ポーション最☆高! ポーション最☆高!
する事がなくなった俺らは、イライザの禁書図書館にお邪魔していた。
イライザに迷路はやらせるなよ? 良いな? と脅――頼んだら、快く承ってくれた。
「なあ、どの本が読んじゃダメで誰が読んで良いんだ?」
「本当だったら全部読んじゃダメなんだけどね……。まあ、この本とかこれとかは大丈夫……かも?」
「かもってなんだかもって。確定してくれ」
「だって私人族じゃないから読んだらどうなるかあんま分かんないんだもーん」
少し怖いが……読んでみるか。
ペラッと開いて目次を見る。
【薬品生成について】
おっ、良いのがあるじゃないか。
早速そのページまでパラパラとする。
「……ふぅーん」
どうやら【薬品生成】は、全ての薬品を作れるだけでなく、想像上の薬品まで作れるらしい。
……マジか。
え、じゃあ不死とか水中呼吸とか出来ちゃう訳?
あ、でも強力すぎるのは効果時間が付くっぽいな。
不死薬についての記述まである……。
やっぱ皆んな不死になってみたくなるよな。
効果時間は……
「え?」
さ、三秒!?
くそ長いやん!
今の俺なら三秒で100m走るなんて余裕だからめちゃくちゃ強くないかこれ!?
よし、試しに一つ作ってみよう。
「【薬品生成】!」
目の前に血の色をしたポーションが生成される。
うおぉ……色がなんか嫌だ……。
「ぐびっ……ぶふぅ!?」
飲めるかこんなもん!
ゲキ不味すぎだろ!
てか何だこの味? ド◯ターペッパーに辛味とお酢でも混ぜたのか!?
ちなみに俺はリアルでもド◯ペは飲めない。
ラノベの主人公達なんかは好きらしいが、俺にはよく分からない。
「あーもうポーションを吹き出さないでよー」
イライザが指をパチンとやると俺の吹き出したポーションが消えた。
「おぉ……凄ぇ……」
「全くもー、本に付いたらどうするつもりだったの?」
「すまんすまん」
「気をつけてねー!」
さてと、再チャレンジしてみるか。
「【薬品生成】!」
目の前に現れた不死薬を手に取り、鼻を摘んでグイッといった。
「!?」
う゛う゛う゛ぅ〜!
鼻摘んでてもエグ味が凄い!
「ふぅ〜!」
膝に手をつき、ポーションが食道を流れるのを感じる。
うぉ〜……エッグいなこれ。
戦闘中にしか使う場面がないのに、戦闘中に使うと絶対疲れる。
この不死薬は切り札だなー。
他にも色々見てみるか。
その後、水中呼吸薬や状態異常無効薬や浮遊薬何かを作って試してみた。
意外にもどれも美味しかった。
やっぱ不死薬が異常すぎるだけっぽい。
というか水中呼吸薬の味、サイダーなんだよな完全に。
めちゃくちゃ美味いやん。
しかもちゃんとしゅわしゅわしてるし。
これ【薬品生成】じゃなくて【ジュース生成】じゃね?
いやでも美味しくポーションを飲めるんだったらそれで良いか。
「何飲んでるの?」
「んー? 水中呼吸薬」
「美味しいのそれ?」
「バカ美味ぇ」
「一つ頂戴」
「良いぞ、【薬品生成】」
水中呼吸薬をイライザに渡す。
「んん!? 何これ!? すっごい美味しい!」
「だろ?」
「ふ、普通ポーションって不味いのに……」
「でも俺の作ったのは美味いだろ?」
「確かに、この前作ってもらった移動速度が上がるポーションも美味しかった」
「俺ポーション作りの才能あるのかなぁー?」
「どうだろうね?」
そう言いつつ水中呼吸薬を飲んだ。
「イイジマー!」
「ん? どうしたレカ」
レカがトテトテと何らかの禁書を持って走って来ていた。
「見て見てー!」
そして禁書がバッと開かれる。
『ギュイエアアアアアアアアアアアアア!!!!!』
「うおおおっ!?」
この禁書ってまさか……。
「驚いた?」
「めちゃくちゃ驚いたよ。でもこれルリカ達にはやっちゃダメな?」
「何でー?」
「死ぬから」
「えー! 死んじゃうの!? 分かったー! やらなーい!」
「えらいぞー」
マンドラゴラの禁書だな、あれ。
いやホント、一番最初に驚かしに来たのが俺で良かった。
ルリカが最初だったら多分死んでたぞ。
新たに作ったポーションをグビッと飲む。
「お、状態異常無効薬はグレープ味なんだな」
美味い。
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