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あなたが愛しすぎて  作者: m.
28/34

愛する人の為に

それから数日後。








俺は佐々木さんを会社近くの居酒屋に誘った。









「すみません、急にお誘いして」









「いや…俺も話したかったから」









「あれから…紗和さん大丈夫でしたか」









「今は大分落ち着いてるよ…発作も起きなくなったし」








「そうですか…」









「間宮も…大変…だったな…ありがとう…紗和の事守ってくれて…」








「いえ…」








「………………」









「………………」









「紗和さんから…話…聞きましたか…?」









「あぁ…」









「写真の…事も…」









「聞いてる…」









「紗和さん…凛だけに…虐められてたんですか…?」









「…いや、複数人居たと思う」









「あいつ…凛は逆上して写真をばら撒くとか脅すような奴です…俺との事があって…もし昔の仲間に話すような事でもあったら…」









「うん…俺もそこが気になってる。写真を撮ってたのが一人とは限らないからな…」










「……その事…紗和さんには…」










「………言えない。そんな事言って紗和がまた発作を起こしたら困る…余計な心配かけたくない」









「そう…ですよね…」








「……………」









「俺…考えたんですけど……」








「……?」










「凛と…話…してみようかと思ってて…」










「…もう別れたんだろ…?」










「…あれから……しつこく連絡が来てて……無視してるんですけど…これが続くと何するか分からないし…それなら一度会って…それとなく話を聞き出そうかな…と」










「間宮は…それで良いのか…?」









「本当はもうあいつの顔も見たくない位嫌ですけど…紗和さんの悲しむ姿は…もっと見たくないんで……」










「無理して会う事無いんじゃないか……」









「なら…もし他のやつが写真持ってたらどうするんですか…?」










「それは……」










「俺なら大丈夫です。一度会って話するだけなんで」










「……分かった…でも無理だけはするなよ…」










次の日。








〜♪









「……はい」









「隼斗!?やっと出てくれたぁ…なんで電話出てくれなかったの…?何回も電話したのに…」









「………………」









「この前…別れるって一方的に言われてさ…私納得できないんだけど」









「うん…」









「ちゃんと話し合お?」









「…分かった」








「ほんとっ!?じゃあ今度の土曜日、私のお気に入りのカフェで待ち合わせね?」









そして土曜日。










「隼斗〜っ!お待たせ!」








「…………」









「どうしたの…?元気ないけど…」









「いや…大丈夫」









「あの時のこと…怒ってる?」









「……………」









「隼斗が写真消しちゃったからね」










「…あの写真……持ってるのお前だけか…?」










「……なんで?」









「紗和さんの事虐めてたの…お前だけじゃないんだろ…?」









「………………」










「他にも……」









「そういうこと…」








「……?」









「それが聞きたくて…会おうとしたわけ?」









「…………………」









「どーしよっかな〜♪」









「…………………」










「教えてもいいけど…条件がある」









「条件…?」










「……私と別れずに付き合うこと。簡単でしょ?」










「は…!?」










「聞きたいんでしょ?写真のこと」










「……ふざけんな…」










「そんなこと言っていいの?」









「…………………」










「どうするの?私は隼斗が好きだから付き合いたいだけ。隼斗にその気がないなら帰るけど」











「………………」










「……じゃ、帰るね。ばいばい」










凛は俺の横を通り過ぎようとする。









「……ちょっと…待って」









「何?」










「………分かった」









「何が?ちゃんと言ってくれないとわかんないんだけど」










「付き合う…から。だから……」









「ほんとっ!?嬉しいっ!!」










そう言うと凛は俺に抱き着く。









「……みんな見てる…」









俺は凛を引き離そうとする。









「良いじゃん!見せつけよ!」









「それで…話を……」









すると凛はパッと俺から離れる。









「あっごめん!私このあと用事あるんだよね…!また連絡するね!」








「え…?」








そう言うとさっさとお店を出て行った。









