表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

第1話

初投稿です。

よろしくお願いします。

初っ端から、自死の表現があります。ご注意ください。


前世で徳を積むと、来世では幸せな生活ができる。

と、ネットで目にしたことがある。

じゃあ私は、前世で一体どんな悪行をしたのだろう。

スピリチュアルなことにそこまで興味はないし、神様もそこまで信じていないが、

明らかに今生きている私の人生は、困難が多すぎやしないだろうか。





産声を上げた時にはすでに、学業を放棄して遊び歩いて未成年で出産した母の腕の中だったし、

気が付いたら父親とい存在は消えていて、一つ下の弟の面倒を見ながら、典型的な長女として育った。

ぽっと現れた、血のつながらない父親に何度も蹴られ。

睡眠時間は正座の姿勢で、バレないようにちょこちょこ眠り。

朝夕食事抜きでの三年間、弟も死なぬよう気を配り、うまく立ち回るスキルを身に付けながらなんとか生きながらえた。


その後も、恋多き母に翻弄されながらも、流石に再婚はしなかったのが救いで

少し貧乏ではあるが、三食ご飯をもらえ、睡眠もしっかりとれるようになった。

ごく平凡な中学時代を過ぎ、高校に合格した。

高校は教材もなかなかに高いので、母はとんでもなく大変だったと思う。

そんな矢先に、難病を患い、食事制限、そして、アレルギーにもなり、陽の下に出ることもできなくなった。


平和は時間は、そんなに長く続かないらしい。困難を与えられることに嫌気もさす。

入院治療、副作用に苦しみながらも、何とか緩解期を迎え、留年することなく卒業。

この経験のおかげで、限りある人生を生きることの大切さを学んだ。

病気は治ることはなく、いつか私の体を大きく蝕んでいく。

それでも、前向きに、よい人生だったと思えるように生きていこうと思っていた。



が、今私はトイレにいる。

正確に言えば、鍵をかけたトイレのドアに寄りかかるように、座っている。

ドアノブに、さっきまで身に着けていたエプロンをひっかけて捩り、首にかけて。

顔は鼻水と涙でぐちゃぐちゃだ。

どうしてこんなことになったのだろう。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