さんの元へ走って行き抱きつく。









「佐々木さん…!ありがとうございます…!」










「おま…言ってる傍から…!離れろ」









「あ…すみません!」









いつものお茶目な猫田くんに戻る。









「それじゃ…私朝ご飯用意してくるね…!猫田くんも食べるでしょ?」









「いただきます!」








一緒に朝食を食べ終えた後、猫田くんは帰って行った。







「なんか…疲れたね」









「そうだな…」









「さっきは…ありがと」








「いや…」








「直人さんがあんなに怒ると思わなくてびっくりした…」








「でもさ…猫田も猫田だけど…俺がそんな簡単になびくと思ったのか…?」








「え…?」









「猫田に俺を簡単に落とせるって言われて、不安になってたんだろ?」








「うん…」








「俺、紗和を裏切るような事しないから」








「ごめんね…猫田くんに直人さんみたいなタイプは押しに弱いからって言われて、確かにそうかもって思っちゃって…」








「……それは……」








「その通りでしょ…?」







「いや、それは紗和が好きだからで…誰にでも押されてなびく訳じゃないからな?」







「うん…そうだよね…でも直人さん優しいし…前に猫田くんに抱きつかれた時もなんか照れてたし……」








「え…照れてたか…?」








「照れてたよ…!猫田くんに見つめられて恥ずかしい…って…あんな反応されたら不安にもなるよ…」








「そ、それはごめん…」








「直人さんがそんな反応しちゃうから猫田くんをその気にさせたんじゃない?」







「そうか…俺にも原因があるのか…なんか猫田に悪い事したな……」








「猫田くん泣いちゃってたし…」








「そ、そんな責めるなよ…」









「猫田くんにちゃんと話してね…?」









「わ、分かった…」










私は思いっきり伸びをする。









「んーっ……直人さん昨日眠れた?私寝れたけどさすがに体が痛い…」










「その質問…俺にするか…?」










「ん?どういう意味?」









「いや……眠れる訳無いだろ……」










「だよね…やっぱ二人は狭かったね」









そう言って笑う。









「そうじゃなくて…あんな近距離で眠れる訳が……」









「……直人さんもドキドキしてた?」









「そりゃ…そうだろ」









「私もね、実はドキドキしてた」








「そうなのか…?全然そんな風には…」









「だって……」









と言いかけて、なんだか恥ずかしくなって言うのをやめた。









「だって、何だよ…」








「うぅん、何でもない!じゃあ…今日もソファで寝る?」









「いや無理だ。寝不足になる」








直人さんがそう言って笑う。








いつまでも私に対してドキドキしてくれる直人さんが大好きだ。

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