そして月曜日。









「間宮くん…?」









「はい」








「大丈夫…?」









「え…?何がですか?」









「あ…いや…なんかいつもより元気ない気がして…」









「そんな事無いですよ。平常運転です」









「そっか…ならいいんだけど……」









この先、本当に凛は写真の事…話してくれるのか…









いつまでこんな事続けないといけないのか…









そんな事を毎日考えていた。









〜♪







「もしもし」









「あ、隼斗今から会える?」










「今…?もう10時だけど…」









「写真のこと…聞きたくないの?」









「…………分かった…すぐ行く」










俺はすぐに準備して、待ち合わせ場所へ向かう。








数十分後。









「隼斗やっほ〜!」










「…………………」










「どうしたの?」









「…………いや」









「それじゃ行こっか!」









「行くって…どこに…」










「え?ホテルだけど」









「ホテル…?」









「え、だって私達付き合ってるんだよね?別にいいでしょ?」









「…………………」









「……行きたくないわけ?」







「………ごめん」









「……まぁ、そういう気分じゃない時もあるよね」









「………………」









「じゃあ…キスして?」








「え…?」









「キス!それは別にいいでしょ?」








「や……」








「そっか…写真のこと…聞かなくてもいいんだ?」









こいつ……









「分かった…」










そう言うと俺は凛と唇を重ねる。










こんな奴とキスしても何も感じない。










むしろ嫌悪感が増す。










「もう…良いだろ」










俺は凛から離れる。









「え、ちょっと待ってよ…!」









そう言うと凛が笑い出す。









「小学生じゃないんだから…」









そしてまた凛が顔を近付ける。









「…っ……ちょ…ちょっと…待って……」









そう言って凛の体を押す。








「なに…?」








俺は俯く。








「え…もしかして隼斗…ディープしたことないの?」








「……………」









一瞬迷った後、俺は嘘をついて頷く。









「うん…だからもう少し時間かけて…」









「そうなんだ…!可愛いっ!」










そう言うと俺に抱き着く。










「じゃ、ゆっくり…慣れていこーね…!」










その言葉に吐き気を覚えながら俺は頷く。










「それで…写真の事…教えて欲しいんだけど」









「あぁ…まぁ…紗和をいじめてたやつは他にもいるし…写真も撮らせてたから…持ってるかもね」









「かも…?そいつらとは連絡取ってないのか…?」










「……知りたい?」










「………付き合ったら教えるって言っただろ」










「うーん…じゃあ次のデートで教えてあげるね♪」









「……………分かった」









俺は心の中で舌打ちをしながら、凛の言う通りにする。








その後、凛と別れ家に戻った俺は一気に疲れが出る。









「はぁ…疲れた」









無意識に心の声が漏れる。









それからというもの、凛は毎晩俺を呼び出すようになった。









「お待たせ♪」









「……何でいつも夜なんだよ…前は昼に会ってただろ…?」










「私だって、色々予定あるんだもん。それとも…夜に会うの不満なの?」










「……………」










「不満なら私帰る」









そう言って帰ろうとする凛の腕を掴む。









「待って…ごめん。良いよ夜でも」










「…そう?じゃあ行こっか!」









「今日も…あのバーか…?」









「そ!あのバーお気に入りなんだよね♪」










そう言うとスタスタ歩いて行く。










毎晩、バーの個室で二人で飲む。









酔った凛が俺に言い寄ってくる。










それを俺は理由をつけてかわす、の繰り返しだ。









「……………………」









「隼斗だいぶキス上手くなったね」









「………………」









「私のリードが上手いからかな?」










そう言って笑う。










俺はこの時間が苦痛で仕方がない。










「今日こそ…教えて欲しい。写真の事…」










「いいよ、教えても…」









「じゃあ……」








「ホテルで話すね♪今日は行くでしょ?」








「え…?」









「じゃあ…そろそろ出よっか♪」










そう言うと、さっさと部屋から出て行く。









バーを出た後、凛はそのまま近くにあるホテルへ向かう。









「凛……」









