表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたが愛しすぎて  作者: m.
19/34

お付き合い

間宮くんと別れた後、私はすぐに佐々木さんに電話をかける。










「もしもし佐々木さん?」










「俺も丁度青木に電話しようと思ってた」










「どうしたんですか…?」










「……今から会えるか?」










「はい…もちろんです…!」









佐々木さんが私を家まで迎えに来てくれ車に乗り込む。








「私の家で良くないですか…?」










「いや…前とは状況が違うから……」










そう言って車を走らせる。










佐々木さんの部屋に着いた私達はソファに腰掛ける。










「…………………」









「佐々木さん……」








「ん…?」









「キス…します?」









「な、何だよ急に……」









「……その為にここ来たんじゃないんですか?」









「は!?違うって…ちゃんと話しようと思って来たんだよ…」








「話って…?」








「いや……青木が俺の事……何で急に……考えても全然分からなくてさ……」









「まだ依存だと思ってるんですか?」









「いや…依存…とまではいかなくても俺の事異性としてじゃなくて人として好きになってくれたんじゃないかと思ってさ……」









「人としては元々大好きですよ…?さらに異性として好きになりました」








「大好き…って……」








「さっき佐々木さんとの密室空間で、私すごくドキドキしてました」









「それはさ…会社だったし…間宮から隠れてたからじゃ…」









「今もドキドキしてますよ…?」








「え……?」








「前は佐々木さんの近くにいても…こんな感情はなかったです。でも今は…佐々木さんの何もかもにドキドキしてます」









「それ…は………」









「佐々木さんは違いますか…?私といても…ドキドキ…しないですか…?」









「………いや…してる…けど……青木に好きって言われてから…余計に……」









「なら…キス…してみません…?もし私が佐々木さんのこと好きなのが気のせいなら何の感情も湧かないと思うんで…」








「好きかも分からない男とそんな事して良いのか…?」








「……あぁぁもう!とにかく私目瞑ってるんで!10秒待ってキスしてくれないなら私もう帰ります!」








そう言って私はギュッと目を瞑る。







10……







9………








8………








7…………








「……………………」









私はゆっくり目を開ける。








佐々木さんがパッと離れ目を逸らす。








私は俯き両手で顔を覆う。









「……ごめん!やっぱり嫌だったか…?」










私は無言で首を横に振る。











「私……こんな感情…初めてで……どんな顔したら良いか…わからないです……」








「それは…どういう………」









「すごく……ドキドキして……嬉しくて……愛おしくて……キスってこんなに温かいんですね」









そう言うと佐々木さんが優しく私を抱きしめる。









「佐々木さんも……鼓動早いですね……」








「……当たり前だ」








私はそんな佐々木さんがたまらなく愛おしくてギュッと力を込める。








「今日…ここに泊まっても良いですか…?」








「……ダメだ。もう時間も遅いし、送ってく」








その言葉に私は佐々木さんから離れる。








「え……?ダメなんですか……?」








「明日も仕事だろ」








「ここに泊まってから会社に行けば良いじゃないですか…!」







「ダメだ」








「なんでそんなに頑ななんですか…!」








「ほら、行くぞ」








「……わかりました……」








私は渋々佐々木さんの部屋を出る。







「……青木」







「はい…」







「間宮とちゃんと話しろよ」







「話…?」







「間宮お前の事好きって言ってただろ」







「あ……はい…きちんと話します…」







ー次の日ー








「間宮くん、今日仕事終わったあと時間ある…?」








「大丈夫ですけど……どうしたんですか?」








「ちょっと話したいことがあって……」








そして終業後。









「どうしたんですか?改まって……」









「間宮くん前に私のこと好きって言ってくれたでしょ…?その返事………」









「……もう半年以上前ですけどね」








「ご、ごめんね…あの時色々あって気持ちに余裕がなくて…」








「……まぁ良いですけど」







「あの…ごめんなさい…私間宮くんの気持ちに応えられない……」








「そう…ですか」








「ごめんなさい……好きな人が居て…」









「…それって……佐々木さん……ですか?」









私は無言で頷く。









「やっぱり…そうでしたか」








「気付いてたの…?」









「いや、気付かない方がおかしいでしょ」







「え…?」








「紗和さん分かりやす過ぎなんで」









