第4話
発熱と喉の尋常じゃない痛み、全身痛、首痛いで三日苦しみました。
その後、息子が溶連菌陽性のため、検査したら自分も溶連菌でした。
抗生剤飲んだら1日で軽快しました。(処方分はしっかり飲み切った)
喉がとんでもなく痛くて、熱があったら、耳鼻咽喉科へ急ぎましょう。
(・人・)(コロナとインフルの検査のみで視診もしなかった初診の先生の頭に鳥の糞が落ちますように)
ここから夫視点になります。
スマートフォンで出前アプリを操作しながら、子供達が食べられそうな食事をタップしていく。
妻はあまり出前を取らなかったが、ラーメンを頼んだことがあったと、先ほど思い出し、遅めの昼食のため急いで注文を終えた。
何が食べたいか聞くと、話がそれてしまって収拾がつかなくなりそうなので、アニメ映画を見てもらっている隙に。
「ねえパパ、おなかすいた。」
「…今、ラーメンを頼んだから、40分くらいで届くよ。」
「ラーメン!早く来ないかなー。」
食事の確認をすると、再びテレビに戻ったのは長男。ラーメンで正解だったようだ。
「まま、こないねー?」
「ねー?」
双子の次男と三男は、母が戻って来ないとぼやきながら、ブロックで剣作りをしている。
先ほど、妻の火葬を終えた。
元々小柄だった彼女は、さらに小さい箱に納まって、私の隣に座っている。
あの日に戻れるのなら、彼女が部屋を飛びだす前に、
「もう絶対に間違えないから、死なないで」と、
「何でもするから、何処にも行かないで」と、
みっともなく見えてしまってもいいから、縋りついて過去を変えたい。
真っ白な箱に触れながら、思い思いに過ごす子供達を見ていた。
妻は、私に良く似ていると、いつも嬉しそうに子供達の事を話していたが、
私には、みんなどこか妻の面影があって、妻によく似ているように見えた。
くだらない口喧嘩で、妻を怒らせてしまった。
1時間経っても戻らないので、落ち着いただろうかと、様子を見に二階へ上がった。
彼女が泣くと、どうしていいかわからなくなる。泣くことが出来ない自分は、その涙に弱い。
が、寝室にも、子供部屋にも、妻の姿がない。
「莉子?どこにいる?」
声をかけながら、クローゼットもすべて確認した。ベランダにも姿がない。
「莉子!!」
仲直りするために来たのに、大きな声を出しながら部屋を出た。
…―――トイレに鍵がかかっている。電気が付いてないので気が付かなった。
コンコンッ
「莉子、さっきはごめん。出てきてくれないか。」
……ドンドンッ
「具合が悪いのか?」
「下に降りよう。鍵を開けてくれ。」
……――――何の反応もない。寝ているのか?
嫌な感じがするも、外から開けられる鍵なので、急いでドライバーを取りに動いた。
そして、鍵がかかったトイレをドライバーで鍵を開け、ドアに引きずられるようにして倒れた妻を
スローモーションのように目で追った。
ドライバーに興味を持った息子達も、遅れて二階へ上がってくる。
恐る恐る手のひらを、妻の口に近づけたが、息をしていない。
震える手で救急車を呼び、心肺蘇生の指示があったために絡んだエプロンを解く。
なんで。
どうして。
まだ温かい彼女を、救急隊が駆け付けるまで必死に圧迫し続けた。
息子達も、ママが具合悪いの?とそれぞれが手を握ったり、頬に触れたりしていたと思う。
まるでドラマでも見ているかのように、他人事のように時間が過ぎる―――…
…――病院についても、妻は目を覚まさなかった。
その日、私の一番大切な妻が死んだ。
ベットの横で、長男は泣いた。
双子の兄弟は、泣いている兄にくっついて、じっと母を見ていた。
悪夢のような時間の中で、彼女だけが
穏やかな顔で、眠っているようだった。