そのままホテルへ入り、受付カウンターへ真っ直ぐ歩いて行く。









「予約してた山本です♪」










キーを受け取るとエレベーターへと向かう。










「予約…してたのか?」









「そう♪ほんとはこういうの隼斗にして欲しいんだけどね」










そう言いながら鼻歌を歌う。










エレベーターが部屋に着き、前を歩く凛に思わず声をかける。










「凛…やっぱりホテルは……」










そう言うと、凛が振り返る。










「ここまで来といて今更何言ってんの?話聞きたいんでしょ?」










「…………………」











そして、俺は渋々部屋に入った。











「あたしシャワー浴びてくるね♪」










「………………」










俺は、近くのソファに腰掛けたまま俯く。











数十分後。










「隼斗もシャワー浴びてきたら?」










お風呂から出てきた凛にそう言われる。










「…………凛、話を……」










「その前に…することあるでしょ?」










「……………」










「シャワー…浴びないの?」










「…………………」










「まぁ…別にあたしは構わないけど。じゃこっち来て」










そう言ってベッドに座る。










「ここで…話そう」









そう言って俺はソファから離れない。










「何怖気付いてんの?早く来なよ」










「無理………」









「もう…仕方ないなぁ」










そう言うと凛が俺に近付いてくる。










「隼斗…好きだよ」










そう言ってキスをしてくる。










「凛…話を…っ……」










すると凛が着ていたガウンを脱ぐ。










「あたし…結構自信あるんだけど…どう?」










俺は顔を背けたまま凛から離れる。










「出来ない…凛とは……」










「…大丈夫…あたしがリードするよ…?」










そう言うと抱き着いてくる。










「隼斗だって…ほんとは触りたいでしょ…?」










そう言って俺の腕を自分の背中に回す。










その瞬間鳥肌が立った俺は凛を突き飛ばす。










「もう無理…限界………」










「うん、だから…ベッド行こ…?」










「違う…お前となんか…したくないんだよ」










「……は?」









次の瞬間にはバッグを手に取り、ホテルの部屋を出ていた。










「隼斗っ!待ってよ…!話は…?聞かなくていいわけ!?」









「…もういい」










「そんなにあいつのこと好きなわけ!?」










「……………」










俺は凛の言葉を無視してエレベーターに乗り込む。











ホテルを出て、風に当たりながら歩いていると次第に思考が冷静になる。










あともう少しで聞けそうだったのに…










またあいつを怒らせてしまった…










「はぁ………」









俺は深い溜息を付きながら無意識にいつもの居酒屋に向かっていた。








「らっしゃいませー!」









「……ビール下さい」









気付けば俺は、自分の限度を超えた飲み方をしていた。










「すみません……おか……わり」










「お兄さん大丈夫っすか?結構飲んでますけど」










「大丈夫……です」










ビールを待つ間、スマホの写真フォルダを開く。









紗和さんとの写真を見返して、自然と笑みがこぼれる。









その時だった。








〜♪









「……はい………」










「あ、間宮くん、今電話大丈夫?」









「…はい」









「明日の打ち合わせのことでちょっと確認したいことがあって…ごめんねこんな時間に……」









「………………」









「間宮くん…?」









「大丈夫…です…聞いてます……」









「社長から連絡があってね…………………ということになったらしくて」










「…………」








「聞いてる…?間宮くん」









「……分かり…ました」










「うん…よろしくね…?」









「はい…」









「ごめんね…もしかして寝てた…?」










「いえ……居酒屋で……飲んでました」









「あ…そっか…ごめんね…邪魔しちゃって」










「……一人なんで…大丈夫…です」










「一人…?珍しいね…一人で飲むなんて……」









「………紗和さん…ごめん……」









「え…?なにが…?」








プツッ









そこで電話が切れた。










間宮くんのその様子が心配になった私は部屋着のまま、居酒屋へと向かう。









居酒屋に着いて、間宮くんを探すとカウンターに顔を伏せている姿が見えた。










「間宮くん…!」










私の言葉に間宮くんが顔をあげる。









「紗和…さん…?」









