この森って、危険地帯すぎませんか?
『キュエキュエキュエキュエ』
「何か、凄い変な鳥の鳴き声がするな」
「ま、森人族の森なんだし、そういうのがいてもおかしくないんじゃない?」
「確かに」
俺らは今ニルの提案で森人族の探索をしている。
なんと言うか、すっごい冒険してる感があって良い。
「イイジマー、何か危険な動物でもいないのー?」
「何でそんな出て来て欲しそうに言うんだ……」
「退屈だから」
「お前なぁ……」
「あーあ、ここがあの図書館だったらドラゴンでも出すのに」
「仮に出したら禁書全部燃えるだろ」
「あっ、じゃあダメだね」
「アホなのか……?」
「アホじゃないよ!」
そんな事を話していると、近くの茂みがガサガサと揺れた。
「ひっ、なっ、何!?」
「落ち着けるルリカ、大抵こういうのは兎とかそういう小動物――」
『ガアアアアアア!』
茂みからバカデカい熊が出て来た。
……全然小動物じゃない。
「おいおいおい! 何で小動物じゃないんだよ! お決まりだろ!」
そう叫びつつ後ろにジャンプし、距離を離す。
『グオオオオオ!』
とんでもないスピードでこちらに近づいて来る。
「おらっ」
パァンと銃を発砲し、襲って来た熊の脳天に穴が空く。
「ふぅー、怖かったー」
「この熊……凄い大きいけれど、この森特有の熊なのかしら?」
「多分な、俺もこんな熊見た事ない」
インワドではこんな熊いなかった。
うーん……今更なんだが、色々増えたり変わり過ぎじゃね?
まあより良くなってるなら別に良いんだけどな。
そう思っていると、また近くの茂みからガサガサと音がした。
え、こんな短期間でガサガサなるもんか?
ポケ◯ンかこの世界は?
『キュウン』
「「わー! 可愛いー!」」
ちょこんと出て来たのは小さめの猫だった。
恐らく子猫だ。
ルリカとイライザが目をキラキラさせて撫で始める。
「猫か……」
俺の真横には猫人族がいるんだよな。
「イイジマ……撫でないの……?」
「ん? いやまあ撫でてみたいが、病気とか怖いからな」
「じゃあ……私を撫でてみる……?」
「……何を言ってるんだ? 頭打ったか? ほれ【超回復】」
「いや……どこも怪我してない……」
「じゃあ何でそんな事を言う?」
「私って……猫人族だから……猫と同じ毛の硬さ……の髪だし……清潔にはしてるから……病気の心配とか……ない……」
「ニルよ、一つ大事な事を忘れてるぞ」
「な……何……?」
「見た目」
「あ……」
「そう、猫を撫でたいと思うのは毛の硬さとかじゃなくて、見た目が可愛いからだ。
もちろん仕草が可愛いとかいうのもあるだろうが、やはり根本的には見た目が可愛いから撫でるんだよな」
「こんな……小動物に……負けた……」
「いつからお前は子猫と勝負してたんだ」
するとまたまた近くの茂みからガサガサと音がして来た。
「あ! また子猫ちゃんかしら!」
イライザが茂みに近づく。
『グルルルルル』
「ぁ」
「危ないっ!」
急いでイライザの元へ近づいて、出て来たモンスターとの距離を離す。
恐らく、あの子猫の親だろう。
いやー、何でこんなモンスターばっかいるんだ?
というかよくここら辺に住もうと思ったなあの森人族達は。
「おらっ!」
ベルトから銃を抜いて発泡したが、大きな爪で弾かれた。
「えぇっ!? マジか!」
「私がやるわ!」
イライザが前に出て、魔法を放つ。
「【麻痺付与】!」
イライザがそう唱えると、親猫はドサッと地面に倒れた。
「お前の【麻痺付与】ってこんなデカいヤツにも効くんだな」
「精霊種は魔法が大の得意だからね。というか魔法に近い存在だし」
「なるほど……?」
よく分からんが、まあ何とかなったから良いか。
「ちょっとここら辺は危ないからそろそろ帰らないか?」
「そうね、その方が良いかもね」
「私も……それが良いと思う……」
「そーだねー」
「スヤスヤスヤ……」
おいこの状況で寝れるってレカ凄すぎないか?
そう思いつつ俺らは帰る事にした。
「ふぁ〜……あれ? イイジマー、森の探索はー?」
「もう終わったよ」
「えぇ〜!」
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