「……………ごめんね…せっかく好きになってくれたのに……」









「まぁ……正直悔しいですけど…紗和さんが幸せで居てくれれば…俺は大丈夫です」









「ありがとう……間宮くん…」








「でも佐々木さんが紗和さんを泣かせるような事があれば…」








「そんなことないって…!」









「もし、そういう事があれば俺が紗和さんを奪います」









「奪うって………」









そう言って笑う。









「何かあればいつでも相談して下さい」









「わかった…ありがとう…!」









そして佐々木さんと付き合い始めてから一週間程が過ぎようとしていた。








「………どうしたんですか?」








「ん……?何が?」








「また向こうのフロア見てるから」








「えっ!?そ、そんなことないよ……」









佐々木さんと付き合い初めて気付いたことがある。










私はまたフロアに視線を戻す。








佐々木さんが女性社員達と楽しそうに会話をしている姿が見える。









そう、佐々木さんは男性社員はもちろん、女性社員にもすごく人気がある。








佐々木さんは誰とでも分け隔てなくコミュニケーションを取るし、何より優しくて頼りがいがある。








私はそんな佐々木さんが大好きだ。








だけど今は……少しモヤモヤしている。








「紗和さん………顔怖いですよ」







「えっ……!?」








「こんな表情してましたよ」








そう言って私の顔を真似をする。








「え、私そんな顔してないよ」








「してましたって……気になるんですか?」








「気になるって…?」








「佐々木さんの事」








「気になる?なんで?ちょっと何言ってるかわからないんだけど」









「焼きもち…ですか?」








「まさか…!私もう大人だよ?そんな焼きもち焼くような年齢じゃ……」









「…そうですか」









そう言って間宮くんもフロアの方を見る。








「佐々木さんって、フロアの女の子に結構モテてるの知ってます?まぁ所謂イケおじ?最近若い女の子に人気ですもんね、イケおじ」








「へ、へぇ……そうなんだ…」









私はチラッと佐々木さんを見る。









サポートしているのか女性社員のパソコンを佐々木さんが至近距離で覗き込んでいる。









「不安ですか?」









「うぅん…全然……」








「今の紗和さんの気持ち当てましょうか?あー佐々木さん距離近いなー嫌だなー」









「べ、別に嫌だとは………」










「なら平気なんですか?」








「……………」









私は黙ってしまう。








すると間宮くんが吹き出す。








「え、何…?」







「すみません、紗和さんが可愛いくてつい意地悪言っちゃいました」







「はい!?どういうこと…!?」








「紗和さんのその感情は”嫉妬”って言うんですよ」







「嫉妬…?」







「佐々木さんが他の女性と話してるのほんとは嫌なんでしょ?そういう感情ですよ」









「嫉妬……」









今まで誰かと付き合っていて嫉妬心を抱いたことがない私は、間宮くんに言われて気付いた。








「まぁ…気持ちは分かりますし、そんな紗和さん見てるの楽しいですけど…そろそろちゃんと仕事しないと定時に終わらないですよ?」








「あっ………ごめん…!仕事…ちゃんとするから!」








何とか定時に仕事を終えた私は急いで会社を出て、佐々木さんに電話をかける。








「もしもし、佐々木さん?」








「どうした?」








「これから会えますか……?」








電話の向こうで後輩の男性社員が佐々木さんを呼ぶ声が聞こえる。








「あ…ごめん、今日は予定が…」








「そうですか…わかりました…!」








佐々木さんに会いたかったなぁ……








そんなことを思いながら私は買い物をして、家に帰る。








夕ご飯を作っていても、食べていても、のんびりしていてもふと佐々木さんのことを考えてしまう。








何だこれ……








〜♪








「も、もしもし……」








「今大丈夫か…?」







「はい…」








「今日はごめんな。何かあったのか心配でさ」








「あ、いえ…何もないので大丈夫です…」







「……そうか」







「佐々木さんの声が聞けて…嬉しいです」








「何だそれ……毎日職場で聞いてるだろ…」








「ですね…!」








そう言って笑い合う。








「じゃ…また明日な」








「あ、あの…!佐々木さん!今度…デートしませんか…?」








「デート……そうだな、どこ行きたい?」








「遊園地行きたいです!」








「遊園地…なんかハードル高いな…」








「え?そうですか…?」









「まぁ…青木が行きたいなら…」







「じゃあ遊園地で!楽しみにしてます…!」








そう言って電話を切る。








少し話しただけなのに心が踊っているのがわかる。








私ってこんな単純だったんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