「何かあった…?」









私は隣に座り、間宮くんの顔を覗き込む。









「……おかわり…下さい」









「お兄さん、さすがに飲みすぎっすよ」










「え…そんなに飲んだの…?」










「俺…酒強いんで…平気…です」









「………帰るよ」









「嫌です…まだ飲み足りない…んで」










「あの、おかわり大丈夫なんで。連れて帰ります。ほら…行くよ」









私は間宮くんの腕を引っ張り立ち上がらせる。









「こんなにふらついて…どこが平気なの」









「…………………」









私はお会計を済ませ、間宮くんを支えながらお店を出る。









「紗和さん…ごめん」









「なにが!?」









「ごめん…」







「ほら、しっかりつかまって!」









私は間宮くんを支えながら必死に歩く。









近くに止まっていたタクシーに乗り込む。









「間宮くんの家どこだっけ?」









「♤♤……です……」









「…♤♤までお願いします」









「……紗和さんは…どうするんですか…?」








「間宮くんを送り届けたら帰る」








「一人で…大丈夫ですって……」







「そんな状態で一人にできるわけないでしょ」








なんとか部屋まで辿り着いた私達は間宮くんをキッチンの椅子に座らせる。









「冷蔵庫、開けるね」










私は冷蔵庫を開け、水を探す。









「気…使わないで下さい…俺…全然平気…なんで」









そう言って立ち上がった瞬間、間宮くんがよろけ私がそれを支える。









「大丈夫…?間宮くん……」









「……………………」










「紗和…さん……」










間宮くんが私の髪を撫でる。









「………?」









私が戸惑っていると間宮くんが私から離れる。









「す、すみません…俺……」










「大丈夫……」









「…………………」









間宮くんは立ち上がりキッチンに手を付き、私に背を向ける。









私もキッチンに行き、間宮くんの隣に立つ。









「間宮くん……」









「………………」









「なにがあったの…?」









私のその言葉に間宮くんが私の顔を見る。










その表情に私は思わず、間宮くんの頬に触れる。











「なんで…そんな辛そうな顔してるの…?」










「……………」










間宮くんは無言のまま私の顔を見つめる。










「俺…凛と…より…戻しました」










「…………………」










「キスも…しました」









「………………………」









その言葉に、なぜか私は間宮くんから目を逸らしてしまう。









「………そっか……」










「……すみません…」










「…なんで謝るの…?間宮くんが凛のこと好きなら…別に…」










「好きとかじゃ…なく…て……」









「いいって…気を使わなくても…私と凛の過去と間宮くん達のことは関係ないことでしょ…?凛が好きなら私のことは気にせず付き合っていいんだよ…?」









そう言いながらも心が痛むのは凛のことがまだ許せてないからだ。










私は間宮くんから離れ、バッグに入っている水を飲む。









「………だから…違うんだよっ…」









「………?」









「俺は…あいつの事…好きでも何でも無いんだよっ…ただ…紗和さんを…守りたくてっ……」










「え…?どういう……」










「でも…俺のせいで…守れなかった」











私は水を置き間宮くんの近くに行く。










「ねぇ間宮くん、どういう意味?私を守れないって」









「え…?」









「今言ったでしょ?」








「…………!」










「間宮くん?」









「何でも…無いです。………もう平気なんで」










そう言って話を終わらせようとする。










「間宮くんっ!ちゃんと話して……!」










「……大丈夫です。紗和さんの事、絶対守りますから」









「だから…なんで私のこと守るとかそういう話になるの…?」









「…タクシー呼ぶんで…帰って下さい」










「………やだ、帰らない」










「……何子供みたいな事…言ってるんですか」










「間宮くんが話してくれるまで帰らないから私」










そう言うと、間宮くんはため息をつく。










「じゃあ……キスして下さい」










「え…?」









「キス……してくれたら話します」










「………………………」









「……ほら、帰って下さい」









間宮くんは私のバッグを手に取り渡す。










「………何があったの間宮くん……」










「………だからもう良いですって」










「……キス…は……できない……」









「………分かってますよ。だからもう帰って下さい」









「……抱きしめる……じゃ……ダメ…かな」









「………ならベッドの上で抱き締めて下さい」









「……………………」









すると間宮くんが俯きながら呟く。










「…すみません……何言ってんだ俺…これじゃ、あいつと一緒じゃん……」










「え…?」









「すみません………こんな…脅すような事言って……」









「………………」









「紗和さんを…不安にさせたくないんです…だから…話せません」









「……いい。不安になっても…だから…話して…?」











「また発作が起きたら……どうするんですか…!?」









「それでもいいよ」










「……そんな簡単に言うなよ…」










「間宮くんが苦しみから少しでも解放されるなら…それが一番だから」









「え…?」









「今の間宮くん…すごく辛そうで…見てる私も辛い…」










「……紗和さん……」










「私なら大丈夫だから…話して…?」










そう言うと間宮くんはしばらく悩み、ゆっくりと包み隠さず全てを話してくれた。










「それで俺……ホテルから逃げて……あと少しで…話聞けそうだったのに……」








「…………………」









「もう少しで…紗和さんを守れたのに……」











その瞬間、私は間宮くんの頬を叩いていた。









「…………!」









間宮くんは驚いた表情で私の顔を見つめる。










「何…やってんの…!?」









「え…!?」










私は両手で自分の顔を覆う。









「すみません…そりゃ泣きますよね…こんな話聞いたら……でも……」









「バカじゃないの…!?」









「え…?バカ……」










「私のために…自分を犠牲にして…何やってんの…!?」








「え……」








「そんなことされても…私全然嬉しくないよ!」









「………良いです別に。紗和さんを守れれば……って結局守れなかったですけど」










そう言って俯く。









「そんなことないっ…ありがとう……間宮くん……」









「……お礼言われるような事…してないです」










「……………………」









「……………………」









「……間宮くん………」









私は間宮くんに近付き顔を見つめる。








「さっきのキスしたい…って言葉…脅しじゃないんでしょ…?」









「え…?」









「間宮くんの顔…脅してるようには……見えなかった…」









「………あんなの、脅し以外の何者でも無いですよ」









私はじっと間宮くんの顔を見つめる。









「本当に…?」









「本当……です」









そう言って私から目を逸らす。










「まだ…辛い…よね…?」









「……全然辛くないです」









「間宮くん…」









「……何ですか」









「気持ち……全部言って」










「は…?もう話しましたって…」










「じゃ…なんでまだ辛そうなの…?」










「だから…紗和さんを最後まで守れなかったっていう罪悪感で……」











「……違うでしょ…?」










「………違わないです。しつこいですよ紗和さん」










「間宮くん……」










私は間宮くんの目をまっすぐに見つめる。










すると間宮くんはため息をつきながら自分の髪をぐしゃぐしゃっとする。









「……気持ち悪いんですよ、ずっと。あいつとのキスが残ってて。それで紗和さんに……あいつを忘れさせて欲しい…って最低な事思いました。これで満足ですか!?」










「…………………」










「話したんですから、もう帰って下さい」










「………私が抱きしめるならいいって言ったのは…脅されたと思ったからじゃない…」









「……………」









「間宮くんが…本当に辛そうだったから……」











「……そんなお情け……別に要らないです」









「……そう……だよね……ごめんね……」








「…………………」








私はバッグを手に取り、玄関に向かう。










すると間宮くんが後ろから私を優しく抱きしめる。










「ごめん……紗和さん」









「………………………」










「……本当は……脅しじゃない……」









「…………………」










「俺……今……苦しいし…すごく辛い………」








「…………………」









「あいつと何回もキスさせられて…気持ち悪くて…吐きそう……」









「………………………」











「お情けでもいい……」









「……………」









「キスじゃなくても良いから……紗和さんに……抱きしめて……欲しい」




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